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今週のこと〔2〕


 木曜日、仕事を休んだ。よくいる土日休みの社会人、1週間の4日目。仕事を休んだ。普通に生理痛だった。ちなみに2日目。
 でもその日は、職場で年に1度のボーリング大会の日だった。その後の打ち上げも見越して、自転車で行かない方がいいなとか、お昼は軽く済まして残業もしないようにしないととか、朝起きた瞬間色んなことがよぎった。重い身体にお腹の痛みにぼんやりとした不安、ぼんやりしていたけれど、なんとなくここで休まないといけない気がした。

 年齢層の高い今の部署は、同世代同士のような感情の起伏や恨みつらみはないけれど、一定のしんどさがある。期待はされないけれど失望はされる、年齢の差がそのまま言葉の棘になるような、静かなしんどさがある。明確な、決定的な一撃にはならないけど、じわじわとくる。
 そんな中での身体の不調と、接待が目に見えているイベント。休みたい条件勢揃いで、5分考えて、体調不良を全面に押し出して休んだ。申し訳なかった。


 午後になれば、薬も効いてだいぶ楽になった。お腹が空いて、ウーバーしてから気づいた。

トイレが詰まってる。

 最初は流し忘れてるじゃん〜〜と思った。もう1度流した、水が増えた。トイレットペーパー以外のものは流していないから、そのうち溶けるかと思い、とりあえずウーバーを待って、食べた。1時間後、確かに水は減った、もう1度流すとまた水が増えた。流石に心配になった。
 ネットで「トイレ 詰まり」を検索。結果、自分でどうにかできるとは思えなくて、色々するよりプロを呼んだ方がいいという結論に至った。ちょっと前にテレビで悪質業者の特集なんて見てしまったものだから不安はある。勝手に作業を追加されて40万円の請求、なんて馬鹿話にもならない。慎重に、でも迅速に選ばないといけなかった。ここで14時だった。
 結局、水道局指定なんたら〜〜という文言に誘われ、すぐ来てくれそうで、そこそこ口コミも良い業者を選んだ。電話をすると「これ以上流すと詰まりの原因が奥に行ってしまうかもしれないので、これからは水流さないでください」と、「16時〜17時に行きます」と。

生理2日目の仕打ちじゃないと思った。ボーリングドタキャンのバチが当たったと思った。

 その人は16時に来てくれた。そこで信用度は少し上がった。まだちょっと警戒していた。幸いうちは玄関からすぐ階段、踊り場にトイレがあるタイプなので、さらに階段を上がった先の、生活スペースには入られることはない。だから男性でも多少の安心はあった。
 そこから料金の説明があり、作業をしてもらった。おしゃべりな人だった。色んな仕事がしたくて3回転職した、35歳、姉と住んでる、なんて聞いてるような聞いてないような感じで見守っていた。話し方や雰囲気で、信用度は最初より上がっていたけれど、決定的だったのは、便器に肘まで突っ込んで詰まりを解消しようとしていたことだった。本人でも手を突っ込むなんて嫌なのに、肘か、と思った。腕が細いんでここまでいけるんですよ〜と。そうゆうことなんだ、と思った。

 作業時間2時間。料金も相場通りの感じで終わった。原因はトイレットペーパーだった。おしゃべりな人は2つ約束事をして帰っていった。
①流すときは大
②まとめて流さない
 紙に書いてトイレに貼った。

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