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「偽善の医療」

「偽善の医療」
里中清一著
著者は、著者は本名・國頭英夫。1961(昭和36)年鳥取県生まれ。1986年東京大学医学部卒業。国立がんセンター中央病院内科などを経て日本赤十字社医療センター化学療法科部長。杏林大学客員教授。


「セカンドオピニオン、ホスピス、有名人の癌闘病記、安楽死。。はびこるウソにメスを入れる」という言葉が表紙の帯に係れていて、その言葉に惹かれた。

最近よく耳にする、「セカンドオピニオン」「先端医療」って一体なんだ??って思っているすべての人にお勧めの一冊ということになろうか?。


病院に行って、患者は「患者様」と呼ばれるべきなのか?著者は異を唱える。
本書を読めば、医者と患者の関係性はどうあるべきかという疑問に答えてくれて、わかった気分にさせてもらえるはずだ。。

キーワード
「インフォームドコンセントハラスメント」
① 「従来、医療行為のプラスマイナスは医者が考え「余計な心配をしないようにあまり本当のことを伝えられていない」患者に代わり判断をしていた。これをパターナリズムと呼びヒポクラテス以来医療の原則の一つだった」
② 「試験的治療、それも治験薬となると、、面談票を用いた説明とサインがおわったあとで出てくる何十ページにも及ぶ説明文書の多くを割いて、ありとあらゆる想定される副作用がすべて記載してある。その項目は、数百にも及ぶことが多い。。。たいていの患者はこれをみると気が滅入る」
③ 「現在の医療不信は、医者が患者を信じていないことがはるかに深刻である。」

本書の目次から印象的な言葉をいくつか抜粋するので、気になった言葉があれば是非本書にあたってみてほしい。
「有力者の紹介は有難迷惑」
「安楽死を人殺し扱いしないでくれ」
「病院ランキングは有害である」
「癌の最先端治療はどこまで信用できるか」

病院はサービス業ではないように思う。そう思うと「患者様」であってはいけないように感じる。退院のときに「また、お待ちしております~」と言われたらやはりおかしい。

#里見清一 #インフォームドコンセント#rubiconbookreview#安楽死#病院ランキング

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