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READYFORに入社して1年と1ヵ月が経ちました

|まえがき

1日の大半を家で過ごす日々が続き、気づけは季節は夏の入口ですね。みなさんいかがお過ごしでしょうか。

前回の投稿から8ヵ月。筆というのは間をあける程に重くなるのが世の常でして。「外出の予定がなくなって時間ができたし、これを機にnote更新するぞー」「入社して1年たつから、連休中にnoteかくぞー」と思うものの遅々として進まず、結局「1年と1ヵ月」というよくわからん今のタイミングで、どうにかこうして投稿するに至ったわけです。

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TOP写真は、最後にオフィスに出勤した日に撮影したもの。2月末からスタートした全社リモート体制の狭間でかろうじて出社したこの日、オフィスの窓際は皇居の桜を独り占めできる特等席でした。

前置きが長くなりましたが、そうなのです。大学でデザインを学び、前職ではデザイナーを名乗っていた私が、11年間すごしたデザインの世界を飛び出し、クラウドファンディングの「キュレーター」をいう仕事に就いて、1年と1ヵ月が経ったのです。

というわけでこの記事では、READYFORでの今日までを(重い腰を上げて)振り返り、スキルや働き方の変化などをまとめてみようと思います。「あいつ転職してどうなったのかな〜」という友人への近況報告と、2年目をむかえる自分のための記録、そしてもしかして「READYFOR」「キュレーター」といったキーワードでこの記事にたどり着いた方がいたら、そんな方にも楽しんでもらえる文章になっていたらば幸いです。

|北は厚真町、南は与論島まで。

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入社以来、本当にいろんなプロジェクトを担当させていただきました。それはもう、予想を上回るハイスピードで。(平時、1日1件のペースで新規の実行者さんと打ち合わせをします。)ひとりで本格的にプロジェクトを担当するようになった7月から5月までに公開したプロジェクト約70件。まだ公開中のものもありますが達成済のもの55件ほど。

この日本地図は、完全なる自己満足で、自分が担当した(達成済の)プロジェクトを地図上にプロットしてみたもの。入社時に「いろんな地域やフィールドで新しいことを始め、やりたいことの実現を目指す人々と、一緒にお仕事が出来ることがとっても楽しみです。」とFacebookに投稿していた私にとって、日本地図にこれだけのピンが立つことは、シンプルに嬉しい。

|この1年間で鍛えられたこと

・企画を読み、構成する力
多岐にわたるキュレーターの仕事の中でも、明確なアウトプットとなるのがプロジェクトページです。ただ情報を網羅することや見栄えを整えることではなく、そのプロジェクトを理解し、伝えるメッセージの軸を定めるということこそが、キュレーターの腕の見せどころです。(偉そうに言っていますが、まだまだ絶賛修行中です。)

クラウドファンディングを成功させるために、誰に、何を、どうやって伝え、どう思ってもらえればよいのか考える。ときには、そもそも実行者さんにとってクラウドファンディングの成功ってどういうこと?というところから、一緒に考え、シナリオを描いていく。この1年間、そうやってたくさんの方の想いと向き合うことで、プロジェクトの肝がどこにあるのかを見定め、メッセージを構成してアウトプットする力は少しずつ鍛えられたのかなと。


・人を動かすコミュニケーション、の奥は深い
「やりたいことを実現する」ためにお金を集めることは、知れば知るほど大変で、そこにはビジネスともプライベートともいえない、いつもとちょっと違う一歩踏み込んだコミュニケーションが詰まっているように思います。

支援のお願いという難しいコミュニケーションを、実行者さんが自信をもってできるように支えること。実行者さんに作業のお願いをするときは、納得感をもって取り組んでもらえるように、伝え方やタイミングに気を配ること。キュレーターとしての日々は、決して画一的ではないコミュニケーションを膨大にこなし(しかも電話やビデオ通話で)、トライ&エラーを繰り返しながら、その奥深さと難しさを痛感する日々でした。これも修行中。


・反応!反射!音速!光速!タスクを時間で捉えること
マルチタスクのほうが燃えるタイプの私ですが、20件くらいのプロジェクトを同時に担当するというのは、流石に脳内大運動会状態でした。打ち合わせ、作業、打ち合わせ、作業のサイクルが同時にいくつも回るので、タスクに追いついたと思った次の瞬間には、追い越されているような感覚でした。

ものづくりの世界ってなんとなく、時間をかけてでも良いものをつくることが良しとされる風潮があるから、これまでの私の時間感覚は正直どんぶり勘定でした。けれど大量のタスクをこなさなければならない状況下では、TO DOリストを順番にこなし終わらなければ残業でどうにかするという根性スタイルには限界がありました。自分なりにタスクを回そうと試行錯誤した結果、成果とそれにかかる時間を意識するようになったことは、長い目でみても大きな収穫だったように思います。(しつこいようですが、これもまだ修行中。)


・貪欲に数字を追う
READYFORのクラウドファンディングは、そのほとんどがAll or Nothing 形式。つまり目標金額に1円でも届かなければ、集まった資金は支援者さんにお返しすることになります。その場合、READYFORとしても一切手数料をいただかないため、どんなにがんばっても、未達成で終わればキュレーターとしての売上はゼロ。クラウドファンディングの達成という意味でも、個人の売上という意味でも、「目標達成」に貪欲なメンバーに囲まれて、数字を追うマインドが鍛えられた1年だったように思います。もちろん数字が全てではないけれど、決して切り離せないものであることもまた事実。そのバランス感はずっと大切にしたい。

|働く上で変化した、環境や意識


・さようなら、紙とペン
紙の図面や提案資料、分厚いカタログ、手書きのメモやスケッチに囲まれる日常から一変。実行者さんとのやり取りはデータのみ、社内資料もgoogleドキュメントをPC画面で閲覧するだけ。(そういえば転職を機に、それまで紙の手帳をつかっていたスケジュール管理も、googleカレンダーに完全移行しました。)PCひとつでどこでも仕事ができる身軽さはもう手放せないけれど、まとめ買いしていた大量のフリクションボールペンの換えインクがもったいない。絶賛貰い手募集中です。


フロントに立つということ
ひとりでプロジェクトを担当するというプレッシャーを、実は初めて味わいました。前職でも、デザイナーとしてひとりで案件を担当することはあったけれど、常に営業さんとペアで動いていたから、1対1でお客さんと対峙するという感覚は薄く、無意識に守ってもらっていたんだなぁと。どんな仕事でも自分のやったことに責任をもつことは当然なのかもしれませんが、それをひしひしと実感した1年間だったなと。


組織やルールは、アップデートしていくもの
入社当初、社内ルールの説明時に「改善点があったらどんどんフィードバックして」と、さらりと言われたことが今でも印象に残っています。その言葉の通り、サービスの進化にあわせて、組織体制も業務フローも、どんどんアップデートされてきました。「スタートアップで働いてるってかんじ〜」なんて思いながらも、最初はそのスピード感についていくのが精一杯でした。けれど、「これはこういうものだから」と思考停止するのではなく、常によりよくしていこうという視座で仕事に取り組むメンバーに囲まれて働くことは、私にとってものすごく刺激的なことでした。

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READYFORは9月にオフィス移転、10月にはロゴも新しくなりました。写真は前のオフィス最終日のもの。

|役に立ったスキル

異分野に飛び込んで、これまでの経験や身につけたスキルが無駄になったかというと、もちろんそんなことはなく、役に立っていることもたくさんあります。

ページづくりにおいて、意図して何かをアウトプットするというプロセスは、デザインの世界で学んだ基本姿勢そのもの。ポイントを整理して伝えるプレゼンテーション力も、グラフィックデザインの基礎知識も、ちゃんと武器になっていると感じます。時間をかけて出す100点のグラフィックよりも、すばやく出す60点のほうが重宝されるから、いつも「ほどほど」でアウトプットしてしまえる私のツメの甘さが、良い方に作用している気がする。(いろんなところから石が飛んできそう。)

それから、学生時代から何かとイベントづくりに関わってきたおかげで身についた、手づくりパーティスキル(?)も役に立っています。入社間もないタイミングからイベントの準備に巻き込んでもらえたことは、会社になじむきっかけにもなって、とても幸運でした。

お披露目パーティでは、会場でつかうフラッグやコップ、POP、お土産グッズなどの準備を担当させてもらったよ。

|おわりに (2年めの抱負にかえて)

気合いが入りすぎた結果かなりボリューミーになってしまった記事を、ここまで読んでいただき本当に本当にありがとうございました。

実は5月からちょっぴり異動となり、大きい案件にチームで取り組むことが増えました。READYFORを支えてきたレジェンドキュレーターたちと一緒に仕事をする日々は、これまた刺激的で学ぶことがいっぱいです。

なにはともあれ2年目に突入。大きな目標を掲げるよりも、目の前の選択をひとつずつ積む重ねて歩むほうが性にあっているので、2年目の抱負宣言!はしません(笑)。

上には書かなかったけれど、入社して気づいたことのもうひとつが「私、振り返りがめちゃくちゃ苦手だな?」ということ。内省する習慣がないので、言語化もスラスラできない。これは訓練あるのみだと思うので、苦手だからといって避けて通らず、経験をきちんと自分のものにできる素敵な大人を目指して、明日からもがんばりたいと思います。(noteも更新するぞ。)

おしまい。

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外出自粛期間の真っ只中、家から徒歩10分のクラフトビール屋さんの前で。

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