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ドライブ・レンタ・カー

◯月◯日。地下採掘場跡にある栃木県の大谷資料館に行く。大谷石とは、栃木県宇都宮市大谷町付近一帯から採掘される、流紋岩質角礫凝灰岩の総称なんだとか(大谷資料館HPより)。日本がまだ海の底だった頃に、海底火山の噴火により噴出した火山灰などが海中に堆積し、長い年月をかけて固まってできたものだ。

私は新婚旅行で行った小田原の江之浦測候所で、杉本博司氏の一切惜しみない大谷石の使いように魅了されて以来の大谷石ファン。外壁が大谷石のお家などを通るときにしれっと撫でてみたり。ちなみに、息子が今通っている保育園の庭にはピザ窯があって、それが大谷石でできているらしい! そんなラグジュアリーさが田舎にはある。

閑話休題。ニッチな嗜好の人が集まるニッチな資料館だろうと思って現地に着くと、行楽日和とはいえ、めちゃくちゃ人がいて驚く。資料館の横には、「𝗥𝗢𝗖𝗞𝗦𝗜𝗗𝗘 𝗠𝗔𝗥𝗞𝗘𝗧」と銘打たれたカフェとセレクトショップの複合施設があったり、「ザ・デート」といった感じの装いのカップルが多かったり、なんか横浜の馬車道あたりに来たかのような感覚に…‥!

肝心の地下採掘場跡は、ひんやり冷たく、海の底にいるような気持ちになったけど、いきなり假屋崎省吾氏の花が飾られていたり、謎解きゲームが開催されていたり、色んなレイヤーが混在していて結構カオスだった。

帰り道は、益子にある行きつけの古家具屋に寄りつつ、パートナーが運転する車に乗って、色々考え事&爆睡。わりと予想していたことだけど、田舎暮らしになるとドライブする機会が多くなり、車内でボーーッとする時間が格段に増えるなぁ。

「自分という車のハンドルは自分で握る」ことの重要性を、編集のお師匠さんがおっしゃっていてーー私は各界に心のお師匠さんがたくさんいますーーその理想であり大前提に向かって、一歩ずつ歩んでいる。

なんだけど、自分で居続けることって、現時点では、しんどいときもあるから、たまに、人の運転する車に乗って休憩する時間をもらえるのはいいなって思う。それが人との関わりにおけるギフトなのかも。元気になったら、また自分の車に戻って運転すればいい。

唐突だけど、映画『ドライブ・マイ・カー』もそういう話だったのかなと思いつつ、我々は、ニコニコレンタカーに借りた車で帰路へとつきました♪

大谷名物「ぶじかえるフレッシュバター入りどら焼き」



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