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ワーホリをおしまいにしようかな

10月27日。
母方の祖父が危篤だという連絡が来た。
実は祖母の方が先に具合が悪くなってた。そして1年くらい前、何かの際に病院に行ったら、祖父のほうがいつ亡くなってしまってもおかしくないという状況だということを知ったらしい。


祖父は明日明後日の命だということで、正直会うのは諦めてた。
お母さんが次行ったときにラインしよう。
わたしのビザは3月までだけど、それまでに祖母が持つかわからない。東京に住んでる妹も急いで1週間くらい帰省するらしいから、それに合わせて一時帰国すれば、なんとか孫2人揃って会えるんじゃないか。せめて祖母には会いたい。



航空券を調べる
とりあえず航空券を調べよう。福岡にはどう行けばいいのだろうか。

ロンドンー羽田ー福岡が1番先にヒットした
「あれ。たしか2週間隔離しなきゃだよな。」東京には車を出せる知り合いはいないから、ホテルとかで2週間過ごさなきゃいけないのか。それはなかなかきついな。時間的にも金銭的にも。
でも、このルールはもう変わってるかもしれない、という微かな期待を抱いて調べたけど、やっぱり今も2週間の隔離は必要みたい。


ロンドン ーソウル、ソウルー福岡
そうか、福岡で入国すればいいんだ。
1ヶ月先の国際線を見たけど、韓国からの便はtway というLCCのみで、しかも11月末より運航。断念。


ロンドンーたしかアムステルダム ーシンガポール、シンガポールー福岡
シンガポールまでは往復£400-500くらいで思ったより安い。(あくまでもチケット代のみ)でも、シンガポールから福岡が、週に1回とかで往復£900。え、高くね?


ロンドンーイスタンブールー台北、台北ー福岡
シンガ同様、台北までは£400-500。台北ー福岡は週に1日運航してるぽい。早朝の便は£600くらいで、次の便は往復£1000。さすがにこの値段はふざけてる。


台北が1番望みがあるとして、台北の金曜早朝に乗るには、たぶん台北に木曜の深夜に着く必要がある。
そのためにはたぶんロンドンを水曜に出なきゃいけない。

すべて予定通りに行けば。

もし欠航になったり、途中でトラブルになったりしたら、台北で1週間足止めを食らうかもしれない。正直気が遠くなった。
一時帰国するのは諦めた。


おじいちゃんには会えなかった。
29日の早朝、祖父が亡くなったという連絡が来た。
純粋に悲しみたかった。
お金とか、福岡までに帰るまでの手間とか、今帰ったらコロナとかで逆に迷惑かな?とか、自分の中での事務手続きが難航してしまい、なかなか感情が湧いてこない。


イギリスに行く直前に祖父母と旅行に行った。その前に会った時よりか、ちょっとボケてるかな?という印象があった。なんども18日に出国だと言ってたのに「ところでいつイギリスに行くと?」と聞いてきた。ちょっと歩くのが遅くなってた気がした。でもそれだけだった。


だから入院したりとか、いつ亡くなってもおかしくないとか、お母さんにキレまくったらしいこととか、そういうのを全く知らない。
知らないからまったく実感がない。
かなり頑固ではあった。私が小学生の時に大きな怪我をして思うように体がうごかせなくなっていたけど、それでも運転もできたし、いつも庭をありえないほどに綺麗にしてたし、私はいい歳してお小遣いをもらっていたし、いつも「風邪をひかないように」と心配してくれてたし。だから到底信じられない。


友達が亡くなった時も、父方の祖母の時もそうだったけど、もっと何かできたよなと思う。もっと連絡すればよかったし、日本にいる間はもっと会いに行けばよかった。
それでも私はすぐに日常に戻る。
何もできなかったとか、後悔してる的なことを言っておきながら、これを書いている1時間後には夜ご飯を友達と外で食べる。そんな自分も許せない。


おばあちゃんには会わなかったら後悔するかも
11月1日の朝、酸素の機械が無いと生きられないらしい祖母とビデオ電話で話した。「私は3月に帰るから待っててね」そう言ったら、「もう間に合わんかもしれん」とか柄にもないことを言っていた。元気だった時は「あーもうぐらりする」とよく言ってた。(未だにこの「ぐらり」がなんなのかはよくわかんない笑)多分「疲れた」的なニュアンスなんだけど、それがなんだか可愛くて面白くてよく妹と笑っていた。そんなチャーミングな祖母が「おじいちゃんも待っとったとよ」「来月が3月ならいいのに」と泣きながら言っていた。「やっぱりあんたがおらんとでけん(あんたがいないとダメ)。(妹と)2人揃って会いたか」そんなこと言われちゃったらさ。。。


一気に会いたい気持ちと、会えなかった後悔と、何もできないもどかしさと、いろんな感情がぶわーーーってなってきた。


もう帰ろうかな。一時帰国とかじゃなくて、ワーホリをお終いにしような。
ビザが失効するぎりぎりまでいる意味はないかもしれない。十分イギリスで遊んだ。たしかにまだ見てみたいものはあるけど、行きたいところをあげてもキリがないし。自分が思い描いてたことは100%は頑張れなかった気もするけど、思ってもなかった出会いや出来事があったりして、イギリスに来てよかったなと思う。失敗もたくさんしたけど、とてもいい経験だった。私には必要な時間だった。


ちなみに今週の木曜日から、またイギリスはロックダウンに入る。これを書いているのは、その前最後の日曜日。もしかしたら帰国を早めるかもしれないし、それまでにデパートなどが再開しないかもしれない。とか思ってとりあえずFortnum and Masonというデパートでお土産を買っておいた。(こんな時にもお土産の心配をしているなんて、自分でも呆れるけど)今、Nero っていうチェーンのカフェで、しくしく泣きながら朝のビデオ通話のスクリーンショットを見ている。隣の西洋人男性と東洋人女性のカップルの会話が全く盛り上がってなくて、ふたりとも気まずく周りをキョロキョロしてるから、たぶん私がひとり泣いてることもバレている。


まだ会社の人にも相談してないし、私が実家に帰ったところで迷惑かもしれないけど(車運転できないし、介護なんて論外)、でも福岡に帰ろうかな。


ちなみに、私から「日本時間の17:00から(イギリス時間の8:00)ビデオ通話しよう」とか言っておきながら、普通に寝坊した。そんな寝起き直後に泣いた後での最大限のキメ顔笑と、「近くで見たい」と言って、目しか写ってないおばあちゃん。

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