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しゃきっとなるトム・ハレルのトランペットソロ

ジャズ・トランペットの Tom Harrell は90年代にライブで何回か観たことがあったが、なんらかの精神的な病気があるのか、ステージ場でもおどおどと落ち着きがなく、演奏していないときはじっと立っていることすら辛そうな感じだった。

それがひとたび演奏になり自分のソロになると、しゃき、と不動になって、精神が150%くらい集中したようなもの凄いアドリブをしていた。

たしか、今は亡きサックスのPhil Woods Quintetのライブだったとおもう。陽気で楽しくてかっこいい超職人芸のPhil のソロを、ウィスキー片手に体を揺すらせながら楽しんでいた。

次におどおどしていたTom Harrellのトランペット・ソロになる。禁欲な修行僧みたいな面持ちの男が、直立不動でどんどんソロを繰り出し始める。

途端、こっちにも「しゃきっと感」が伝わってきて、思わずグラスをテーブルに戻して、背筋を伸ばして聴いてしまった。迫力があった。

演奏が終わると、また、彼はおどおどモードに。

当時でもう中年以降という感じだったので、もうすっかり引退してたかとおもったら、ところがどっこい、70台にして現役バリバリで新譜を毎年だしているという!作曲もしているらしい。YouTubeでみつけたインタビューが以下のリンク。演奏もちょっとはいっている。下が古いアルバムから。凄いなあ。

音楽で、先天的な病?を越えて、聴く人を感動させてくれている、凄い例か。



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