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流れ星 2009年1月4日

流れ星を見た。

たくさん、たくさん。
オリオン座の三つの星の一番上から
ひゅんひゅんひゅんひゅん。

空がどこまでも、どこまでも広くって、
夜空には宝石をちりばめたように
たくさんの星がきらきら。

そして、流れ星。
とめどなく流れる、流れ星。
あんなにたくさんの流れ星を見たのは、初めてだった。

何もかもが四角いお父さんと
小動物のようにくるくる動くお母さんと
酔っ払って絡んでくるおねいちゃんと
会うたびに泣き出してしまうおばあちゃんと
お墓の中から静かに見守るおじいちゃん

お母さんが
栗の渋皮煮とか
うちで取れた梅でこしらえた梅酒とか
えご草をとろとろに煮て作ったえごとか
そういう手の込んだ懐かしいものを作っていると
なんだか安心する。
ずっとずっと昔の
小さいころの家族が元に戻ってきたような気がして。

流れ星を見たせいで
家族がとても
とても愛おしくて

あたしはいつまでも末っ子で
うそをついた陶器のように白く濁った心を
見破られないように
そっと、そうっと、息をする。
東京の空の下で、
一人の部屋の中で。


       ☆


流れ星にお願いしたこと。
白く見えない陶器をがちゃんと割って
家族と、家族みたいな人たちに
胸を張って生きていると叫べるように、
なれますように。

おねいちゃん
あたしたちは全然違うけど
でもあたしのおねいちゃんは
あなただけです。
安心してね


       ☆


保育園からの幼馴染が結婚することになった。
うれしくて、ちょっと寂しくて
でもやっぱり嬉しい。
幸せになってね。
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※この記事は、2009年01月4日の日記を転載したものです。
画像はみんなのフォトギャラリーからほしのさんのものをお借りしました。

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