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あの空を飛んでみたくなった

最近、昼休みに散歩をするのを日課にしている。
歩いていると、ゴーっと大きな音を立てて、頭上を飛行機が飛んでいく。40分ほどの散歩の間に、3機、多いときは4機ほどが頭上を通り抜ける。
空路を調べるアプリで確認すると、どうやらここは飛行機の通り道らしい。
淡路島を囲むように、徳島空港、神戸空港、大阪空港、関西国際空港が点在していて、瀬戸内海はいつも飛行機で大渋滞。そして、私の散歩道はちょうどその下にある。だから、次々と飛行機が頭上を通り過ぎるのだ。

徳島空港へ着陸体制の飛行機

飛行機が好きなので、ゴーっという爆音が聞こえると必ず上を見上げてその姿を探す。余裕があれば、アプリでどこへ向かう飛行機か確認する。関西の空港以外にも羽田、成田、福岡、香港、台湾、時には遠く地球の裏側から飛んできた飛行機に出会うことも。
冬が近づいて、空気が澄んできたからか、最近は特に飛行機のお腹がよく見える。
すーっと飛びゆく姿は、海中を泳ぐ魚のよう。

こうして飛行機を眺められるのは、とても幸せなことだと、最近つくづく思う。
やっと日常が戻った証拠だから。

世界中が感染症に怯えていたあのころ、空に飛行機の姿はなく、しんと静まり返っていた。たまに、飛行機雲を引き連れた豆粒みたいに小さな国際線の飛行機を見つけると、ドラクエのはぐれメタルに出会ったくらいの衝撃。感謝の念が湧いた。こんな中でも飛行機を飛ばしてくれている人、故あって旅する人の無事を祈り、心の中で手を合わせた。

やっと今、うるさいくらい賑わしい空が戻ってきた。たくさんの人を乗せて、日本国内を、世界中を移動するたくさんの飛行機をまた見られる日常が戻ってきた。それがとても嬉しい。
次々と数珠繋ぎなように頭上を飛び去っていく飛行機たちは、平和の証。

いつまでも見上げてばかりじゃつまらない。そろそろ私もあのにぎやかな空に飛び込もうと思う。

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