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BlindRugby ぶららぐの面白さ#3 ボーダレスな世界

Blind Rugbyは、視覚障がい者と晴眼者が共に楽しめるRugbyです。
パラスポーツのラグビーでは、ウェルチェアラグビーやデフラグビーが有名ですが、負けず劣らずの面白さがBlind Rugbyにはあります。
このnoteを通して、Blind Rugby に興味を持っていただけると幸いです。

こんにちは、ぶららぐ東海 Sun Rabbits 監督の神宮寺です。
ぶららぐ初心者の私が、監督/コーチ目線で感じたことをぶらっとお散歩感覚でnoteにまとめていきたいと思います。
Blind Rugby の面白さを皆さんへ。

ぶららぐの面白さ#3 ボーダレスな世界

私たちは、ブラインドラグビーを通して「さまざまな壁を乗り越える 日本一 ボーダレスなチーム」を目指して活動をしていきます。

ボーダレスな世界、それは ブラインドラグビーが持つ競技特性 からも感じてもらえると思います。

ブラインドラグビーは、視覚障がい者5名以上、晴眼者2名以内、計7名の選手構成で試合が行われます。

また、視覚障がい者と晴眼者が同じフィールドでプレーができるだけではなく、視覚障がい者と晴眼者に対して適応されるルールがほぼ同じで、晴眼者に対しての特別なルールは「晴眼者はトライが出来ない」ぐらいしかありません。

私たちの障がい者に対するスタンスは、フラットです。
「配慮はするけど、遠慮はするな」と言ったほうがいいかもしれません。

本当のボーダレスな世界は、障がいの有無の区別なく、当たりまえのように人に配慮できることが重要なのかなと私は思います。

ぶららぐの面白いところはまさにここで「晴眼者はトライが出来ない」というルールは「全員で楕円をつないでトライしようね」というメッセージがこめられていると思っていて、全員で楕円球をつないでトライをするには、障がいに配慮しながらもそれぞれが役割を果たしていく必要があります。

晴眼者が配慮をこえて遠慮してしまうと、下手な気を使いすぎてお互いベストパフォーマンスを出せない状況が生まれます。「パスしますよー大丈夫ですかー? 行きますよー 優しくほーい(パス) 」なんて、してる場合じゃないし、そんな時間はフィールド上のどこにもありません。

まぁ・・・ そんなパスをもらったら相手DEFはもう目の前で、何もプレーできません(笑)

僕らはチームで戦っているわけで、勝つためにトライを目指し、トライを取るために前進しているわけですから、パスして大丈夫かな?ミスしないかな? なんてことを考える必要はなく、配慮のあるプレーコードから各々が前進という役割を果たすためにチャレンジし、そのプレーをチームで支え合うことが大事です。まさにチームワークの構築こそがブラインドラグビーの醍醐味なんだと思います。

だから僕らは果敢にボールを回し「全員で楕円をつないでトライ」を目指すわけです。これこそボーダレスな世界への実践ともいえます。

当然ミスはおこります。
ただ、ミスは恐れるものではありません。
ラグビーはトライ(チャレンジ)を目指すスポーツですから。

それに、ミスは全部コーチの責任です。
すぐさま上を向いて、おおいにトライ(チャレンジ)したらいいのです。
ミスは成長への伸びしろなので怒ることもないし恐れることもありません。

しかしブラインドラグビーの特性上、その原因がスキルなのか(体力なのか)障がいの問題なのか見極めるのが難しいので理由は聞きます。

今回、全国大会で面白い現象がありました。
チームの息もあってきた決勝戦、晴眼者のプレイヤーが、俗に言う殺人パス級のえげつないパスを、ロービジョンプレイヤーに放ったのです。

私はとっさに「愛情ぉぉぉ!」と叫んでしまいましたが・・・
これこそ「ボーダレス」の瞬間だったのかもしれないと感じました。

トライを取れるか否かの瀬戸際での、極めてチャレンジングなパス。
晴眼者も信じて投げ切ったと思いますし、ロービジョンプレイヤーも必死でパスに食らいつきました。結果的にはミスとなりましたので、判断としては晴眼者の配慮に欠けた遠慮がないプレーだったのですが、間違いなくその場は障がいの有無を超えたボーダレスな世界だったのだと思います。

僕ら晴眼者は街中で白杖をついた人をみると、黙って道を譲ります。
まるで違う世界の人のように対応することもあります。
それはなぜか、知らないからです。

ぶららぐは色々なことを教えてくれます。そして配慮はするけど遠慮はしないという付き合い方、距離感なども学ぶことができます。

ぶららぐを通して僕らはボーダレスな社会を創りたいと思います。
フィールドでは果敢にボールを回すボーダレスを実践したラグビーもお見せします。

僕らと一緒に、ぶららぐしてみませんか?


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