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小説 万テチョライフでレベルアップ~よりそう Season2 ~ 13

「今日一番のトライは?」そう手帳に書いてあったことも忘れるくらいに一日忙しく終わってしまった。先輩に声をかけられたあと、チームの朝会が終わって、作業をして、午後からは外出。今日の商談はそこそこうまく言った気がする。

会社に戻って、商談の結果をシステムに入力して、一息をついているのが今。オフィスの真ん中くらいにある休憩スポットで大豆系の空腹をしのげるスナックを食べながら、ちょっとのぼーっとした時間を過ごしている。

胸ポケットに入れていた昨日買ったばかりの手帳に気が付く。

あれ、そういえば、今日一回も開いてないわ。メインの手帳だって朝、カフェで開いたきりだ。そういえば、今日の質問で、今日一番のトライは何?って書いてあった気がする。

とりあえず、何か書こうと思って、M5と呼ばれる小さい手帳を広げた。
昨日試してみて、普通システム手帳はリングを盾に使うのが一般的なのだが、M5の小さい手帳に関しては横にして使おうかなと思っている。

その方が書くスペースが広くなる気がするからだ。

とりあえず、今日の商談の時のことをかこうかな。うーん、うまくできたこと、もう少しここを準備しておけばよかったことはあるかなと考えながら書いていると、

「面白いことしているな」 気づかないうちに部長が隣にいた。
「あ、部長。す、すいません。全然気づきませんでした。おつかれさまです。」 全く気付かなかった自分が恥ずかしくなり、慌てて声をかける。

「今日の振りかえりか何かか」部長の声はいつも落ち着いている。

「あー、そうなんですよね。実は、この小さい手帳を昨日買ってしまいまして、メモをとる習慣を持とうと思ったんですけど、、今の今まで胸ポケットに入れているのも忘れていたくらいで。。。」 恥ずかしそうに話すと、

「それだけ集中していたってことじゃないか。そのてちょうみせてもらってもいいか? あ、そのページは見ないから安心してくれ。」

「え、あ、はい。どうぞ。 ここも見ていただいてもいいですが。」と言って渡す。
「お店の人が、M5というサイズだと教えてくれました。」一応、昨日聞いた情報を少し付け加える。

部長も興味を持ったのかパラパラとめくってみたり、自分の胸のポケットに入れてみたりしている。ちらりと見えるホワイトスターのボールペン。いろいろなしぐさがかっこいい。

「このサイズの手帳なかなかいいな。今度自分も探して、買ってみるよ。ありがとう。」そう言って部長は立ち上がり、休憩スポットから出ていこうとする。
「あ」 といってこちらを振り返り、少し小声で、

「例の件、来週火曜に社内で発表される。そうしたら動き始めるから、よろしくな。」
笑顔で去っていく部長。 後姿がかっこよすぎる。。。。

今までより背中で物語っているものが増えている気がする。何よりこのプロジェクトを楽しみにしているんだろう。一歩引いているのかなと思えるくらい落ち着いていた部長がなんか少し近い気がした。

今日はかっこいい部長をイメージしてみんフォトを選びました。

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