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大学院での学び ~リーダーシップについて~(前編)

RUGGERSオリジナルコラム
筆:廣瀬俊朗
1981年生まれ、大阪府吹田市出身
元ラグビー日本代表キャプテン
株式会社HiRAKU 代表取締役
NPO法人 Doooooooo 理事

~大学院での学び(キャプテンとは?)~

 大学院での学びについて、今月は書いていく。

 4月より大学院(慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科 通称SDM)に入学したが、新型コロナウィルスの影響を受けて、学校が閉鎖となり、現在まで一度もキャンパスに訪れることが出来ていない。当然のように研究室にも行くことができていない状況である。また、自分自身の仕事も大きく変わり、慌ただしい半年間となった。昨年、会社を自分で立ち上げたばかりであったので、先行きが見えない中でかなりの不安もあった。しかしながら、現実を受け止めて仕事と研究を進めることに切り替えた。
 大学の授業は全てオンラインに切り替わった。自宅にいながら勉強ができるので、効率は上がった。授業に関して、後期博士課程で必修のものはない。しかしながら、SDMなりの研究方法を学ぶ必要があるので、SDMの修士のための授業を聴講させてもらいながら、その研究方法について学んできた。また、研究室の博士課程における勉強会が月に一度4時間ほど実施された。その中で2度ほど自分自身の研究テーマについて発表する機会を持った。それ以外の時間は、他の博士課程の仲間の発表を聞きながら議論を繰り返した。
 加えて、スポーツに特化した研究をしているグループを作成して、より専門的な部分を議論することで研究の深掘りをすることも月に1度のペースで実施してきた。私以外の研究テーマは、「女子アスリートのセカンドキャリア」、「フェンシングの攻撃動作解析」、「アスリートのリカバリーを促進するためのアイススラリーの効果的な摂取方法について」など広範囲に渡り非常に興味深い内容となっている。

 私自身は、最初の研究テーマとしては、「ラグビーチームにおけるリーダーグループ(主将、副将)の成長を支援するためのシステムの設計と評価」というテーマで大学院に入学した。しかし、過去の論文や研究を調べていく中で、そもそもリーダーグループ以前に「キャプテンとは??」という部分の定義が明確になっていないということに行き着いた。よって、範囲を狭めて、「ラグビーチームにおけるキャプテンとは??」という部分を明確にするところから研究を進めていくことにした。
 スポーツ以外でのリーダーシップの論文も読みながら、現在は実際にキャプテンに対してのアンケートやインタビューをどうやって進めていくのかという段階にきている。何を検証したいのか、どう妥当性を得るのか。量的研究だけでなく、質的研究についても勉強しないといけないので、慎重に進めている状況である。
 今後に関しては、そのインタビューを元に国内のキャプテンを定義していきたい。同時に海外のキャプテンに対しても同様のことを実施し、国際比較を狙う。集大成としては、ありたいキャプテン像と、現在の自分自身のキャプテンには差があると考えているが、その差を埋めるための一つの方法を提示できれば、私自身が大学院で後期博士過程の内に進めたかった研究になるのではないかと考えている。

~後編に続く~


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