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パイロットで脳トレ

3連休。やるべきことはたくさんあるけど、どうもやる気がでない。まあ、家事にやる気がないのはいつものことだけれど、全部、近づく台風の低気圧せいにして、サボりを決め込む。

先日から、やたらと言っているが、飛行機に乗りたい。でも、気軽に乗れない今日この頃。
ああ、あれをやろう。その名も「パイロットになろう2」


飛行機を操縦できるフライトシミュレーションゲーム。なんと発売は2001年。つい最近買ったと思ってたのに……

忙しそうに1週間分の洗濯をしている夫を捕まえ、夫が大事にしまっておいたプレイステーション2を出してもらう。
我ながら、夏休みに家事の母親の邪魔をする小学生みたい。

嫁に甘い夫のおかげで、リビングに往年のプレイステーション2が設置される。

さっそく、ゲームのスイッチオン。

あれ? うんともすんとも、動かない……

テレビの入力端子が壊れたのかもしれない。側面端子からビデオ1につなぎ直す。

動かない……

またしても、洗濯物を抱えてリビングを横切る夫を捕まえる。
「あかん、全然動かん……」
「どれ?」
夫がプレステ2をちょちょっといじると、画面が映った。
「プレステ側の線がちゃんとささってなかったよ。ちゃんと見た?」
「えー、見たよー」と言いつつ、あまり自信がない。多分、見たと思うんだけどな……

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無事、ゲーム開始。
2001年のゲームだけど違和感はなかった。今のゲームと比べると、画面の粗さはあるけれど、あまり最近のゲームに詳しくないので気にならない。

セーブデータを見たら、何年か前にも1時間くらいプレイしてやめていた。

はじめは、飛行機の訓練場で操縦方法を教わる。
水平飛行、旋回、離陸、着陸。

見事に、全然できない。

画面の計器を見ながら、教官の指示にしたがってコントローラーを操作するのの難しいこと。
現実でも左右を間違えるくらい方向感覚がないので、自分の飛行機がどの角度に傾いているのか全然分からない。
方位90度ってどっち!? 右旋回って? 私はどこ? 
いったん飛行機の水平バランスを崩すと、コントローラーを左右どちらに動かせば体勢が立て直せるのか、分からなくてパニックになる。
画面の向こうの鬼教官に「しっかりしろ!」「角度が違う!」などど叱責されると焦ってますます混乱して、水平どころか飛行機がひっくり返り、墜落。

コントローラーを持つ手は、がちがちに固まって、息をつめ、脇汗ダラダラ。エアコンの中にいるのに汗びっしょり。

ああ、もうやめたーーー。

何度やっても合格はもらえず、先に進めないので、1時間もしないうちにやる気が失せて、やめてしまった。

老化ってやだなあ。
年々、老眼は進んでいるし、更年期は着々と近づいている。

頭と手を同時に動かすことが、こんなに難しくなっていたなんて。
小学校の運動会で、リレーに出たお父さんが派手に転ぶように、頭と体がうまく連携できなくなっていた。そういえば、ピアノの練習も、うまく弾けなくて、サボりがち。
最近は、ほとんど外に出ないので、動かすと言えば、車の運転か、キーボードを打つか、包丁やペンを握る程度。指先の微妙な動きや力の強弱で、何かを操作することなどない。

昨日、壊れたネックレスをつなぎ直す作業をしたけれど、両手にニッパーを持って、左手でチェーンの先をつかみ、右手で金具をひっかける動作がすごく難しく感じた。30代のころは、あんなに簡単にできていたのに。

これも老化だから、仕方ないよなあ。
諦念というか、ものの道理を理解して、すっと諦められるのも大人の良いところだよ、などと自分を慰めてみる。
ところが、どうもしっくりこない。
何でもかんでも、あっさり諦めてしまっていいのか、自分。

脳はいくつになっても、成長することができるらしいし、細かい手作業や新しいことに挑戦することは、認知症の予防になるとも聞いたことがある。
人生100年時代が来ると言われていて、私はまだその半分にも達してないのに、体や脳を、できるだけ衰えないようにする努力をやめていいのだろうか。

もうちょっと、頑張ってみるか……

洗濯を終えて一息ついていた夫を捕まえ、横についていてもらいながら、再チャレンジ。
相変わらず何度も不合格。
夫にお手本を見せてもらったり、アドバイスをもらったり、失敗を繰り返しながら、だんだんとコツをつかんでいく。よし、もう一回。

「合格だ!」
やっとクリア。ひゃっほーーーー!!

テレビゲームを「たかがゲーム」と侮るなかれ。ふだん使わない脳みそと指先をフル回転させて、とてもいい脳トレになった。

はやく、パイロットになりたい。だが、その道のりは長く、休みが足りない。

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