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日記:くも膜下出血 - 退院

【これまで】

退院直前

自宅では、フランスベッドの方やケアマネージャーの人を交えて、介護ベッド、マットレス、ハイローサイドテーブル、点滴台、車椅子の介護レンタルの打ち合わせが行われた。

車椅子については、自走型と介助型の車椅子の実物が持ち込まれた。

自走型の車椅子は自ら車輪を回して動く事もできるタイプで、介助型の車椅子は車輪が小さく、主に後ろから押してもらいながら動くタイプになる。また、介助型の車椅子は自走型の車椅子に比べて、肘掛けを上げてベッドに移乗・ベッドから移乗する際にお尻がタイヤにかからないため、移乗しやすいという利点がある。

車椅子を利用する父本人と同じ身長である俺自身が自走型と介助型の車椅子の両方を試乗しながらどちらが良いかを考えていた。

本人が車椅子に乗ってどれくらい動きたいのかという所にかかっているが、右半身麻痺なので左腕と左足を使いながら動いてみると自走型の車椅子がいいのかもしれないと思った。最終的には介助式の車椅子に決まった。

退院直前

介護ベッド、マットレス、ハイローサイドテーブル、点滴台、痰の吸引器具が運ばれてきた。

痰の吸引は医療行為に該当するため、退院前に吸引指導を受ける必要がある。また、後に医師の指示書が出た後に訪問ヘルパーの方も痰の吸引を行っている。

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退院

通常の半分の量とされる抗がん剤の投与が終わり、退院の時が来た。介護タクシーに乗って自宅に戻ってきた。胃ろうのための栄養剤は母が抱えて戻ってきた。複数の箱に分けられた栄養剤は1パック400mlが3週間分、総重量33.6kg、1日4回投与しての1日の摂取カロリーは1200kcalになった。この量は退院時のみで、以降は基本的に2週間おきにカニューレの交換と栄養剤の受け取りを行っていく。通院には介護タクシーを使う。胃ろうのための栄養剤は1パック400mlが2週間分、総重量は22.4kgだが、1日4回投与しての1日の摂取カロリーは1200kcalになるのは変わらない。後に、処方箋を受け付ける近所の薬局から持ってこられるようになった。

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退院後の父の近影

用意したもの

自宅での介護が始まるにあたって、用意したものは以下の通り。
・ミルトン
・消毒用エタノール
・鈴
・卓上ベル
・プラスチック容器
・防水シーツ
・介護用パンツ
・脇で測る体温計
・前開きの服
なぜ前開きの服なのかというと、前開きの服の方が着替えさせやすくなるからだ。

なお、前開きの服というのはチャックやボタンが胸元まで通っているハーフジップやポロシャツのハーフボタンのような服ではなく、

以下のフリースやカーディガンのように上端から下端までチャックやボタンが通っているフルジップやフルボタンの服である。

※余談だが、こういう着用イメージを持ってくるのにInstagramは良い。

買い替えた体温計は以下の通り。そもそも型番の古いオムロンの耳式体温計を使っていたが、体温計の新調のため買い替える事になった。

体温計が買えるようになるまで時間がかかった。テルモなどメーカー直販サイトも入荷未定だったし、何よりもドラッグストアの店頭に体温計が並んでいない状況が長く続いていた。今は在庫が復調してきたからか、ドラッグストアの店頭に体温計が並んでいるのを確認できる。

元々用意があったものは以下の通り。
・蓋付きゴミ箱(手で開け閉めするタイプ)

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健栄製薬の「消毒用エタノール」(左)と杏林製薬の「ミルトン」(右)

「ミールミールミルトン」という歌が流れるCMを見た事がある、あのミルトンだ。

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100円均一ショップで買ったプラスチック容器。ここにミルトンやエタノールを浅く注いでチューブを消毒する。

2つの消毒用エタノール

ここに2つの消毒用エタノールがある。

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マツモトキヨシの「matsukiyo 日本薬局方 消毒用エタノール 500ml」

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サイキョウ・ファーマの「消毒用エタノールIP 500ml」

「消毒用エタノール」と「消毒用エタノールIP」の2つ。最初に「消毒用エタノール」(無水エタノール)を探して店頭で尋ねた時に「消毒用エタノールIP」を紹介された際は「消毒用エタノール」ではなくて戸惑ったが、2つの違いは添加物として入っているイソプロパノールの有無にあり、殺菌作用に違いはないという事を知り、以降も「消毒用エタノールIP」を買い続けている。

また、母が「消毒用エタノール」をとあるドラッグストアの店舗Aで買った時、「消毒用エタノール」に購入制限がされていると言っていたが、俺が「消毒用エタノールIP」をとあるドラッグストアの店舗Bで買った時は購入制限がされていなかった。

呼び鈴

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100円均一ショップで買った鈴をひもに括り付けてベッド脇の手すりにぶら下げている。ベッドに居る時はこれで呼んでもらうという考えだったが、ベッドの頭部を起こすとあまり意味がなくなるという事が分かった。ただ、何か動きがあると鳴るので気づきやすいという側面はある。

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100円均一ショップで買った卓上ベル。ベッド脇にぶら下げている鈴に代わって、今は卓上ベルが主な呼び鈴になっている。

卓上ベルが主な呼び鈴となっているが、扉と壁をいくつか隔てていると、卓上ベルの音が小さくなってしまうという難点はある。ケアマネージャーの方から勧められたのは熊除けの鈴だった(購入を検討中)。バレーボールなどで使われる電子ホイッスルは音が大きすぎて近所迷惑になりかねない。

目を離していた間に

母が外出中、俺が在宅勤務中にそれは起こった。自室で在宅勤務中だった俺がガタタタッという物音に気づくと、父が1人でベッドから立ち上がり車椅子を使う事なく部屋のドアまで到達した所でバランスを崩して転んでいた。「これは救急車を呼ぶべきか…!?」と一瞬頭を過ぎったが、本人は大丈夫と頷いて答えたので、ひとまず車椅子を側まで持ってきてなんとか車椅子に引き上げて乗せた。重かった。明らかに体重が2019年よりも増えていたのが分かった。

車椅子に引き上げて乗せた後は、ベッドに勝手に移らないように言っておいたが、しばらく目を離した隙に1人で移っていた。右半身麻痺とはいえ、長いリハビリである程度動かせるようになっていたのが要因だろう。

それもあってか、この日はいつも以上に疲れた。

その後、父親の体重は64kgであると分かった。明らかに体重が2019年よりも増えていた。

目を離した隙に勝手に動いていたのはこれが最初というわけではなく、病院への通院時にも母の目が離れた隙に動き回っていた末に介護タクシーの運転手の方が見つけていたという事態を引き起こしていたと知る。

尿とりパッドとテープ止め

尿とりパッドとテープ止めは近所のドラッグストアで買っている。

ひげ剃り・シェーバー

ひげ剃りは父が自ら剃るのではなく、剃ってもらう形になっている。そこで、ひげ剃りを新調する事になった。その際、ひげを剃る側が剃りやすくなるように求められる機能は上下左右にヘッドが動く事だった。また、ヨドバシカメラで尋ねた際、フィリップスに代表される回転式シェーバーではなく往復式シェーバーを勧められた。その結果、条件に合うものの中で最も価格の安いものが、パナソニックのラムダッシュ ES-LT2Aだった。ヨドバシカメラの店頭でシェーバーの首がどう動くかを確認した。

メガネ

父はメガネをかけているが、見づらいという話をしていたので、出張訪問サービスを利用して調整してもらっていた。

散髪

散髪については車椅子で入店可能な所を探した。車椅子から椅子への移乗は母が行う事になっている。

入浴

入浴は毎日ではないが定期的に訪問入浴サービスを利用している。訪問前に湯船に湯を溜めて、訪問入浴の方が持参する折りたたみ式の浴槽にポンプを通じて給湯するようになっている。

骨伝導ワイヤレスイヤホン

自宅での介護生活が始まり、訪問ヘルパーの方や訪問看護の方の来訪が始まり、タイミングによっては母がインターホンに出られなかったりするので、俺が席を立って応じる事がある。その際、有線イヤホンでは急に椅子から立ち上がる事に対してイヤホンのケーブルを損傷させる可能性があるため、急に椅子から立ち上がる事に対して何も弊害がないワイヤレスイヤホンが必要になった。

元々、鼓膜への負担が少ない事に目をつけて骨伝導イヤホンの有線タイプであるearsopen WR-3を使っていたのもあり、耳の穴を塞がない骨伝導イヤホンなら、物音やインターホンなどに気づきやすいという事は分かっていた。そこで、骨伝導イヤホンのワイヤレスタイプを探した結果、AfterShokzのOpenMoveを買って使う事にした。

所感

2時間~3時間おきの痰の吸引、栄養剤投与、排泄のケア、イレギュラーの対応などの様子を見てきて、在宅勤務をしながら、自分の生活や介護を両立させるのは今の俺にはできない、それどころかまともに仕事ができないかもしれないと感じた。

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