見出し画像

【旅する胃袋】スペインの伝統菓子ポルボロンを、日本で再現してみた

新しい企画にチャレンジします!

塩梅かもめさんの新企画「旅する胃袋」

ポルボロン、私、知っていました(ドヤ顔)

知ったのは、確か昨年のクリスマスごろ。
大好きなNHKのテレビ番組「グレーテルのかまど」で、スペインのクリスマスのお菓子として紹介していたのです。
「うまそう……」
と、娘と二人でよだれダラダラで見ました。

何かの折にスペイン在住のかもめさんにお話ししたところ、noteにレシピを記して、公開してくださいました。ありがとう、かもめさん。

スペインのお菓子を、日本で再現してみましょう!

1 材料

薄力粉     200g
アーモンドプードル 70g
ラード        100g
グラスシュガー 70g
シナモン    小さじ1/2 (オプション)

レシピにはラードとあります。ラードはスーパーで買えるのでしょうか? 
「もし、ラードが手に入らなかったら、どうしたらいいですか?」とかもめさんにお聞きしたところ、次のような追記をしてくださいました。

ラードがない場合はショートニングを使用すると本場の味に近くなります。

というわけで、ショートニングを調達。(これも生まれて初めて買いましたが)

ちなみに、グレーテルのかまどのレシピは、

薄力粉 100g
ラード 50g
粉砂糖 35g
アーモンドパウダー 25g
シナモンパウダー 小さじ1/2
 粉砂糖 適量

どの材料も、かもめさんのレシピの半量でした。こちらは、辻調理師専門学校の先生が監修されているそうです。

というわけで、かもめさんのレシピの量で作ります。

写真 2020-11-07 10 14 02

写真下から時計回りに、ショートニング、小麦粉、アーモンドパウダー、粉砂糖(グラスシュガー)と、シナモンシュガーです。
粉砂糖は、娘がお菓子づくりに使った残りだったので、少し足りなかったらから、普通のお砂糖を10g足しました。

2 小麦粉とアーモンドパウダーを炒る

ポルボロンの特徴は、口に入れるとほろりと溶ける食感なのだそう。
それは、この小麦粉とアーモンドパウダーを炒る工程のため。
どれくらい火を通せばいいのかが分からなくて、かもめさんのnoteの写真と、グレーテルのかまどのサイトを見比べながら、炒りました。

写真 2020-11-07 10 15 03

火加減は、弱火。焦がさないように、おっかなびっくり火を通します。

写真 2020-11-07 10 16 44

薄茶色に色づいてきたので、火からおろして冷まします。

写真 2020-11-07 10 24 19

ちょっと炒りが足りなかったかも……

3 ショートニングと粉砂糖を混ぜる

ショートニングはよく市販のお菓子の材料欄で名前を見かけますが、今回、生まれて初めて見ました。常温で保存できて、いつも柔らかいんですね。
だから、力を入れなくても混ぜることができました。

写真 2020-11-07 10 27 43


4 小麦粉とアーモンドパウダーを混ぜる。

冷ましておいた粉とシナモンシュガーを3に加えます。

写真 2020-11-07 10 29 53

切るように混ぜていきます。割と粉っぽい気がします。
ですが、混ぜていくうちに、だんだんべとべとした感じになってしまいました。かもめさんのnoteの写真のようにまとまりません。グレーテルのかまどのサイトの写真でも、綺麗にまとまっているように見えます。

まとまらない!

むむ、大丈夫か。私のポルボロン。

写真 2020-11-07 10 33 57

とにかく、無理やりラップでひとまとめにしてみます。

写真 2020-11-07 10 34 16

冷やせばなんとかなるかもしれない。クッキーだって、最初はポロポロしているけど、冷蔵庫で寝かせると固くなりますもんね。大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせて、冷蔵庫へイン。

5 成型する

どちらのレシピにも30分ほど休ませるとありますが、午後に美容院の予約が入っていたので、数時間放置しました。

写真 2020-11-07 16 47 54

冷蔵庫から出して、はい、どん。見事、カッチカチになっていました。

固すぎて、成型しずらいこと!

写真 2020-11-07 16 50 08

力を加えると、ボロボロと崩れます。
お手本の写真では、簡単そうに伸ばしていますが、ちっとも伸びてくれない!! 
手の熱で温めてながらこねると、少し生地が柔らかくなって、何とかまとまって生地を伸ばすことに成功! でも、この有様。

写真 2020-11-07 16 51 24

少量ずつ、生地を手でゆるめて、こねて、のばし、型抜きを繰り返して、完成。

写真 2020-11-07 17 04 22


6 オーブンで焼く

200度のオーブンで15分セット。
その間、つらつらとTwitterやnoteを巡回していたら……

焦げました……(がっかり)

写真 2020-11-07 17 19 30

気を取り直して、もう1回。
200度で10分焼いてみます。今度は、ちょっと焼きが足りず。

指でつつくと、表面が剥がれました……

写真 2020-11-07 17 29 28

2分ずつ2回、計4分延長。

今度は綺麗に焼けました。

写真 2020-11-07 17 25 01


しっかり冷まして、粉砂糖を振りかけたら、完成!
ホロホロ過ぎて、割れました。

写真 2020-11-07 19 16 46


★実食

力を入れてつまむと、そこから割れてしまう繊細さ。
噛むと生地がほろほろと砕けて、口の中に入ると、一瞬で溶けて消え、甘さと香ばしさの余韻だけ残ります。軽い口当たりで、何枚でもいけちゃう。

★ポルボロンとポルボローネ

「グレーテルのかまど」によれば、ポルボロンはスペイン南部のエステパ村で生まれたお菓子だそうです。修道院で作られていたお菓子を村の女性が改良したのが始まりだとか。今でも、スペインのポルボロンの9割がこの村で作られているそうな。

さて、このお菓子の話を、イタリアに音楽留学経験のある友人にしたところ、
「それって、イタリアだったら、ポルボローネっていうやつかも?」
との情報をくれました。

なんでも、音楽の先生から、クリスマスパーティで「スペインのお菓子だよ」とポルボローネをいただいたそうです。1つ1つキャンディのような包みに入っていたとか。

ポルボロンとポルボローネ、言葉も似ているし、スペインンお菓子だとおっしゃっていたそうですから、同じものかもしれません。
彼女が住んでいた町では、クリスマスになるとスーパーでも売られていたそうです。

そして何より衝撃的だったのは、その食べ方。

彼女曰く、「音楽の先生から『握りつぶして食べろ』と教わった」そう。

ちょっとお行儀が悪そうな食べ方。
友人からこちらのサイトも教えてもらいました。パリとバルセロナにお住いの方のブログでした。


スペイン語でポルボは、粉の意味。このネーミングになった理由に納得しながら食べるわけですが、そこで何とかボロボロ落とさず食べる解決策を考えたスペイン人!!

食べる前に包装ごと握りつぶす!! そうです。(汗)

「そうすることで、食べ易くなるし、上品に食べることができるわ」と有閑マダム風友人がアドバイスしてくれましたが、あまりにも信じ難い行為! それに…上品ではない気がしてなりません。きっと、冗談に違いないと、他のスペイン人の友人に尋ねてみたら、同様の返答がきて驚きました!

これは、明言されてはいないが、暗黙の了解らしい。

なるほど、食べやすさを追求したら、潰すという方法にたどり着いたのですね。
かもめさん、そこのところどうなんでしょう?

★潰して食べる

私も真似してみましょう!
「食べ物で遊んじゃいけません!」と言われて育ったので、ちょっとした背徳感。

写真 2020-11-07 20 19 36

ラップにポルボロン割って入れます。(手タレは夫)
ギュッと握り潰して、丸く整えます。

写真 2020-11-07 20 20 28

口に入れると、溶ける感じは同じ。塊にしたせいか、平たい時より甘みが濃いような。あと、生地のホロホロ感が少し落ちる気がしました。

いずれにせよ、どちらも美味しいので、両方試してみるといいと思います。

スペインのポルボロン、イタリアのポルボローネ。(ちなみに、日本ではメーカーによってどっちの呼び方もあるみたい
まさか、イタリアに住んでいた友人から、スペインのポルボロンの話を聞くとは夢にも思いませんでした(それも、斬新な食べ方まで!)

いつかのどこかの誰かが、スペインのお菓子をイタリアに伝えて広がったのだろうなと思うと、なんだかロマンを感じませんか。

そして、この企画から、スペインの本場のポルボロンのレシピが日本全国に伝わって、ちょっとお行儀の悪い食べ方ごと広まるきっかけになれば、すごいじゃないか。


追記 「グレーテルのかまど」については、こちらのnoteに書いています。





サポートいただけると、明日への励みなります。