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【読書ノート】『約束の場所、約束の時間』(『サクラ咲く』より)

『約束の場所、約束の時間』(『サクラ咲く』より)
辻村深月著


未来から来た病弱な少年・悠と今を生きる活発な陸上部の朋彦との友情物語。

キーワードをあげてみる。

①タイムマシン
時間の本質や人間の存在に関する深い問いを象徴する。過去や未来に移動できるということは、時間の流れや運命は、決まったものではなく、瞬間瞬間の選択の連続の中で、絶えず、変化しているということ。

②遺跡
遺跡は時間の流れと人間の経験の不可逆性を示唆する。人間の努力や文化の蓄積を示すものでもあり、文明の発展や技術の進歩、芸術や宗教の表現など、人間の創造性や知恵を反映している。遺跡は、人間の営みや文化の断片を通じて、過去の栄光や挑戦、そして失われたものへの思いを伝える役割を果たす。

物語の主題は何か?
時間というものは、未来へと繋がっている。「今」の連続してたものが、未来になっていくわけなのだけど、「今」(を意識しているかいないかはともかく、)行っている選択によって、未来は変わっていく。「今」を精一杯、思いやりの気持ちをもって生きることが、明るい未来に続いていくのだと理解した。

出会ったひとに声をかけるかどうか?それが、運命の分かれ道なのだと思わされる。

ストレートで、爽やかな物語だと思った。

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