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AMラジオの停波について

久しぶりにnoteを更新します。AMラジオの停波について。

2024年2月より、日本国内の一部地域の民放ラジオ局においてAM波の送信を停めています。「え??」…と、この僕のnoteで知った方もひょっとしたら居るかもしれませんが。それはいきなりの「閉局」とは違うんです。FM波へ移行するための準備です。国の方針でもう決まって遂行されている進行形のタイミングなのでこの是非についての議論はしませんが、一旦停めてみてFM波を聴いてみる。あるいはインターネットやアプリのradikoで聴いてみる。それでリスナーの皆さん、どうですか?…という様子見の実験に入っているわけです。(「苦情」ではなく、うちではFM聞きづらいですとか、ここでは聞こえたがここはFMダメみたい、的な「情報」はどんどんラジオ局に伝えてみてくださいね)
また、能登半島で地震の大きな被害が出ましたが、「実験期間中に」大きな災害が予想される・起きてしまった際にAM停波実証実験中のAM送信所はAM波を一時的に復活させることも条件とされています。
(石川県のMROラジオも4月から輪島局などでも地震前の計画通りAMを停波実験させるそうですが)    →地震被害を考慮して8月1日からに順延になったそうです。

「なんでラジオ局はFMゴリ押しなの?なんで?AMは嫌いなの??」

それはちょっとニュアンスが違います。AM放送は、例の停波実証実験にも参加しているNBCラジオの番組内では「FMの10倍ほどの経費が掛かる」と説明をしていました。AMを全局で停めたNBCラジオの佐賀エリアですが、単純にAM佐賀局1458kHzの出力が1kW、FM佐賀局93.5MHzの出力が500W。このように単純に送信するための電力が少なくて済む。これだけでなく、巨大なAM送信鉄塔の維持管理費だったり、広大な土地の借地代、このあたりも比較すると地域によってはFMの10倍の差なんかでは済まないかもしれない、、、

また、世界的にコストが余計に掛かるAMラジオを重視している国、実は日本ぐらいのものなのです。日本のAMラジオの感覚はさも特別天然記念物のような。「だとしたらより残すべきでは??」との意見もありそうですが、もはやヨーロッパでAM付きラジオを販売してなかったりする動きを見れば、その感覚が世界標準になっている状況ならAMラジオの需要も減ることで販売価格が高騰することも考えられます。

では、逆にこれまでやってきたことをFM波でやることになぜ抵抗があるのですか?…と質問をしてみたくて。「遠距離受信が出来なくなるから」は、radikoの有料会員になれば。ラジオ1台買うより月額は安いです。そもそも、意地悪な言い方ですが、AMの夜間遠距離受信はエリア外の漏れ電波受信でもありますので・・

「AMは強く聞こえて、FMは弱くしか聞こえない」??

そのようなイメージ、すごく日本人のラジオリスナーに植え付けられているかと思いますし、実際に現状はそうなっている地域、たくさんありそうです。そこは国もFM転換に当たって、FM波がくまなく電波到来しているのかの状況調査をしたり、出力上げてもOKとする姿勢に変えたり、リスナー側も「本当に家の中のどの場所でも聞こえづらいものか??聞こえやすい場所はないか?」と探してみたり。どの立場の人もFMにアジャストする流れが生まれないと、この一連のFM転換は上手く行かないのではないでしょうか。

どうでしょう、ラジオ以外の分野でも、不景気や物価高なのに実際に受け取る給料は増えないとか。皆さん景気の低迷は肌でお感じかと思われますが、日本の放送局も例外ではないです。一部リスナーがAM波に固執してゴネていても、それはラジオ局側からすれば、動こうとしているのを止められてしまうのと同じで。FMへの転換は、世界的な足並みに揃えるための進化であるもので、決して退化ではないんですよね。

もしラジオが好きならば。今の流れにすんなり乗ってあげたほうがいいのではないでしょうか。それがラジオ局の今後の発展に繋がる…かもしれません。(保証はできませんが)

東京の昼番組をネットしても…?

AM停波実証実験とFM転換と紐づけるのが正しいかはわかりませんが。昨年からNBCラジオが昼間にTBSラジオの関東ローカルを念頭に置かれた生放送をネットし始めました。更にこの春からは西日本を中心に昼間のTBSラジオや文化放送をそのままに踏み切るラジオ局が急増することになっています。

私個人の意見として。NBCラジオが一応FMで聞こえるエリア在住なのですが。あれだけ昼間にローカル100%な枠をやってきたところに東京都心部でのお喋りが急に入ってきた。違和感しかありません。慣れれば良いのでしょうが、慣れるまで聴き続ける「工程」を経なければいけなさそう。それはなかなかきついものがありますね。それが長崎佐賀だけでなく、4月から各所で起きる事になりそう。

もう少し踏み込んだ私見を述べますと。NHK第一の東京・渋谷放送センターからの枠を聴いても、特に何も感じませんよね。つまり、各都道府県で民放ラジオでも開始当初から全国ラジオ放送と、ローカルラジオ放送と分けて設置すれば全く違ったラジオへの価値観が生まれていたはずで。「この周波数は東京のものが流れる」「この周波数は地元ローカルだけ流れる」と棲み分けをすればよかったのです。(開始当時それを国と各地方の勢力が許さなかったわけですが)

そこでいよいよ立ち行かなくなってきた今の時点で、日本のラジオ局が急にハンドルを切り始めたので。これだけ驚きや反響が起きているんですね。4月以降の動きについては、まだ注意深く見守るしかないですね。

でも、いきなり地方ローカル番組から首都圏中心の番組に変えたら。リスナー離れはある程度覚悟しなければならないと思います。そこはFM転換とは別個に考え、どうにかローカル枠(収録・音楽枠でも良いので)で頑張ってもらいたいものですが。。


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