見出し画像

熱々じゃないとラーメンじゃない!

先日映画「タンポポ」を観る機会がありました。

山崎努さん演じるトラック運転手が、煮立ってないお湯に麺を入れようとする宮本信子さん演じるラーメン屋さんに上記の言葉を放ちました(正確にはちょっと違う言い回しかも、書き留めておけばよかった)。

思わず拍手しそうになりました。観てたのがインド映画だったら、間違いなく掛け声つきで拍手していたと思います。

このセリフを書いたプロパガンダのチラシを、欧州中のラーメン屋の郵便受けに投げ込みたい。(スイスでは郵便受けに「チラシお断り」のステッカーが貼ってあるお宅が多いです。法的根拠があるのかは今度調べてみようかと。オランダのアムステルダムでは明示的に広告可というステッカーが貼っている郵便受けへの投函のみ可能で、原則チラシ投函は違法になっていました。)

欧州中のラーメンを網羅したわけではありませんが、スイス・オランダ・フランス・ドイツ・イギリスで食べたことがあります。
お店の人が、丼を手でうやうやしくささげ持ち(お盆はないパターンが多い)、しずしずとこちらに歩いてくるのが見えた時点で、ああ、丼が全然熱くなさそう、これは間違いなくぬるいやつwと心で思うのですけど、お店の人がニコニコとテーブルに置いてくれるので、こちらも笑顔でお礼を言ってから頂いております。が、ほとんどの場合、ぬるい。

ネットで、アメリカでは衛生法の関係で、具は冷蔵庫から出してすぐに載せる義務があるため、ぬるくなりがちというのを読みました。
欧州各国でもそうなのかどうか、残念ながら私は知らないものの、ぬるいラーメンの理由について個人的な観察を基にいくつか仮説を立ててみました。

1 元々、飲食物の温度にあんまりうるさくない人が多い印象。ラーメンに限らず、コーヒーなども時々ぬるい場合がある。猫舌の人が多いって聞きますね。

2 チーズフォンデュとかは熱々だし、お皿を温めて出すレストランもあり、熱々の食べ物を出すという概念は存在する。
熱々のラーメンがそもそも市場にないため、ラーメンとはこういう食べ物なんだということで、特に問題にならない。

3 ラーメンの価格帯だと、丼を温めたりという余分な手順を踏むのは割に合わない。

4 日本のラーメンに比べて、スープの量に対して麺の量が多いので、冷めやすい。これは客のニーズとお店の事情のミックスではないかと。

5 さっと食べてぱっと出る客は少ない。流行りのオサレな料理を、みんなでおしゃべりしながら食べるというイベント。前菜に餃子や唐揚げ、メインでラーメン、デザートにモチアイス。熱々のラーメンもゆっくりと食べるので、結局ぬるくなるから問題ない。

答えを知っている方はぜひ教えてほしいです。

さんざん欧州のラーメンぬるいと語り倒しましたが、映画タンポポが作られた1980年代の日本にもぬるいラーメンが割とあったんでしょうね。だから山崎勉さんのセリフに説得力があった。

今はどうなのかな? と海外暮らしの命綱であるネットで検索してみると、ぬるいラーメンへの言及がちらほら、それから熱すぎる!というものも。

なお、検索中、上記米国のラーメン事情を知ることができました。本来ならここに言及してお礼を申し上げるべきですが、勝手にリンクを貼っていいものかわからないので、気になる方は調べてみてください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?