【連載小説】スモール・アワーズ・オブ・モーニング(5)最終章 収監
(第四章からの続き)
すべてを出し切ったビア・フェスが終わった。
バンドメンバーは、燃え尽き症候群なのか、出し切った後の賢者の時間なのか、フェスがあたかも解散コンサートだったかのように、敢えてリハで集まろうという声がでてこないまま、数週間がすぐたった。
マルは、また意味不明の高熱が2日ほどでて、血栓ができたようだったが、ふたたび病院にかけこんだおかげで、へんな後遺症は出なかった。あえていえば、ちょっと味覚が変になった感じで、これまで大好きだったバッファロー・ウィングも、