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コント師である自分たちの着飾らない素を出せる場所【ジャパネーズ インタビュー】

Radiotalkで活躍する音声配信者「ラジオトーカー」を紹介していく連載インタビュー企画。今回は、番組『ジャパネーズ 太陽ト月ノ閑話』を配信する、ジャパネーズのお二人にフォーカスします。

ジャパネーズは、アチャ・マサノブさんウネモトモネさんによる、トゥインクル・コーポレーション所属のお笑いコンビ。2014年5月に活動の拠点を大阪から東京に移してから、あらゆる形でのライブを主催し、2020年には12ヶ月連続で単独ライブを行うなど、精力的に活動をしています。

2020年3月からRadiotalkでの配信を開始し、毎日更新をされているお二人。ラジオが大好きなモネさんと、ラジオを聴いてこなかったアチャさんと、クマのぬいぐるみである「ぼちゃこん」による唯一無二の番組はどのようにできあがったのか、お話しを聞いてみました。

(取材/天谷窓大・文/ねむみえり

日常の会話をラジオでのしゃべりにするために

ーーRadiotalk以前にも何か配信はされていましたか?

モネ:もともと別の音声配信アプリで3〜4年ぐらい配信していたんですが、サービスが終了してしまったんです。そのタイミングで、事務所の先輩の街裏ぴんくさんがRadiotalkで配信をされているのを知って。

アチャ:周りの芸人でもやってる人が結構多かったですね。

モネ:大阪時代から仲良くさせていただいて、お世話にもなってる先輩のヤーレンズさんもRadiotalkをやっていたので、まあやってみようかなって。

アチャ: 色んな芸人がやってることで、安心感とか信頼がありましたね。あと、前に僕らがやってた音声配信は有料だったんです。でもRadiotalkは、誰でも無料で聴けるので、それもいいなって思いました。

モネ:聴いてくれる人への間口も広がるかなって。

ーーもともとラジオを聴いていたりしましたか?

モネ:僕はラジオがすごく好きなんです。中学生の頃に深夜ラジオを聴き始めて、主にオールナイトニッポンを聴いてました。そこからラジオにメールとかハガキを送り始めて、そこで初めてお笑いとか芸人っていうものに興味を持ったんです。

だからラジオは、芸人になるのを志したきっかけでもあるんです。事務所の先輩のエレ片さんもTBSラジオでずっと番組をされているので、いつか僕もラジオの冠番組を持てたらな、みたいな憧れはずっとありますね。

アチャ:僕は全くラジオを聴いてこなかった人間なので、まずラジオのやり方が分からないっていうところからスタートだったんです。なので、実際にエレ片さんのラジオを見学して、生で三人の軽快なトークを聴いて、こうなりたいなと思ったりしたので、Radiotalkは二人でしゃべる練習をしている感覚なんです。

モネ:練習を流している!?

アチャ:いや、本番、本番(笑)

モネ:プロが出してるんだから練習じゃダメでしょ(笑)。でも、普通に会話するのとラジオでのしゃべりってちょっと違うとは思うので、練習って言ってしまったら語弊もありますけど、ラジオでのしゃべりに慣れる場ではありますかね。

ーー日常会話をラジオでのしゃべりにするまでに、どんな工程を経てますか?

モネ:Radiotalkを録るときは、普通の会話だったらそこまではしないようなリアクションをしてますね。いつもよりも1.5倍ぐらいは強めに相槌を打つとか。それをすることで、ラジオ感を出すというか、聴いてる人にここが面白いんだなとか、こういうこと言ってるんだなみたいなのが伝わりやすいようにしてます。

相方はラジオを聴いてきてないから、リスナーになったことがないんですよ。それもあってか、最初の頃は身振り手振りしながら「こうなっててさ」ってしゃべったりしていたので、補足説明を入れたりとかもしてましたね。

アチャ:そうだね、端折っちゃってたな。

モネ:やっぱりラジオは表情や動きが見えてないっていうのがあるんで、伝わりやすいようにちょっと噛み砕くとかはやってますね。

アチャ:あとは、どっかでお笑いがちょっと欲しいなってなって、何かしら山場を作ろうとするよね。やっぱり、エレ片さんのラジオもそうですし、絶対にどのラジオでもトークの山場はあるので。

モネ:12分だとちょっと作りにくいところもあるんだけど。

アチャ:モネが真面目な話をずっとするときがあるんですけど、やっぱり芸人なので、ちょっとお笑いの部分を入れようと思って途中でふざけるんですけど、 普通に怒られます。

モネ:怒られたらまだいいけど、無視しちゃうときもあるからね。

ーー無視は、もう余計なことしないでくれという気持ちからですか?

モネ:そうですね。僕、お笑いのラジオだけど芸人さんが熱いことを語るのもめっちゃ好きなんです。なので、僕が真面目な話をするときって、多分そのモードに入ってるんですよね。そのモードのときに、横からこっちの話の芯も理解してないような感じで言葉尻だけ取ったこと言ってくると、なんだこいつと思って無視しちゃうんです。

アチャ:ダジャレが好きで、思ったら言っちゃうんです。

モネ:そこはアチャさんの良さでもあるんですけどね。

コント師の人間味を感じられるようなラジオに

ーー最初の回からリアクションの数がすごかったですね。

モネ:そうですね。最初の頃は、リアクション(ハートと笑顔とネギ)の合計がずっと4桁ぐらいだったんですけど、最近は少なくなってるんで、ちょっとやばいなと思ってるんです。でも、僕たちがRadiotalkを始めたタイミングが、最初の外出自粛期間みたいなときだったので、家にいる必要があって暇な時間がある人が多かったから、初期の収録トークにはリアクションが多かったのかな、とも思います。

ーー過去回を振り返る収録トークでは、モネさんの女装に関する収録トークがリアクションが多かったとお話しされていました。

モネ: そうなんですよね。

アチャ:女装っていうワードで引っかかってきたとかあるんじゃない。

モネ:ああそうか。たしかに女装ってタイトルに入れたりしたけど、別にラジオだからその女装が見られるわけじゃないんですよね。

ただ、あんまりそんなことをしゃべる芸人さんもいないから、ほかの芸人さんとの差別化が図れる話題だと、収録トークに対するリアクションはいいのかもしれないですね。ジャパネーズの話でしか聴けないっていう、希少価値みたいなものを感じてくださってる部分はあるのかもしれないなと。

ーー番組タイトルはビジュアル系のような雰囲気がありますが、どちらが決めましたか?

モネ:タイトルは俺が決めたんだっけ。

アチャ:そう。コントは主に相方が作ってるんですけど、二人とも割と中二病的なものを秘めているというか、世界観たっぷり系をやりたいんですよね。

モネ:相方はめちゃめちゃビジュアル系が好きなんです。で、僕は純粋に中二病っていう(笑)。僕らが大阪で活動してた時代は、二人とも普段着でハットをかぶって蝶ネクタイつけてたんです。

それで結構、世界観のあるようなことを言ったりとかしていたので、僕たちがラジオで他愛ない話をしているのは、お客さん的には最初の頃は意外だったんじゃないかなと思います。もう慣れたとは思うんですけど。

アチャ:番組タイトルの由来なんですけど、相方の本名が宇根元陽(うねもとあきら)なので「陽」で、僕が単純にLUNA SEAが好きなので「月」じゃないですか。それで、太陽と月でなんかできないかなっていうので『太陽ト月ノ閑話』になったんです。

ーーそういうことだったんですね!

モネ:そうなんですよ。サムネイルも雰囲気あるやつを使ってるんですけど、収録トークでは日常の生活感溢れる話しかしてないから、迷走してるんです。バイトがしんどくて、みたいな話したり。

アチャ:ファミチキ食べたかどうかみたいな話を聴きたいわけじゃないよな。

モネ:だから、僕らはセルフプロデュースを完全に間違えてますね(笑)。あの番組タイトルだったらね、こんな日常生活の話じゃなくて、もっとなんだろう……血液の話とかすんの?

アチャ:幻想的な、星座の話とかね。

モネ:ああ、なるほどね。でもそういう話のほうが、多分お客さんも楽しいよな。35歳と36歳の売れてない芸人のリアルな生活の話なんて代わり映えがしないし、それよりは何か世界観のある神話の話とかをするべきなんでしょうね。

ーーお二人の人間味のある部分が収録トークに出てるんですね。

モネ:そうですね。番組タイトルと実際に配信されてる収録トークのギャップがある状態にはなってるかもしれないんですけど、僕が中高生の頃にラジオを沢山聴いていたときにも、ギャップを感じてたんですよ。ラジオパーソナリティが自分が持ってたイメージと違うというか、同じ人間ではあるんだなって知ることで、もっとその人を好きになるということを何回も経験したんです。

なので、意識してやってるわけじゃないんですけど、ラジオではあまり着飾らずに人間味も出せたらなっていうのは、自分の中にあるなと思います。

アチャ:それでいうと、漫才師の方は等身大でボケて等身大でツッコんでという形がほとんどじゃないですか。人間を見せるのが漫才なので。でもコントは、ネタの中で人を演じるから、自分じゃないんですよ。そういうコント師たちの素の部分を見せられるのがRadiotalkかなと思いますね。

クマのぬいぐるみを交えてしゃべる唯一無二の番組

ーー日常会話を色んなバリエーションでやっていきながらも、収録トークは毎回ほぼ12分ぴったりですね。

モネ:そうですね。時間の限りしゃべろうと思ってますし、しっかり12分のところで「ありがとうございました」で終わろうっていうのはなんとなくやってますね。たまに上手くいかないときもあるけど。

アチャ:11分ぐらいから、どうやって終わらそうって焦るときはあるね。ただ、僕らのラジオといえばこれっていうのは特に決まってないので。

ぼこ熊五郎:ぼちゃこんタイムでしょ。

アチャ:ぼちゃこんタイムぐらいかな。

ぼこ熊五郎:そりゃそうだよ。それがお決まりでしょ。

アチャ:そうなんですよね。 こういう企画があってとかが特に決まってないので、日によってはライブを振り返ったりだったりとか。

モネ:前にやっていた音声配信アプリは時間が無制限だったので、そのときは俺が深夜ラジオに憧れがあったから2時間やってたんです。

アチャ:2時間は長い。だから12分ってすごいいいんですよね。通勤とか通学のときに聴いてみて、こうやって始まってこうやって終わるのか、次のも聴こうってなる。

モネ:聴くほうはたしかにそうだね。12分って絶妙な時間ですね。ありがたい。

ーーすごく自然に会話に入ってきましたが、お二人のほかにももう一人、一匹……?

ぼこ熊五郎:います。

もうひとりの番組メンバー、「ぼちゃこん」こと「ぼこ熊五郎」(写真右端)

モネ:本名は「ぼこ熊五郎」なんですけど、「ぼちゃこん」って呼ぶときもあります。でもこの子も、僕らの番組ならではというか。ほかの芸人さんのラジオでクマのぬいぐるみがしゃべることなんかないと思うので。一応、この子の声がかわいいと言ってくれるコアなファンの方もいらっしゃって。

ぼこ熊五郎:そうだよね、ね、アチャ。おはようございます。ご挨拶が遅れました、僕、ぼこ熊五郎です。お願いします。

アチャ:何しとんねん。

ーー会話が本当に自然ですよね。

アチャ:そうですね。僕もその感じに慣れちゃってるので、モネがしゃべってると思ってないんですよ。

モネ:だって俺はしゃべってないもん。俺はたまたま同時に口が開いてるだけで、しゃべってるのはこの子。

ぼこ熊五郎:そういうこと。

アチャ:どういうことやねん。すいません。

ぼこ熊五郎:すいません。大人を困らせてしまった。

モネ:僕はぬいぐるみとは実家でもこういう感じなんです。そういう家庭で育ったので自然なんですよ。

アチャ:だから、このラジオって僕はすごくちょうどいいなと思ってるんです。二人の会話の中にぼちゃこんが入って、ちょっかいかけてきて、何してんねん、みたいなくだりを目の前でやられたら、大体の人は引くんですよ。

モネ:いや……引く人もいるか。ツッコんで良いものかも分からないだろうし。

アチャ:相手が戸惑うことも多いから、このラジオぐらいの距離がちょうどいいのかもしれない。

Radiotalkでしゃべり続けたことが実を結んだ

ーーTBSラジオ『エレ片のケツビ!』のPodcastに出られて、その後にRadiotalkで、Podcast出演の振り返りの収録トークを配信されていました。『エレ片のケツビ!』のPodcastはTBSラジオのスタジオで収録されたかと思うのですが、Radiotalkに戻ってきて、雰囲気の違いなどは感じましたか?

アチャ:さっきも言ったように、この番組が練習になっていたので、これまでの経験が活かされた部分はあるかなと思いました。お互い間を空けないようにしようっていう阿吽の呼吸のようなテンポは生まれたというか。 

モネ:練習って言うな、Radiotalkも本番ですから。でもやっぱり、Radiotalkは自宅で自分のスマホで録るっていう環境なので、あのTBSラジオのスタジオの中に入って録るのは緊張感はありました。

アチャ:ありましたね。でも全くラジオの経験がなかったら、もっと緊張感があって多分何を話していいか分かんなくなってただろうし、Radiotalkやってて良かったなっていうのはすごく思いましたね。

モネ:今までの経験はすごく活きてますね。あとはTBSラジオにこの子を連れて行けたのも良かったです。スタジオのスタッフさんは苦笑いされてましたけど。

アチャ:こんなでっかいぬいぐるみを目の前にすることないからね。

モネ:多分僕らしかいないよ、若手芸人でTBSラジオのブースにぬいぐるみを持ち込んでしゃべらせた人。でもほんとに、Radiotalkで日々やっていたことがちゃんと1つの形として成果にはなったかなと思います。マネージャーとかスタッフさんとかも褒めてくださったので。

アチャ:聴きやすかったって言っていただけてね。

ーーRadiotalkで配信してきた中で、印象的なことはありますか。

アチャ:ラジオをやっている人がいかに難しいことをしているかっていうのは、実際に自分がやってみて感じました。あとは、聴いてくれているファンの方たちが、SNSで収録トークの感想を書いてくれてるのも嬉しいなと思います。

モネ:前にリスナーさんとのコミュニケーションの取り方を間違えてしまったことがあったんです。でも、僕も学生の頃にラジオリスナーとして似たような行動をしてしまったことがあったので、自分も過去にしていたのに、他の人に同じようなことされたら寛容に対応できなかったというのは、未熟だったなって思いますね。

ーーすごく真面目ですね!

モネ:今の時代って、そういうのに柔軟に対応できる人が評価される時代だと思うし、自分たちも気をつけていかないとなって改めて思いましたね。お笑いライブのお客さんと、ラジオリスナーさんとのやりとりって、ちょっと違いがあると思うんですよ。なので、それぞれに合ったコミュニケーションをしないといけないなって。

人を傷つけるだけのノリは絶対に面白くないからやらない

ーーラジオ内でこれはやらないようにしてるということはありますか。

アチャ:面白くないことですね。

モネ:今回の収録トークは笑いが1つもないぞっていうことはないようにしてるということ?

アチャ:そうじゃなくて。もちろん、ずっと真面目な話をしている中でどこかに面白ポイントを作ろうとかっていう心がけもありますけど、誹謗中傷みたいなノリって絶対面白くないじゃないですか。

ーー誰かを下げて笑いを取る、みたいな?

アチャ:誰かを傷つけたり、人の嫌がることをするとか。僕、お父さんに「​​自由に生きていいけど、人の嫌がることだけはすんな」って幼稚園ぐらいの頃からずっと言われてて、それがずっと頭に残ってるんです。なので、誹謗中傷みたいなノリを見たときに、面白くないことをしてるなってすごく思うし、そういうのは「面白くない」っていう一言で片付けてます。だから、そのノリをラジオでやるのはやめようねって。

モネ:この時代の”人を傷つけない笑い”みたいな流れに沿ってとかではなくて、ナチュラルにそういうノリは僕たちはやらない。僕も割と敏感で、何かを過剰に受け取ってしまって傷ついちゃうタイプなので、差別的であったりとか、そういうことがないようにっていうのは心がけてたりしますね。

アチャ:失礼ボケとかも、関係性がちゃんとできていたら面白いんです。関係性ができてない中でやると、それはただの失礼になったり、ただ傷つけたりしただけになっちゃうから、そういうのは絶対に嫌だなって。「僕の顔が変だ」っていう回の話をちょっとしてもいいですか?

モネ:「珍顔」のやつね。

ーーぜひ聞かせてください。

モネ:これ、たしかライブに来てたリスナーさんから、「後ろにいたお客さんが、『なんかさジャパネーズのアチャって笑えないブスだよね』って言ってました」っておたよりが来てたんだ。それで「ブスじゃないねん俺は」ってなって、じゃあなんやってなったら「珍顔」やって。

アチャ: これが、僕の中では、誹謗中傷をちゃんと笑いに変えられたっていう経験なんです。それで嫌な気持ちは成仏させられたので、それができたのは、このラジオのいいところだなって思いました。

毎日配信の原動力の1つはコンビでの同居という環境

ーー毎日配信をしていると、意識する部分が増えて大変なところもあるかと思うのですが、今まで続けられている原動力はどんなところにありますか?

アチャ:単独ライブに来てほしいっていうのが、色んなことをやっている理由なんです。そのために、Radiotalkだったり、ネタライブだったり、チャンスがあればテレビだったりとかがあるなっていうのが僕らの中であって。単独に一番力を入れているので、そのために頑張ろうって思ってるとこもあります。

モネ:僕はもう純粋に、ラジオが好きで芸人を目指したというのがあるんで、ラジオでこうやってしゃべれてること自体が楽しいし好きだからっていう原動力が一番大きいです。 あとはもう本当に、リスナーさんがいてくれることですね。初期よりはリアクションが少なくなっちゃったけど、0じゃない。やっぱりリアクションの数が0になったらしんどいし、さすがに心折れると思う。

アチャ:自分でつけるわそしたら(笑)

モネ:そうだね、自作自演でもええからつけるわ(笑)。でも、ありがたいことにリアクションが0にはならず、おたよりを送ってくださる方もいて。話題を考えてこっちに振るのも、もし自分が振った話題で盛り上がらなかったらとか考えたら、送る方も送る方で結構プレッシャーはあると思うんです。だから、忙しい中で時間割いておたよりを送ってくださる人がいるのはありがたいですね。そういうのが全くなかったら絶対続けられてないので。

アチャ:あとはもう、Radiotalk録って晩酌して寝るっていうのが、生活の一部みたいな感じにはなっていますね。

モネ:一緒に住んでるからできてるのはありますね。寝る前に録ろうか、とかも、12分だから気軽に録れるしありがたいですね。

アチャ:まあね。一緒に住んでるっていう環境はデカい原動力にはなってますね。

ぼこ熊五郎:そうそうそうそう。

モネ:別々で住んでたら、相方の家までぼちゃこん連れて行くわけにもいかないし。それこそRadiotalkを始めたての頃は、同居してるコンビのお話しっていうところを楽しんでくれてる人が多かった気がする。こんな感じで芸人さんって同居してるんだ、みたいな。ぬいぐるみ挟んでラジオやってるんで特殊なんですけどね。でもそういうところも楽しんでいただけたのかなと思うので。

ーー普段の収録はスマホだけで完結させてますか?

モネ:そうですね、アチャさんの部屋で僕のスマホで録ってますね。過去のほかのトーカーさんのインタビュー記事をいくつか読ませていただいたんですけど、ガチのスタジオみたいなところで録ってる方もいるんですね。芸人はみんなスマホで録ってるイメージだったので、そんなものなのかなと思っていたら。

ーーアーティストさんの場合はスタジオを借りて録ってるケースもありますし、個人でも機材を用意している方はいますね。

モネ:個人でそれはすごいなぁ。でも、自宅でスマホだけで録ってるから出る、同居コンビの空気感も多少はあると思うので。

アチャ:僕はベッドに座ってますし、ギリギリまでお菓子を食べています。

ーー今のお話を聞いて、友達の家に遊びに行ったような空気感はそこで醸されてるのかなと思いました。

ジャパネーズ:ああ、それはあるかもしれないですね。

アチャ:収録トークを録るのは夜の10時とか11時が多くて、ちょっと前までは階下に住人さんがいらっしゃったのもあって、今よりもちょっと声のトーンを落としてしっとりしゃべっていたんです。それが余計に家っぽかったかもしれないです。

モネ:周りを気にしながらしゃべらなきゃいけないからね。あとは、ご飯が炊けたときの炊飯器の音とか、近所の赤ちゃんが泣いてる声とかもたまに入ってますね。

距離感を詰めやすいからこそ、よい距離感を保ちたい

ーー今後ラジオトークでやってみたいことはありますか?

モネ:僕がラジオにのめり込んでいったきっかけが、自分のハガキがラジオで採用されたっていうところにあるので、お笑いのラジオであるがゆえのネタコーナーのようなものもできたらなとは思います。ただ、リスナーさんが「面白いおたよりを送らなきゃ」っていうプレッシャーを感じるかもしれないし、12分っていう中でコーナーしかできなかったりとかもあるだろうから、なかなか難しさはありますね……。

それでも、やっぱり自分のハガキがラジオで読まれたときの感動とか衝撃は、僕の中では本当に大きかったので、それをリスナーさんにも経験していただきたいなという気持ちは強いです。こんなちっちゃいラジオだとそんな感覚もないかもしれませんけど。

アチャ:Radiotalkをちっちゃいラジオって言うな(笑)

モネ:ちがうちがう、Radiotalkさんにじゃなくて(笑)。俺達のこの『太陽ト月ノ閑話』がちっちゃいっていう。

アチャ:我々がね。

モネ:そう。まだ売れてない芸人のラジオっていう。それでもやっぱり、例えばこのRadiotalkでしか僕たちを知らない人からしたら、この人たち本当にいるのかなっていうのがあると思うんです。でも、自分が送ったおたよりが読まれた瞬間に、本当にこの人たちはいたし、自分の書いたものが知られたていう感動が生まれるかなと思うので、そういう体験をしてもらいたいですね。

そのためにもリスナーさんとコミュニケーションしていきたいんですけど、ライブ配信のほうがコメントもしやすいし、フットワーク軽くできるのかな。

ーー今までにライブ配信は1回しかされてないですよね。

モネ:そうですね。僕らはYouTubeのチャンネルも持っていて、そっちで生配信みたいなのを毎月やってたりするんで、コンテンツの差別化を図るために、生配信はそっちでいいかなと。後ろ向きな理由でRadiotalkでライブ配信してないわけじゃないんです。

アチャ:でもライブ配信だと、双方向のコミュニケーションができちゃうじゃないですか。 それが苦手で、一方的に聴きたい人もいると思う。

モネ:なるほどね。生放送のラジオと比較しても、リアルタイムでリアクションがばんばん返ってくるのは、ラジオとしてはあまり自然じゃないのか。

アチャ:そうそう。

ーー短いコメントを書くか、文章にしてメールで届けるかみたいなところはありますね。

アチャ:ライブ配信をするなら、コメントは一切拾わずに、一方的にこういうことをやってますよっていうのを流すだけがいいですね。

ーー意識的にちょっと距離を作るという感じですか?

アチャ:そうですね、そこを大事にしたいなと思います。今は色んな生配信で気軽にコメントができちゃう時代じゃないですか。僕は、そこからちょっと離れてるのがRadiotalkだと思ってるんです。トーカーの人がいて、お客さんはちょっと離れたところで応援してるっていう感覚は大事にしたいなって。コメントに反応しすぎて話が進まないよりは、僕らなりの距離感を保ちたいです。

モネ:なるほどね、そういう感覚か。それは確かに大事かもな。

相方としゃべる口実であり、芸人じゃない自分が現れる場所である

ーーお二人にとって、Radiotalkはどんな場所になっていますか?

モネ:僕はちょっと気持ち悪い感じなんですけど、公式に相方としゃべっても許される時間をとれる場所って思ってます。相方は、何回も同居を解消したいって言ってるくらい、一人が好きなので、あんまり家の中で俺に話しかけられたくないんですよ。

アチャ:うん。早く寝たいんです。

モネ:だからRadiotalkをやってなかったら、 多分しゃべってくれてないんで、僕は相方と毎日会話するための口実にしているんです。これがあるから会話できてるって思います。

ーー同じことをスーパーニュウニュウの大将さんも言ってましたね。舞台以外でしゃべるきっかけになると。

モネ:そうなんだ!フルヤさんに対して。

アチャ:僕は何でしょう……いい気分の日もあるし、落ち込んでる日もあるし、色々ある中でラジオを毎日録ってたら、ジャパネーズのアチャ・マサノブはもちろんですけど、本名の孝橋正宣を見せられる瞬間もあるなって思うんです。だから自分の中でちょっとなんかふわふわしてるんですよね、これは芸人の自分なのか一般の自分なのか、みたいな。芸人であれよって感じですけど。

ーー外と内の間に自分があるみたいな感じですかね。

アチャ:そうですね。不思議なポジションではありますね。

モネ:あと、Radiotalkをやってるからこそ、日々の自分の生活で起こることにちょっと敏感になれるみたいなのはありますね。ネタ探しじゃないですけど、Radiotalkをやってなかったらスルーするようなことも、これはRadiotalkで話せそうっていう目線で物事を捉えられるので、そういうのは芸人としての色んな活動に活かせそうだなって。

アチャ:すべらない話もすぐに試せるからね。

モネ:そうね。そういうのもあるんで、何かアンテナの感度を良くするためのきっかけにもなってるかなとは思います。

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