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もう少し夏でいたいキリギリスの着物

九月は夏が秋に移る途中で、日によって日差しや気温や風の感じが違います。
なので着物もいろんな可能性があって、天気とシンクロできるのが心地がいいんです。

ここのところずっと雨が降っていて気温も25度を下回って、戸惑う日が続いていました。
今日は久しぶりに雨は上がりましたが、肌寒いです。

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まだ夏はちゃんと終わっていないのに。

そんな気分で着物を着たいと思いました。

この絽の黒地の薄(すすき)の帯は「夏の終わり」にと思って、ずいぶん前に手に入れたものですが、ぴったりくるTPOがこれまでほとんどなくて、もしかしたら一度も締めていないのです。

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今日はこの帯をなんとか締めたいと思って、コーディネイトを考えてみました。

この頃のお天気のような「ちぐはぐな気分」を乗せたくて、着物も透け感のある夏の着物をあえて選んでみます。

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「着物は季節を先取りして」と言われることも多いのですが、
「夏物のワンピースの今年最後の日にしよう」というテーマです。

まず最初のとっかかりは、「夏なのに秋」で、枯れ色が含まれた帯揚げと帯締めを。

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小豆色の帯揚げに、栗色(栗の底の皮の色)の帯締め。夏物の着物に合わせた「ちぐはぐ感」が出てていいかも。

もうちょっと、夏の空の色も醸したいし、秋の赤も際立たせたら、ちょっと直接的ですが、こんな感じも。

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ちょっと、洋風になって、油絵の具で描いた大和絵みたい。

もうちょっと「薄」にフォーカスしたらどうでしょう。というわけで、いろんな枯れた緑を合わせてみます。小さい頃に原っぱにいた、枯れ草色になった殿様バッタを思い出します。


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この、最後の合わせ方が、気分にぴったり。かな。

たぶん、このままでは寒そうなので、軽めのストールを合わせなくちゃ。
ノースリーブのワンピースに、カーディガンを羽織る感じで。

ススキの着物.001

紺のストールにしたかったので、帯揚げをもう一回変えちゃいました。
こうして比べるのが、色違いのワンピースを選ぶ気分。

ここに、この夏の初めに買った、プラスチックのかごバックを合わせます。

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できた!
夏が過ぎてしまいそうな、キリギリスが着ている着物。



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