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アストル・ピアソラ(Astor Piazzolla, 1921.3.11生 )

今日はなんといっても大震災から10年という日だが、Webで知ったが、ちょうど100年前の今日、アルゼンチンの作曲家でありタンゴのバンドネオン奏者のアストル・ピアソラの生誕の日であった。

アコーデオンの小さいようなバンドネオンの音色は悲しく、美しい。ちょうど震災の鎮魂曲としてもいいとおもって、午前中は家でPC作業なのでピアソラの曲をかけながら仕事。Youtubeで探したらでてきたのがこれ。

以前聞いたことがあった。その時の感想:

「これ、どこかのヨーロッパの王族の結婚式?なんでタンゴなのか。謎。

この「アディオス・ノニーノ」という曲の生い立ちは知らないんだが、たぶんノニーノはアントニオとかの愛称だろうから、アディオスだから、ドン・ノニーノという男が死んで葬式で流れる曲なんだろうと昔からなんとなく思っていた。なぜ王族?の結婚式で演奏しているのか。謎。

これもまったく独りよがりの想像だが、ドン・ノニーノというのはたぶんブエノスアイレスの暗黒街の顔役で、必要とあらば人殺しもたくさんやって闇の世界をのしあがってきたようなやつで、清濁併せ吞むマフィアのゴッドファーザーなんだが、このたび抗争事件で刺されて死んだかなんかで、その波乱万丈の人生にささげたタンゴの曲というイメージ。曲の展開のように、若い頃から荒々しい抗争事件を乗り越え、そしていまはセンチメンタルに人生を回想するゴッドファーザー」

なんてことをFacebookに書いたら、アルゼンチン通の知り合いから、ノニーノはピアソラのお父さんで、演奏旅行中に亡くなられたので会えず、悲しみのうちに作曲された名曲だと怒られた。また、結婚式は欧州のどこかの国の王族ので、新婦がアルゼンチン出身だったとか。

この曲、さび(と言っていいのか転調するところ)でオリジナルのピアソラのキンテットだと、殺し屋みたいな顔した(失礼、マフィアの妄想を引きずっている)アルゼンチン人のバイオリン弾きがソロで弾くんだが、そのメロディがもの悲しくて美しい。この殺し屋?バイオリンもとてもいい。ぜひ探して聞いてみてください。

そこらへんでこの王女?の新婦が、だんなの手をぎゅっとしながら涙をぬぐっている。演出なんだか、自然なリアクションなんだかわからないが、どこかの国の古い伝統は感じるけれど感動があまりない国事の結婚式とは大違いで、とても心をうつものがある。こういうヨーロッパ文化のソフト・パワーには素直に脱帽。人を感動させる深いものがある。


追伸 殺し屋バイオリンのみつけたので 

https://www.youtube.com/watch?v=WBiLkIJcDyw


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