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手荒れ持ち それでもネイルサロンにどうしても行きたかった理由

入社8年目の5月。
社会人になっても時々、大学のことを考えていた。自分の人生で大学進学の選択肢はなかった。頭がよくて金持ちが行く場所。自分には関係ない。だからこそ、学歴も性別も関係なく稼げる作家の世界に足を踏み入れた。そこからは、自分の努力次第。テレビの世界で生きていくためには、色んな勉強をして色んな経験を積まなきゃ。当然、テレビをチェックしないことには始まらない。新聞も読まなきゃいけない?本も雑誌も読まなきゃいけない。でも仕事が忙しくて、そんな時間、まったく取れないのが現実だった。
「休みの日は何してる?」と聞かれたら、気の利いた趣味を言うために普段から事実を繕っておかなければならない。それなのに・・・私には休みすらない。余裕がない。
そんな言い訳ばかりで、停滞気味だった。やりたいことは思いつくのに、何をするにもやる気が出ない。透明なゼリーの中を力ずくで進もうとしているみたい。視界はハッキリしているのに、体がついてこない。歩が遅い・・・
コンビニのイートインスペースにすら腹が立つ。蛍光灯がやたらまぶしく感じる。空調は嘘だろうというくらいに冷えた空気を吐き出している。
やる気が出ない中、有難いことに、仕事もそう多くはなかった。週5日あるのに、稼働したのは金曜だけ。それも、家を出るまでの支度にうんと時間がかかって、やっと家を出て会議をこなして、次の会議までの間にまた家に戻って横にならないと体がもたない。なんでこんなにやる気が出ないんだろう?
平日はすっかりぐずぐずしてしまった。こういう時に限って、土日に反動のようにドドドッと仕事の波が押し寄せてくる。
土日がこれだから、気の利いた趣味なんて作る時間すらない。それにしても、どうやってこの状況を乗り切ろう?夜中に仕事をしながら考えた。

自分の視界に入るのは、いつもデスクとパソコンと、この問題アリの手。せめてこの視界に入るものだけでも充実させよう。
そうと決めたら、則行動。ホットペッパービューティーで近くのネイルサロンを予約して、翌日には足を運んでいた。まずは自分のモンスターハンドを何とかしなきゃ。どんなに荒れていても、せめて可愛くしたい。ここが充実すれば、仕事のやる気も出るはず。と、思ったのになぁ…。


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