日本社会の民主主義嫌い

 ツイッターで、デンマーク社会の住み良さが紹介されていた。社会保障の充実していて会社を辞めても、失業手当が充分にもらえるとか、新たに挑戦しようと、大学や大学院に行こうと、誰でも学費はかららないらしい。おそらく、老後もそんなに不安はないのだろう。税金は収入の半分くらい取られるとかいうが、ここまで安心できれば、どれほどいいか。日本の社会保障の貧しさ、公共教育費の不十分さには悲しくなってしまう。日本では市民が主権者という民主主義が根付いてないのではないだろうか。
 日本では、政治のドラマって、時代劇で刷り込まれるから。よほどの金持ちか、世襲でないと、政治家にならない。NHKの大河ドラマってたいてい時代劇で、わたしは嫌なのであまり見たことがないけれど、それが、政治家と庶民の生活はこういうものと思わされる。現代の政治家の出てくるドラマなんてほとんどない。庶民は年貢で苦しむけれど、それは当たり前と思わされているよね。なので、現代の政治にも関心を持てないし、お上の決めたことには逆らえない。というのが、日本人のスタンダードですよね。今国会の極悪法案満載の状態でも、テレビは文句を言わないし、市民のデモなどもほとんどない。会社に入っても上の決めたことには逆らわず、スト権を自ら放棄している、自己責任社会。
 こんなの、わたしの生まれた頃から進歩がないというか、劣化している。むしろ、1960〜1970年くらいの方が、学生運動はさかんで、ストはちゃんとやっていたし。社会党は自民党に対抗できる勢力だった。政権交代はなくても、自政治を充分批判できた。自民党もちゃんとその意見を取り入れて、いまみたいな、独裁、みたいな状況にはなってない。選挙制度が変えられて、政権交代可能な政党以外は口出しするな、という空気はいまの方がひどい。
 現代の普通のサラリーマン、くらいの収入でも、かなりの課税率と社会保障費を収めているのに、デンマークに近づけないのは、市民の意識だろうな。日本は社会保障費も教育費も国がだしている割合が低いのに、責任を家族に、家父長制が担うことになっていて、結婚しない人には不利になっているのに、誰も文句を言わずに、むしろ生活保護制度を利用すると(それは当たり前の権利なのですが)みんなの税金を使っていると、生活保護バッシングが厳しいし、政治家が税金を軍事費に使おうが、誰も文句を言わない。末端のcolabo みたいな組織が、「公金チユーチュー」と言われて非難されるし。また、むしろ、そういう暇アノンみたいなのが、市民の支持を集める。これが、自己責任社会を追求する。ヘルジャパン。第日本帝国でございます。いまだに女性の権利は認められない、ジェンダーギャップ125位の国。もうちょっと、ヨーロッパの社会民主主義の国のことを報道すべきですよね。アメリカ様第一で、なんでも自由主義経済万歳、ネオリベの弱肉強食じゃなくて、他の選択もあるということを。
 この道はいつかきた道ではないだろうかと、本当に最近は怖くなっている。

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