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不動心

「不動心」


松井秀喜著


著者は今年からエンゼルスに移籍した、大リーガー松井秀喜。


2006年5月11日に左手首骨折という大きな事故があり、完治はしても、プロスポーツ選手としては致命的とも言える後遺症は残ってしまっている状況のようだ。
大きな挫折を経て、松井選手の成長していく過程が淡々と綴られている。

「人間万事塞翁が馬」;人間なにが幸いで何が不幸なのかわからない、一見不幸に思える事であっても長期的に見てみれば、幸いをもたらす物であったりする物だ。というプラス思考。

一流選手、その中でも、「勝負強い」選手である松井選手が、ここぞというときにこころがけている取り組み方が紹介されていて興味深いものがあった。
松井選手はご自分自身を冷静にみて、多くの一流選手のなかで、自分は特別な素質があるとは思えないことに気付いた。その貧弱な素質を補うために色々考えて野球に取り組んでいるのだと言う。
冷静に状況を見極めること。「ツーストライクまでは、カウントを取りにくるストレートに的をしぼるとか、必ず投げてくるであろうきめ球以外は振らないとか。。
その都度方針をきめたら後は迷わず打席に入る。結果として三振だったとしても、信念をもって取り組むのだという。
一流選手であっても3割打者です。7割は失敗しているということでもあるわけで、いちいち悔やんでばかりはいられないのだということなのでしょう。


最終的には、「努力出来る事が才能なのだ」ということなのでしょう。
なににでも通じることばだとあらためて思わされてしまった。

非常にさわやかな文体で、よみやすい一冊です。

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