見出し画像

私の初決定

今日は私の初決定について書きたいと思います。
人材紹介コンサルタントをやると必ず通る初決定ですが、私にとっては一生忘れられない決定なので最初のテーマとさせていただきました。

新卒第一号としてJAC Japan(現JAC Recruitment)に入社した私は、当時チームにPC1台しか付与されなかったため、もっぱら担当エリアを飛び込み営業で開拓するという手法で求人開拓をしていました。担当するエリアのビルに飛び込み誰でもいいから名刺交換をさせてもらい、オフィスに戻ったらその名刺の電話番号を見て電話して人事につないでもらうといった繰り返しでした。

そんな中、当時大阪駅前ビルに入っていた結婚情報サービスを行っていた会社から、結婚アドバイザーの求人をいただきました。募集要件としては、元CA(キャビンアテンダント)や高級消費財の販売員など立ち居振る舞いが落ち着いていて、コミュニケーション力の高い女性がいいと言うものでした。

新人だった私は、元CAの方に連絡することができる求人に浮足立ち、求人獲得後に当時登録のあった全ての元CAの方に電話をしたことを覚えています。今思えば何と不埒な気持ちでマッチングしていたのだろうと思います。しかし、募集企業が結婚情報サービスの会社です。今から20年以上も前です。当時はかなり胡散臭いと思われていた業界なので全然応募が取れないわけです。しかし、電話をかけまくった甲斐もあって一人のCA経験者のAさんから応募をいただくことができました。

その後、応募~面接~内定と順調に進んでいき、初めて内定通知をお伝えすることになるんですが、業種が業種だけに断られることも覚悟してお伝えしました。


私「Aさん、おめでとうございます。〇〇社から内定がでました。ご入社の意欲はいかがでしょうか?」 (初めてなのでこんな感じだったと思います)
Aさん「はい、ありがとうございます。是非お世話になりたいと思います。」
私「え?お世話になりたいって、入社するってことですよね?」

Aさん「はい、入社させていただきたいと思います。」

私「わかりました。その気持ちを〇〇社にお伝えしまた連絡します。」


このことを当時の上司に伝えると「良かったな、おめでとう!」と言われましたが、私としては「なぜ意思決定したのか?しかもこんなにすんなりと…」というのがわからず、うれしさと驚きと不思議さが入り混じった気持ちでいました。

後日Aさんと入社に向けた打ち合わせをする前に、上司から「何ならなぜ受諾したか聞いてみろよ」と言われたので、打ち合わせの際に思い切って決断した理由を聞いてみました。


私「Aさん、つかぬことをお聞きしますが、〇〇社は結婚情報サービスの会社です。まだまだ認知度が低いし、ちょっと人気も低い業界なのに、なぜスムーズに入社意思を決めてくれたのですか?」

Aさん「実は、私は母子家庭で育っていまして、母が女手一つで育ててくれたんですが、その母の職業が結婚紹介所でのアドバイザーの仕事だったんです。なので井川さんから求人を紹介されたときに、遂に私もこの仕事をやる時が来たんだな、これは運命なんだなと思いました。なので、求人をご紹介いただいた時から内定が出たら入社させていただくつもりでした!」

私「そうだったんですね!そうとも知らず失礼しました!」


私は元CAと話したい不埒な気持ちでマッチングしていたにもかかわらず、結果的には人の人生を変えてしまう運命の求人をご紹介していたんだと気付かされました。Aさんは私から運命を決める求人を紹介されたかもしれませんが、私にとってはその初決定が生涯人材コンサルタントとして生きていくきっかけになったのだと思います。後日談として、天職に就かれたAさんは、スタッフで入社後、半年でマネージャー、1年で支店長に昇格され大活躍されたそうです。

ちなみに、Aさんからお礼に頂いたクッキーの缶は、社会人になって10回以上引っ越していますが、いまだに私のクローゼットの中で手紙入れとして使っています。ここまできたら一生持ち続けようと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?