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ホームベーカリーがすごかった

毎週末、移動販売のパン屋さんから買い溜めしている朝食用のパンを、今週は息子にあげてしまったので、週の初め早々に買い置きのパンが切れてしまいました。
翌日は白米にもち麦を足して、もち麦ごはんと味噌汁で朝ごはんにしましたが、パンがあるときは「白いご飯が食べたいな」と思うくせに、いざパンがないとなると、無性にパンの朝ごはんが食べたくなる、あまのじゃく。

スーパーに行けば、安くておいしいパンが売られていますが、ここは一つ、自分で焼いてみるのはどうだろうと思い立ち、納戸にしまい込んですっかりホコリをかぶっていたホームベーカリーを引っ張り出しました。
10年以上前にホームベーカリーが流行った時期がありました。そのとき流行に乗って買ったもの。いつしか液晶画面の時計の電池が切れ、電池の替え方が分からないまま、数年が過ぎました。コンセントを差し込むと毎回0時00分となります。残念ながら、予約タイマーができないので、朝焼きたてのパンを食べることはできません。
そこで、2時間の早焼きモードを使うことにしました。
2時間なら、夕食後にセットすれば、寝る前に焼き上がります。

流行っていた10数年前は毎日のように焼いていたので、今も食パンの配合だけはしっかり覚えています。

強力粉 250g
砂糖 2スプーン(ホームベーカリーに付属の計量スプーンです)
塩 1スプーン
バター 10g
ドライイースト 1スプーン
牛乳 180ml

イースト以外を、ぜんぶホームベーカリーに放り込んで、イーストは後入れボックスへイン。
早焼きモードでスイッチを入れれば、あとはほったらかしでOKです。
ドラマを見て、スマホをいじって、お風呂に入ります。
お風呂から上がると、脱衣所まで、パンが焼ける香ばしい匂いが漂ってきます。ここが、ホームベーカリーの一番いいところだと思います。パン屋さんに足を踏み入れた瞬間のあの香りで家中が満たされるのです。

うっとりしているのもつかの間、「ピー、ピー、ピー」と焼き上がりを知らせるブザーが鳴りました。

すばらしい柴犬色!

いつ、どんな天候や季節でも、どんなに雑に材料を計量して適当に放り込んでも、見事に美しい仕上がりを見せてくれます。本当にすごい。これが10数年前のものなのですから、現在のホームベーカリーは、どれほど進化しているのでしょうか。

「ただいまー」
タイミングを見計らったように、夫がスポーツジムから帰ってきました。
「うわー、良い匂いやね」
廊下をリビングに向かって歩いてきながら、夫が言います。

手に大きなミトンをはめて、パンケースを持ち上げて、ひっくり返し、熱々のパンを取り出します。
時刻は午後10時半。もう歯磨きもしてしまったし、夜も遅いし……
でもこの誘惑に勝てるはずもありません。
「ちょっと端っこ食べてみる?」
夫に尋ねると「いいね!」と即答。

パンは、やけどするほど熱くて、指先がやけどしないようにパンを押さえたり、引っ込めたりしながら、パン切りナイフで慎重に切っていきます。焼きたてのパンは柔らかすぎて、ナイフを押しつける力でパンがへこんでしまうので、切るのがとても難しいのです。
パン屋さんでも、焼きたての食パンはラックに並べておいて、客の注文が入ったら、冷めたものから順に提供しているのだと、以前パン屋さんから聞きました。
切り口から湯気が立ち上ります。1枚を、夫と二人で分けて食べました。
カリカリの耳の部分は、茶色い部分はカリッと固くて香ばしく、白い部分はふわふわの綿あめみたい。ほんのり甘みもあります。何も付けなくても十分おいしい。

しばらく、ホームベーカリーから遠ざかっていましたが、久しぶりに使ってみたら、そのおいしさに改めて感動しました。
ホームベーカリーは優秀なので、毎回おいしいパンが焼けるですが、もっとおいしくコツがあるとすれば、生の牛乳を使うことです。スキムミルクで作る方法もあるのですが、生の牛乳を使ったときの濃厚さにはかないません。パンの密度が格段に上がるような気がします。そして、生の牛乳が安心して使えるのは、やはり2時間の早焼きモードなのです。通常モードは6時間かかるので、生の牛乳を常温で数時間置くのはちょっと心配なので。

そういうわけで、時計の電池が壊れていても、早焼きモード一択の我が家では何の問題もないのです。

もう一枚と言いたいところですが、そこをぐっと堪えて、粗熱が取れたところでラップをして冷蔵庫へ。
明日への楽しみができました。

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