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Traditional yoga

数十年前、私は知人の紹介で初めてヨーガクラスに参加した。そのクラス名は「正統インドヨーガ」だった。「正統」って何やろう?そうじゃないヨーガもあるんかな?と不思議に感じたのを覚えている。

その後、そこで集中講座を受講した。その際、正統なインドヨーガだと渡されたテキストがある。スワミ・クヴァラヤーナンダ、S.L ヴィネーカル著「ヨーガセラピー」という本だった。まだヨーガを始めたばかりだったし、何度も読んだけどどうも難しくて苦手だった。

現在は改訂版が出ている。


しばらく経ち、私はアシュタンガヴィンヤーサヨーガの練習を始め「正統」ではないかもしれない様々なヨーガを経験しさらに10年以上経過して、ひょんなことからまたこの本を再び開くことになった。「正統」や「伝統」なるインドヨーガと再び触れ合う機会が訪れた。
それを機にカイヴァリヤダーマ・ヨーガ研究所での勉強をオンラインで始めることにした。何かしらのご縁を感じ、すごろくで振り出しに戻り、さぁもう一度ちゃんと学べといわれてる気がしたのだ。

2018年に訪れたVaranasi
ガンジスの沐浴はインドを生で感じた瞬間



ヨーガは歴史が古くインダス文明の遺跡にもヨーガの存在が示されている。いつが起源かはほんとのところ分からない。
古代から現代に至るまで、師匠から弟子へと継承された知識と技術がヨーガのリソースを形成し、多くは口頭伝授で受け継がれてきた。

現代まで伝承されているヨーガの枠組みを決めているのは、紀元前に成立したパタンジャリが編纂した「ヨーガ・スートラ」。
また中世に発展した「ハタ・ヨーガ」は多種多様な技法が体系化されている。近代までヨーガはインドの哲学や宗教色が色濃くて秘儀的な「自己探求」の修行法として、より日の当たらないところで摩訶不思議に存在していた。


でも近代20世紀からヨーガの技法が心身の問題を解決するのに有効だと実証され始める。それを行ったのはヨーガの科学的研究の草分けである「スワミ・クヴァラヤーナンダ(1883~1966) 」だ。1924年にインド・マハーラーシュトラ州のロナウラに「カイヴァリヤダーマ・ヨーガ研究所(Kaivalyadhama Yoga Institute) 」を設立、ヨーガを学術的に扱う研究施設として実績を積んでいく。
スワミ・クヴァラヤーナンダは伝統的なヨーガの技法であるアーサナ(Asana)、プラーナーヤーマ(Pranayama)、ムドラー&バンダ(Mudra & Bandha) 、クリヤ(Kriya)、瞑想法(Dhyana)の生理学的・心理学的な効果を科学的に研究し、ヨーガが一般社会へ応用される方向性を確立した人だ。ヨーガを表舞台に出し世界へと伝え広めた。その功績から今インドでは「近代ヨーガの父」といわれている。

偉い人なんや、この人の存在で私はヨーガと関わることが出来たんだ。その恩恵をずいぶん後になって知った。

これから、さほど勤勉家でもないのでボチボチしか進めないが、残りのライフワークとして、この学びを基盤として総合的にヨーガを理解していきたい。

そして「正統」や「伝統」という意味を自分なりに理解するヒントをつかみたい。ほんの少しは分かるのではないかなと期待も込め、いただいた恩恵を周囲の縁ある方に伝えていきたい。

奥は深いぞ。

ゆっくり進もう。


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