口臭 病的要因①
口臭の原因にはいくつかのパターンがありますが、今回は病的な要因についてお話しします。このテーマは少しボリュームがあるので、何回かに分けて進めていきますね。
まず、大前提として、病気が原因で口臭が出ている場合は、その病気を治すことが最優先です。では、口臭が気になるとき、どの診療科を受診すればよいのでしょうか?
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最初は歯科クリニックから
多くの場合、口臭は「口の中に原因がある」と考えられるため、まずは歯科クリニックを受診すると良いでしょう。想像しやすい病気としては、以下のものがあります。
• むし歯
• 歯周病
• 口腔乾燥症(ドライマウス)
歯科では、むし歯や歯周病がないか確認し、歯石や磨き残しを徹底的に除去してもらえます。このケアだけで口臭が改善することも多いです。
ただし、「歯科で診てもらったけれど、それでも口臭が気になる…」となった場合は、医科の診療が必要になるかもしれません。
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扁桃腺の病気が原因の場合
口臭の原因としてよく挙げられるのが、扁桃腺炎や膿栓(臭い玉)です。
膿栓とは?
膿栓(扁桃結石)は、食べ物のカスや死んだ細胞、口腔内細菌などが扁桃腺の隙間にたまり、腐敗することでできるものです。これが硫化物ガスを発生させ、強い口臭の原因になります。
予防と対策
膿栓を予防する方法として、次のポイントを意識してみてください。
• うがいをする
特に喉の奥までしっかりガラガラうがいをすることで、扁桃腺周りに付着した細菌や異物を洗い流せます。食後や寝る前などに定期的に行うのがおすすめです。
• 口腔内を清潔に保つ
歯磨きや舌磨きで細菌の増殖を防ぎ、膿栓ができにくい環境を作りましょう。
• 鼻呼吸を心がける
口呼吸をしていると口腔内が乾燥し、細菌が増えやすくなります。鼻呼吸を意識することで口臭予防につながります。
ただし、すでに膿栓ができている場合、自分で無理に取ろうとせず、耳鼻咽喉科を受診するのが安心です。
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呼吸器の病気が原因の場合
副鼻腔炎や気管支炎など、呼吸器系の感染症や炎症も口臭の原因になります。これらの病気では、鼻や喉、気道にたまった痰や分泌物が悪臭を放ち、口臭につながることがあります。これも耳鼻咽喉科での診察が適切です。
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次回は「消化器の病気が原因の口臭」をお話しします
胃炎や胃潰瘍、逆流性食道炎など、消化器系の病気も口臭の原因になることがあります。次回はこれらについて詳しくご紹介しますね。
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口臭は体からのサインかもしれません
口臭は「お口の中だけの問題」ではない場合もあります。身体のどこかに問題があり、その結果として口臭という形で現れている可能性も考えられます。気になる方は、まず歯科クリニックでチェックし、それでも改善しない場合は、専門の医科を受診してみてください。
病気を治すことで、気になる口臭も改善していきますよ!