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とある理系の研究室7 論文ばっかり読み過ぎ

某国立大学の理系の研究室の話。

そこそこの大学のそこそこの研究室。国内外の学会にもコンスタントに出ていて、論文もそれなりに出している。活気もそこそこ。古き良き時代の雰囲気を残している研究室。

一時期ハマった論文読み漁りについて。

論文読みにハマったきっかけ

論文ばっかり集めて読み漁ってた時期がありました。自分の研究分野の論文を片っ端から集めてコレクションして、読みまくっていた。きっかけはB4の時の論文紹介ゼミ。自分の研究テーマに沿った論文を選び、見開き2ページ以内で和訳レジメを作り、自分の研究に絡めた演習問題を作り、それらを3時間くらいに渡って解説しつつ先生にメッタ打ちにされる、年に一回担当が回ってくる研究室で最も嫌な行事。B4の時から自分の研究テーマが独立して一人でやっていたので教えてくれるマスターもいなく、演習問題は何かしら計算かデータ解析をするのが必須なのに、追加で調べたことだけつらつら書くことしかできず、先生にコテンパンにやられた。

雪辱を果たしたい

完璧にこなして見返してやりたい。怒涛の論文収集マシーンが出来上がった。大学が契約している複数の電子ジャーナルでかき集め、Googleスカラーでも引っ掛け、挙句読めない(第二外国語はドイツ語だったのに。。。)のにドイツ語の論文まで集め始めた。電子化されてないものは附属図書館で紙媒体を探し、他大学の図書館にしかないものは複写しに行った。300ページある総説みたいなヤツに出会った時は嬉しかったけど読むのに心が折れた。古いの新しいの、ちょっとでもキーワードで気になったらとりあえず読んでみた。

気づいたこと

ひたすらに読んでいると、お国柄が見えてくる。(個人的な意見含みます)英語がネイティブじゃない国の著者の文章は文法がキレイで案外読みやすい。とか、ちょっと前の日本人は受動態多めとか、文章の美しさを求めるのか、同じ単語や言い回しを繰り返さずに変えてくるヤツ、ネイティブに多めなど。

弊害

英語ばかり読んでるから勝手に英語力が上がっているかもと期待していたが、TOEICは激下がりしていた。同じ研究分野のモノばかり読んでいるから英文の理解がイマイチでも何が書いてあるのかなんとなくわかるようになっているだけで英語力向上には効果なかった。あとはビジネス英語力はアカデミックな英文読んでても身につかない。

論文読む時間をもうちょっと参考書とか地に足がついた身の丈にあった基礎勉強に費やすべきだったと反省している。

雪辱は果たした?

そうやって集めた軽く百を超える論文の中から、いい感じの演習問題が作れそうなモノを3つ選び、準備していたら、そのうち1つは5年前の先輩と被っていた。気を取り直して残り2個のうち簡単な方でM1のゼミは乗り切った。もう一個はM2の時用にストックしておいた。そして雪辱の日、1番厳しい教官は入院してて不在だった。何事もなくサラリと終わった。。。

よかったこと

修論の審査員が何かしらイチャモンつけてくるでおなじみの教授が当たってしまい「引用文献参考文献が少な過ぎる!」と突き返されたが、遠慮して少なめにしてた引用文献を60報以上に増やし、序論をバカみたいな量に増やして再提出し胸がスッとしたことがよかったことだ。

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