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21年ぶりの二人旅~奈良へ

夫と二人きりで宿泊つきの旅行に来たのは、新婚のころ以来だったから、かれこれ21年ぶり。
確か3月の沖縄でした。
何の予備知識も持たず、行き当たりばったりで首里城を見て、ソーキそばを食べたことしか覚えていません。その上、天気が悪くて四国と同じくらい寒くて、ちっとも沖縄を満喫した気がしませんでした。
その後、すぐに息子が生まれ、その2年後には娘が生まれ、家事と仕事と子育てに追われているうちに、はや20年の歳月が過ぎていました。

帰省する娘をアパートまで迎えに行くついでに、旅行しちゃえばいいんじゃないかと思いついたのは、我ながら(夫が言い出したんだが)いいアイデア。

ゴールデンウィークに突入して高速道路が大渋滞になる前に、娘をピックアップするため、連休前に仕事を1日半休み、ついに念願の夫と二人旅。
「私が」大好きな奈良に行ってきました。(夫はうまい酒と料理があれば、たいていどこでもいいのだ)

午後4時、車で徳島を出発。高速道路は予想通り空いていました。
運転を交代するため、中間地点の京橋SAに寄ります。

いつもの娘の送迎ではなく、今日は「旅行」だもの。
旅にスイーツはつきものだ。当然、買う。夫は夕張メロン味、私はバニラのソフトクリーム。
店の外のベンチで食べました。ちょっと風が吹いて曇ってて、夕暮れ時で寒かったですが、そこは気がつかないふりをしましょう。

午後7時、予定どおり奈良市内へ入ります。
ホテルに到着する前に、どうしても行きたいところがありました。

奈良 蔦屋書店です。

徳島にはないんです、大きな蔦屋書店。レンタルのTSUTAYAならあるんですが・・・・・・・

店内に入ったら、圧巻。
広い!! 広い!! 
見渡す限り、本、本、本!!
お菓子売り場に駆け出す幼児よろしく、走り出したい衝動をぐっと押さえ、少し早歩きで店内を奥へ。

店内にスタバがありました。新刊の品揃えはもちろん、特設コーナーには奈良や京都の本がずらり。観光客にも優しい。

何これ、めちゃくちゃ美しい。
調べたら、和名晃平さんというアーティストの方の作品だそう。鹿をモチーフにしています。さすが奈良。

和名晃平「Trans-Sacred Deer (g/p_cloud)」

奥に見えるのは歴史関係の本。専門書店みたいにたくさんありました。
はい、買いました。

お土産も充実。
奈良のお土産、年々かわいくなっている気がします。

ふきんもポップ
おみくじもかわいい。どの子にしましょうか?

2階へ上がるとカフェコーナーがありました。残念ながら営業終了していました。
うまいネーミング。「奈良ムマサラ」食べてみたい。

山崎実業の日用品の展示コーナーがありました。
山崎実業のインテリア雑貨はどれもシンプルでスタイリッシュで、その上かゆいところに手が届く優れものなんです。

蔦屋書店でうっかり1時間以上過ごしてしまいました。

さて、JR奈良駅前のホテルに荷物をおいて夕食にでかけます。
実は私、飲み屋に鼻がきくんです。
店構えを見て「よさそうだな」と入ったお店がだいたい正解なんですよ。
今回もあたりでした。半個室の上に比較的空いていて、入り口できちんと検温と消毒を勧めてくれるところも行き届いています。

さあ、のみます。
まずは、奈良の地酒で乾杯。

三諸杉 純米吟醸 (今西酒造)


夫は、お店オリジナルの芋焼酎を湯割りで

奈良のお酒はどれも好きです。

さて、食べましょう。

ゴボウを素揚げにしてトッピングしたサラダ。若竹煮、湯葉。どれも最高にお酒に合います。
鹿肉のハム。くせもなくあっさりしていました。(奈良で鹿を食べちゃっていいのかしらんww
焼きそうめん

特に、焼きそうめんがおいしかった。そうめんチャンプルーより塩焼きそばやビーフンに近い味。だしの味が濃いめで、満腹なのに1皿平らげてしまいました。今度、家でもお昼ご飯にまねしてみようと思います。

翌朝、ホテルの朝食バイキングです。

茶粥、柿の葉ずし、奈良漬けは定番ですよね。

奈良の料理づくしの朝ご飯

さて、今回の朝ご飯、そのほかにも奈良ならではのものがたくさん。
温泉卵は、奈良でとれた有精卵。興福寺で出されている粕汁と精進汁(興福寺さんが監修されているのだそう)
粕汁を初めて食べましたが、ほんのりとだけ酒粕の匂いがして、とろりと口当たりがよくて温まりました。あまりにおいしかったので、おかわりしました。

三輪素麺もいただきました。

さて、でかけましょう。
奈良公園までやってきました。朝日に照らされて、鹿がのんびりしています。それにしても、どこもかしこも、鹿、鹿、鹿。

ひなたぼっこ中の鹿
鹿せんべい欲しさにぞくぞくやってきます。
岩の上にも鹿。

公園は修学旅行の高校生でごった返しています。学校やクラスごとに集合しているようです。広い公園なんだからもうちょっと広がってもいいんじゃないかしらん。

人混みを避けて、奈良市立図書館へやってきました。
大きなオブジェがお出迎えしてくれました。

イラン人アーティスト、サハンド・ヘサミヤンさんが制作した蓮の花をかたどったオブジェ「開花」

時計を見たら午前9時20分。図書館は午前9時半からでした。
せっかくなので、1階のカフェでお茶しました。こうやって思いつきで行動できるのも、大人旅ならでは。

いい天気だったので、外のテラス席へ。

奈良市立図書館は、奈良市ならまちセンターの3階と4階にありました。


閲覧席の窓から興福寺の五重塔が見える! なんてすばらしいロケーション!

旅先で図書館に来るのもいいものです。その土地土地で配架されている資料も違っていますし、旅程を調べることもできます。奈良市立図書館では、やはり奈良の歴史資料が充実していました。

図書館を出て、歩きます。

電柱にも鹿。
奈良時代の衣装を着たせんとくん。

東大寺周辺は、私服の高校生の集団でごった返しています。そこを避けて、脇道に入りました。

木漏れ日が気持ちいいです
広い
鉄子さんのお店でしょうか?
空気ケーキとは・・・・・・

夫の「この道で合ってるの?」を無視して、知ったかぶりしてどんどん先へ進んだ結果、案の定、迷いました。
結局、夫がスマホで地図を見直したところ、目的地と反対方向に進んでいました・・・・・・

気づけば山に向かっていました。あやうく遭難するところでした。


夫が軌道修正してくれました。
結果、10分でつくはずのところ、40分以上かかりました。
なんとか到着。時刻は午前11時少し前でした。

「止まれ」の標識が刺さっています!!

目的の一つ目は、「GELATERIA FIORE」さんのジェラート。インスタで見てからずっと行きたかったのです。

11時の開店と同時に入店。
ピスタチオのジェラートとイチゴのジェラートのダブル。

この盛り方にはワザがいるそうです。

歩き回ったので暑かったので、冷たいアイスが心地よい。迷ってよかったかも。なめらかで甘さ控えめのジェラートがしみました。

さて、お次の目当ては、新薬師寺。

知る人ぞ知る穴場のお寺。

こちらの薬師如来とそれを囲む十二神将像は、テレビや雑誌でもよく取り上げられるほどの国宝なんですが、意外と知られていないようで、今日も空いていました。

写真撮影禁止なので写真はありませんが、今日も凜々しいお姿でした。ここにある仏像は奈良時代のものです。現在は茶色をしていますが、当時は極彩色に塗られていたそうです。色が消えてなくなるほどの長い時間、失われることなく現在まで残っていることが奇跡。よく見るとうっすらと髪や顔に赤い色が残っているのが見えます。寺や仏像に興味のない夫も興味津々でした。

こんなところにまで鹿は来るようです。
寺の庭のつつじが満開

帰り道、住宅街の真ん中のガレージのような建物の前に、木製の小物が売られていました。

すごい商品点数! 全部一人で作ったんだとか。すごい。

立ち止まると、ガレージの中にいた若い男性が声をかけてくれました。
なんでも、拾った木材を使ったて小物を製作して販売しているんだそうです。以前は、ならまちで出店していたんですが、こちらへ越してきたんだとか。
小さな犬のキーホルダーとキャンドルホルダー一つずつ買いました。
イベントに出店したりもされているようです。

猫印の大駄羅軒

奈良公園に帰ってきました。

このあたりも人がいない。鹿はいる。

午後2時すぎ。
遅めのランチは、奈良国立博物館のカフェで。
空いていそうなところがここしか思いつかなかったからです。

トマトパスタを食べました。

パスタを食べてしまった後で、夫が「ここに来るときに、牛かつの店を見つけてあったのに、忘れてた!」と叫ぶ。はい、それはまた次回に。

博物館のミュージアムショップをぶらぶら。
神様好きの息子にお土産を買いました。

こういう本がおいてあるのも、奈良の博物館ならではかも。

奈良の国立博物館といえば、仏像スタンプが有名です(ほんと?)
私も密かに収集しておりまして、今回は正倉院の琵琶の絵柄のスタンプを買いました。はにわ男と迷ったんですけどね(どうでもいいって?)

国立博物館の展示は今回はパスして、奈良県立美術館へ来ました。
現在の企画展は「ジャパニーズ・ウェディングー日本の婚礼衣装」です。

この看板を見かけて、行きたくなりました。

豪華絢爛な婚礼衣装がずらり。

貴族や武家の棟梁のような一部の権力者のものだった豪奢な婚礼衣装が、時代を経るごとに庶民へと広がっていく様子や、幸せを願い婚礼衣装の柄に込めた先人の強い思いがよくわかる展示でした。

自分たちへのお土産はほとんど本となってしまいました。
国立博物館で、世界史年表は夫が、日本史年表は私が買いました。日本や世界で起こったあらゆる事件が同時並行で年表にまとめられている、世界の歴史が凝縮されているすごい本です。
高校時代にほしかった!(子供たちも同じことを言ってました)

夫と二人旅、ほぼ私の趣味で夫を引き回した感はありますが、機嫌良くかえってきたので、夫も楽しかったのでしょう。

両親も老いてきて、いつ何が起きるかわからないので、行けるときに行きたいところへ(といっても海外なんかはまだ無理でしょうが)行こうと思います。

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