俺のラ帰雪牛

※ラ帰雪牛とは、VTuber「卯月コウ」が配信で幾度と話す「ラブライブのライブの帰りに大雪の中、長い距離を歩いた後に入った近所の牛丼屋で頼んだ並盛りが人生で一番美味かった話」のことである。


 コレというきっかけはないが精神を病んで2日間学校を休んだことがあった。ある朝、普通に歯を磨いていたら唐突に吐き気(恐らくストレスによるもの)に襲われ、そのままその日は学校を休んだ。親が仕事に出かけていって家に自分一人になった瞬間に原因の分からない涙が溢れてきた。いや、本当はわかっていた。周りとの格差による焦りと劣等感、日々そんなことばかりが頭にあった。そのことを考えながら一時間ほど声が伴うくらいの激しさで泣いていた。昼頃に泣き疲れて眠り、起きると時計はもう午後の6時を示していた。あれほど泣いたからさすがに少し気持ちが晴れていた。
 それでも翌日もまだ気持ちに整理がつかず、学校を休んだ。その日、母親は仕事が休みで気分転換に少し遠くのショッピングモールに飯を食べに連れていってくれた。そのショッピングモールはさらに遠くの大きなものと違って少し寂れた感じの物だ。母親とはその歳の学生にしては仲が良く普段からよく話していた。なんなら、学校に思うところがあった俺にとって気兼ねなく話せる唯一の存在だった。その日も同じように買い物をしながら何気ない会話をしていた。昼になり、俺たちはステーキ屋に入った。2人ともなんか知らんが1番人気と書いてあった肉150gを頼んだ。サラダバーとライス(おかわり自由)とスープを取り、肉の到着を待った。いざ届いた肉を口に入れた瞬間、久しぶりにちゃんと「食事」という物をした気がした。その頃しばらく、食事に対して「美味しい」という感情を抱けていなかった。しかし、その肉からは確かに「食事」を感じた。


ライスおかわりしてタレかけて食った。

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