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来たるべき新リーグについて考える(後編)

RUGGERSオリジナルコラム
筆:廣瀬俊朗
1981年生まれ、大阪府吹田市出身
元ラグビー日本代表キャプテン
株式会社HiRAKU 代表取締役
NPO法人 Doooooooo 理事
スクラム・ジャパン・プログラムアンバサダー

※前編はコチラ

事業化に向けたアイディアの発散

 前回のコラムで、新リーグの事業化に向けて「放映権」「スポンサー」「グッズ」「チケット」という4つの観点を挙げて、「放映権」と「スポンサー」について書いた。今回は「グッズ」と「チケット」について書きたいと思う。

 まず、グッズ販売。こちらも「ファナティクス」(注)など先進的な企業にパートナーになってもらって進めるのか、独自で進めるのか、という選択がある。もうすでに、オレンジを基調としたグッズ販売を進めているクボタスピアーズのようなチームもあるし、まだまだ遅れているチームもある。グッズの製作・販売は基本的に在庫を持つことになるので、在庫管理も含めてどうしていくのか。敢えて受注生産にしてレア感があるものも面白い。一口にグッズと言っても、考え方や方向性が多様にあるのでとても興味深い。

 そして、チケット。コロナ禍でこの部分の収支は来年1月からも読みにくく、あまり期待しないほうが健全ではないか。その観点から考えると、ファンクラブというものをうまく使う必要があるであろう。試合を観にいけなくても、そのチームを応援しているという雰囲気を感じられるもの、そこにしかないコンテンツをスピード感を持って出していく。ファン同士の交流が生まれるものを設計する。選手が試合を解説するのでも良い。色々とやり方やアイディアはありそうだ。もしかしたら、ファン同士の対話から生まれたものをグッズにするとか、企画にするとかも面白い。その企画はラグビーをもっと好きになったり、そのチームのことをもっと知れたりすることに繋がることも良いが、場合によっては、社会課題解決に繋がるようなことが出来てくると、そのチームのプレゼンスがラグビー以外の部分でも出てくる。その効果はスポンサーにとっても嬉しいことであろう。また、世の中でスポーツの価値が上がることにも寄与できる。

 こうやって色々とアイディアを発散させるのはとても面白い。自由な発想で「こんなものがあったら良いな」とか。僕自身はScrum Unisonというコンテンツがある。国歌・アンセムを歌っておもてなしをしようという活動だ。この原点は、試合以外の部分を面白いものにしたい、という想いだ。その観点から考えて、我々なりのグッズも作れたらと考えている。以前のコラムでも書いたが、皆さんの中でもこんなグッズがあれば嬉しいのに!!というものがあればどんどんシェアしていただけると嬉しい。今考えているのは企業秘密なので教えられませんが、とにかく楽しくなるもの、ちょっと便利だなーというものを模索しています。皆さんお楽しみに!

 今シーズンのトップリーグもいよいよ佳境を迎える。サントリーの充実が目立つが、この先のトーナメントはどうなるのかわからない。個人的には毎週末に試合が見られることで生活にリズムが生まれて嬉しいなと思う。
 一部の都府県で緊急事態宣言が発出され、状況によってはこの先の試合で観客動員がどうなるのか分からない。選手にとっては難しいこともあるかもしれない。もし無観客になったとしても、テレビを通して声援を届けたいと思う。
 トップリーグが終われば、日本代表戦、そして東京オリンピック・パラリンピック。
 スポーツに溢れる時間が来ることが楽しみである。


(注)ファナティクス…https://fanaticsinc.com/japan/

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