久しぶりに人通りの多い場所を歩いたら怖くてたまらなくなりました

改札を通るときにじっと見てくる駅員、電車に乗り込んだときの人の目線、乗り換えホームで待つ時間、向かいに座ったおじさんの目、おばさんたちの笑い声、ヒールの音、サラリーマンの鞄のチャックがカチカチと鳴る音、虚ろな目でふらふらと歩く老人、母親とベビーカー、スマートフォンから目を離さない女性、ガラス張りの店内に佇む店員、動いているエレベータ、マスクを付けた男性、背後から聞こえる足音、すれ違う人たち。

すべてが怖くて、涙が出そうになって、道の端に寄って、壁を背にして、人の波が落ち着くまでなるべく息を殺した。
全員が刺客に見えた。

こんなまちなかで危害を加えるような人に会う確率なんて低いし、そもそも誰もわたしのことなんて気にしてない、精々通行人Dくらいの人物だから、大丈夫。そんなことを自分に言い聞かせて、なんとか家についた。本当に怖くて怖くてたまらなかった。

そういえば今日、薬を飲むことを忘れていた。
薬を飲んでも世界は怖いから、こんなものは気休めだと思っていたけれど、本当の世界は、100倍怖かった。

もう外に出たくない。
でも外に出ないと社会復帰が遠のく気がする。
はやく普通に戻りたい。