哀愁すら肴にかえて

大晦日親知らずのあたりが腫れて歯医者に行くと抜歯することに。先日とうとう抜歯をしてきたのですが、以前抜歯した時は時間もかかったし終わった後そこそこ痛かった記憶があるんですが、今回はまさに”あっ”と言うまでした。

さて余談はこの辺にして薄口読書感想文を記していきたいと思います。

今回読んだ本は加藤ジャンプさんの『コの字酒場はワンダーランド』です。今年は諸般の事情であまり飲みに行っていませんが、だいぶ飲み好きな私です。この本のタイトルは何とも引き込まれます。

まず初めに思い出したのは「深夜食堂」です。特にドラマのあの雰囲気は観るたびにこんなお店に入り浸りたいと思うほど。でも実際には近場でこんな雰囲気のお店はなかなかありません。本の中でも加藤さんが近いことを言っていると思いますが、雰囲気って店の作り(外観・内観)だけでなく、お店の人やそこに集うお客さんが全て混ざり合って出来ると思います。そういう意味で「深夜食堂」の雰囲気は素晴らしいと思います。

でもそんな近くにない、ともすれば現実にはもはやないんじゃないかと思うような雰囲気のお店が日本全国にこんなにあるなんて。『コの字酒場はワンダーランド』を読んで思いました。

本の中ではコの字酒場の紹介とコの字酒場の良さが加藤さん視点でとても面白く書かれています。本当にこの人は酒好き、いや酒場好きなんだなと思いました。あとポテサラも(笑)

またちょいちょい差し込まれるコの字酒場の喩え、カウンター内をステージに、それぞれのお店に合う役者や歌手などが出てきますが、チョイスが独特でとても面白いです。まだまだ若輩の私にはピンとこない喩えも多かったのですが、それはそれ。それこそお酒を飲んでネタにしていきたいなと思いました。

内容以外にも楽しかったポイントが本のデザインや写真、レイアウトでしょうか。クラフト紙っぽい紙にフイルムで撮影したのかなと思わせるノスタルジックな写真。コの字にレイアウトされた文字など本の隅々に遊び心を散らしてありとても面白かったです。

そして何よりもここに出てくるお店の料理がとっても美味しそう。お洒落なお店ももちろんいいんですが、肩ひじ張らず楽しめる。こういうお店も近くに1軒くらい行きつけを持っておきたいですよね。

さて今日もそろそろ夕方ですね。町の酒場には今はくりだせませんが、思いを馳せて一献やりたいと思います。


それでは失礼しまーす。

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