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JAPANRUGBYをデータでひも解く!

7/13Georgia戦を振り返ります

どうもRugbyAnalyzer山本です。
エディージョーンズHC就任後、2戦目となるジョージア戦が7/13に行われました。ジョージアはラグビーワールドカップには6大会連続で出場中で、国際大会でもその実力を発揮しており、世界ランク12位の日本に対して11位(7/12時点)と拮抗していました。
結果としては、JPN23-25GRE と惜しくも敗戦しました。
このnoteでは、試合のスタッツデータをもとに振り返り、多くの方にデータでラグビーを眺めてもらうためお届けします!
※下記に用いているスタッツは独自で調査しているものや、カウント定義の差異があり公式のものと異なることがありますが、あくまで独自観点でのレビューになりますことご了承ください。

ジェネラルデータ

全体的なスタッツが上記になります。結果として、Possession,Territoryとも50%を超え優位に進めていたとみることができます。また、苦戦が予想されたスクラム(成功率84%)やラインアウト(成功率100%)はイングランド戦同様にかなり精度高く、獲得できていました。
さらに、22mEXIT成功率も100%で、確実に自分たちのエリアから脱出することができていたと言えます。単純なタックル成功率に関してはイングランド戦(79%)から向上していました。ただ、コリジョンラインの攻防やdefeatTackle(いわゆる負けTackle)など細かく分析していくとジョージア側のアタックに差し込まれる場面が散見されました。
前回イングランド戦では敵陣ゴール前での決定力や精度不足が課題として見られましたが、今回は22mPOINTが5.75と前回の1.88を大きく上回る結果となりました。以下に順にスタッツを見ていきます

アタックShape


基本的には1331を基礎として、A,BのようなShapeでパス回数が増える傾向にあったと言えます。加えて中でも特徴的であったのが、CのようなSHやSOを絡めたループプレーを要所で使っていたことがあげられます。前試合でもKickカウンターからのシーケンスとして使っていましたが、この試合でも使用していました。KOからのシーケンスはDのようなFW3枚に対してSHが内側2枚のFWをカットパスし、0.5ラインから4枚目のFWが走り込みTipでポイントを作る形 or Swivelでの展開をオプションとして持っていました。
ゴール前アタックでは、基本的にFWがSameWayにポジションをうつしながら、縦にインパクトを持って進む場面が多かったです。FWでラック周辺に寄せながら、死角からWTBのナイカブラ選手が受け取りTRY(F1)。2つ目のTRYに関しても、FWが近場を攻撃し、開いたスペースに長田選手パスをもらいTRYを奪っていました。

アタックデータ


パス回数は156回であり、前試合のイングランド戦(158回)と概ね同じ水準で推移していました。まだ新生エディーJAPANは2試合のみしかしていませんが、前回ワールドカップ2023年大会の1試合平均パス数111回※弊社調べと比較するとその多さが見えてきたといえるでしょう(2015年大会141回、2019年大会170回※弊社調べ)また、この試合では9sにおけるCarry率が低くなり(イングランド戦97%)、TipやSwivel Passによってボールを動かすムーブが多く取り入れられていました。10sでも同様に、バックラインに供給するシーンが増えました(イングランド戦22%)
上記はアタックエリアにおける割合を表していますが、概ねイングランド戦と同水準でした。LBの数が減少していますが、ジョージア側にうまくDFされてしまう場面や、キックでボールを手放すことが一因であると感じました。
キック数はイングランド戦同様17回でした。自陣からはSOのロングキック、SHのロングキックによって脱出を図っていました。ただ、SHからは直接タッチラインを割るロングキックが多いのに対し、SOからは比較的グラウンド内に残すキックが多く、ジョージアのアンストラクチャーの攻撃を引きだしていた?狙いが読み取れます。中盤以降はバリエーションを増やし、アウトサイドからグラバーキックやチップキックで再獲得を狙う場面があり、ポゼッションではなく、空いているスペースにボールを運ぶ原則に沿って遂行している様に感じました。キックラックに関しては5.76ですが、アタックに「モメンタム」があるかを判断しキックを入れているような印象を受けました。
結果として、ジョージアよりLBポイント、22mポイント、TO数でも上回りましたが、22mエントリ―回数、LB回数はジョージアに軍配があがっています。この試合で日本は4本のPGを選択していますが、いずれも敵陣22m手前~敵陣50mでの獲得になっています。結果として22m内での攻撃回数減少に繋がったことは考えられます。このほかにも、アタック効率やアタック成功率、ゲイン効率などだしてみるとさらに試合が解像度高く見られるように感じました。

ディフェンスデータ


やはりDFエリアとして自陣での時間帯が多くありますが、概ね1試合の平均的推移であると言えます。ターンオーバー数は5回で、ディアンズ選手のチョーク気味にtackleしてからボールを奪い取るシーンは印象的でした。またタックルシーンにおける、ダブルタックル率は44%となり、前試合より低下しました。

カウンター・セットピース

カウンターアタックに関しては、ショートに走るシーンが多く見受けられました。キックカウンターからのシーケンスはこの試合ではあまり見受けられず、FB矢崎選手、SO山沢選手がランで仕掛けていく事が多くありました。

まとめ
結果として日本代表は敗戦になりましたが、データで見ると前試合から向上した部分も見られました。 さらに、ラックスピードやタックルスピードなども見てみるとさらに見えてくる様に思います。 ではまた!


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