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至高の酒のつまみシリーズvol.1「焼き味噌」

さて、今日は、
最高の酒のつまみを
酒飲み読者諸君に
ご紹介しよう。

なお、至高の酒のつまみシリーズは、

自称大酒飲みの僕が、
酒飲みの人のためだけに
渾身の厳選つまみネタだけを
紹介していくものである。

なので生半可な酒飲みの方は
ここで退室して
いただくことを
おすすめする。

その記念すべきvol.1は、

「焼き味噌」

である。

それでは早速、作り方を
レクチャーしていこう。

この焼き味噌だが、
この料理を僕に
教えてくれた人がいる。

あの道場六三郎さんだ。

話は僕が中学生の頃に
さかのぼる。

ふとテレビをつけると、
一世を風靡した
和の鉄人、
道場六三郎先生が
自身の大好物の
酒のつまみとして
紹介していたのが、
この焼き味噌だった。

作り方は至ってシンプルだ。

昆布の上に味噌を乗せて
卓上コンロで焼くだけ。

その映像を見て、
中学生だった僕は、
それをアテにして
すでに酒が
飲みたくなっていた。

後に、大酒飲みとなる僕の
隠れた素質を
垣間見た瞬間である。

六さんは、
(ここでは六さんと呼ばせていただく)
昆布の上に味噌をのせ、
コンロで炙りながら、
焼けた味噌を
ちびちびと口に運び、
日本酒を楽しまれていた。

「昆布の上にねえ、
こうやってね、
味噌をね、
乗っけてね、
焼いて食うと
うまいんですよ。

僕はね、
この食べ方が好きでね。
お酒が好きな僕にはね、
これが最高なんですよ。」

42才になった僕も
六さんと同じことを
しているわけだが、

しかし!一つだけ
違うことがある!

テレビの中の
六さんはそれはそれは、
ピンピンで真っ直ぐで
綺麗な昆布を
使っていたことだ。

そこは和の鉄人が
用いる昆布である。

羅臼だの利尻だの、
いわゆる
高級とされる昆布
だったはずだ。

ただ、酒飲み諸君なら、
わかると思うが、

たかが酒のつまみごときに
そんなピンピンで
真っ直ぐな高級昆布を
使えるわけがないのだ。

そうでなくても、
酒飲みオヤジは
家族内では肩身が狭い...。

つまみに高級食材など
使おうものなら、
妻にキレられて
ジ・エンドである。

だが安心してほしい。

金などかけずとも、
六さんに負けない、
美味しい焼き味噌は
味わえるのだ。

そのためには、
まず、スーパーで
売っている
お得用の昆布を
チョイスしよう。

スーパーに行けばわかるが
安めの昆布は
丸まっているのだ。

決して真っ直ぐ
平ではない。

しかしこれでは
味噌が昆布の上に
のせられない。

だが問題ない。

丸まっている昆布を
少し、水につけよう。

そうするとすぐに
柔らかくなって、
真っ直ぐになる。

おっと、ここで肝心の
味噌の準備に
取り掛かろう。

焼き味噌に
使う味噌は田舎味噌だ。

こうじ味噌と
言われる類だろう。

味噌はなんでもいいのだが、
僕は北海道の
福山醸造さんの
田舎味噌を使っている。

この味噌、僕がパン屋を
経営していた時に、
卸業者さんに
教えてもらった味噌で、

味噌汁にすると
たまらなくうまい。

ただうまいだけでなく
飽きがこない。

それゆえに
我が家では8年、
この味噌で味噌汁を
作り続けている。

8年もの間、僕ら家族を
飽きさせないこの味噌は
ある意味すごい。

もし諸君も、
うまくて飽きない味噌汁を
毎日飲みたいななら、
一度、取り寄せてみてほしい。

ヨドバシの通販で、
送料無料で買えるし
決して値段が高い
味噌ではない。

https://www.yodobashi.com/product/100000001005498638/

さて話を戻そう。

焼き味噌に使うのは、
味噌とネギ、酒、
これだけである。

ネギはなるべく薄く
スライスしよう。

焼き味噌用に使うネギは
青い部分で十分である。

白い部分は家族のために
使うくらいの配慮は
酒飲みオヤジとしては
しておきたいところだ。

そしてネギは決して
みじん切りに
してはいけない。

薄くスライスした
ネギこそ、味噌が
絡んでうまいのだ。

写真の包丁がやたら
ゴツいのは、
パン屋を経営していた時に
使っていた牛刀が
我が家の常用の包丁に
なっているからであり
気にする必要はない。

薄くスライスした
ネギと味噌適量と
日本酒を少々、
ボールに入れたら、
かき混ぜる。

以前、みりんも試したが、
甘くなりすぎるので、
ここは酒が正解である。
適度な甘さを加えてくれる。

加える酒の量は、
味噌がトロトロした粘度に
なるくらいが目安だ。

さて、これで味噌の
準備は完了だ。

先ほど水に浸しておいた
昆布がいい具合に
柔らかくなっている。

味噌を焼くための
フライパンと
卓上コンロを
用意しよう。

味噌を焼ければ
なんでもいい。

僕の場合はこれまた、
パン屋を経営していた時に
使っていた、
サンドウィッチ用の
卵焼きのフライパンを
使っているが、
こんなんじゃなくても構わない。

昆布はフライパンの
大きさに合わせて
ハサミで切っておく。

余った昆布は明日の
味噌汁の出汁にでも
すればいいだろう。

味噌を昆布の上に
のせていこう。

平たく均等に
味噌がのせられたら、
もうこれでやることはない。

あとは卓上コンロで、
焼きながら
食べるだけである。

我が家では、
焼いた味噌をこそげながら
食べる道具として、
もんじゃ焼き専用の
ちっちゃいコテを使う。

実は僕が住んでいる
マンションの一階には、
調理器具屋さんがあるという
幸運に恵まれているおかげで、
こういうオツな道具が
すぐに手に入るのだ。

ただ、酒飲み諸君は、
普通のスプーンで
まるで構わない。

さあ、自分が
好きな酒を
手元に用意できたら
さっそく食べていこう。

対面の席に
一人現れたのを
お気づきだろうか?

そう、僕の息子だ。

僕が焼き味噌を支度すると、
必ずと言っていいほど、
現れるのが将来の
大酒飲み候補の息子である。

この歳ですでに、
焼き味噌が大好きとは、
まさに将来が思いやられるが、
そこは血は争えまい。

さて、この焼き味噌だが、
酒飲みが欲しがる
つまみの求める必要要素を
完全に満たしている。

まずは ”酒に合う” ということだ。
これがないと話にならない。

昆布の上で熱することで、
味噌に昆布の風味が移り、
非常に旨味の強い、
香ばしさを伴う
酒好きには
たまらない物に仕上がる。

そして次に、
熱々だということだ。

卓上コンロで焼きながら
食べるわけだから、
そんなものは
熱いに決まっている。

次に塩辛いということ。

「薄味で健康にいいですね!」

これは、酒飲みには
通用しないのだ。

ただひたすらに
塩辛いがそれでいい。

それだけではない。

ちびちびとやれるのだ。

味噌をちょびっとずつ、
こそげながら食べて、
その度に酒を流し込む。

「熱々なので、
冷めないうちに
早く召し上がれ!」

的な料理は、
生粋の酒飲みの場合、
状況によっては、
ベストとは言えないこともある
ということは、
酒飲み諸君なら
わかっていただけるであろう。

熱い状態をダラダラと長く
楽しめる要素こそ、
つまみには求められるし
それを焼き味噌は
完全に満たしてくれる。

さらにさらに、
焼き味噌は
味変(あじへん)するのだ。

最初、水分量が多かった
味噌もコンロで
火を通すことによって、
どんどん水分が蒸発して、
どんどん香ばしく、
そして塩辛くなる。

火を通し始めたばかりの
若い感じの味噌を
楽しんだあとは、

加熱することで
変化する焼き味噌の味変を
存分に楽しもう。

火が通り過ぎて、
最後の方になると、
かなり塩辛いから、
ほんとちょびっとの量でも、
焼酎1杯いける!なんて
こともあるかもしれない。

そんなこんなで、
焼き味噌を
食べ終える頃には、
もう出来上がっている。

今日もうまいぞ、
焼酎が、ビールが、
ウイスキーが。

ということで、
話を終わりにしよう。

酒のつまみを考える際の
参考にしてもらえたら
幸いである。


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