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エストニア・キヒヌ島の話から考えた、夫の単身赴任

キヒヌ島の暮らし

私が最近ハマっている番組。BSプレミアムの『世界遺産 時を刻む』シリーズ。

先日の再放送、エストニアのキヒヌ島の話を見て考えたことがある。

キヒヌ島はエストニア沖10kmのバルト海に浮かぶ小さな島で、島の伝統的な暮らしはユネスコの無形文化遺産に登録されている。

キヒヌ島の伝統的な暮らしは、男性は漁に出て、数週間、数ヶ月も島を離れるため、島の仕事は女性が行う。そして女性たちは、赤を基調とした縦縞のスカートを子どもからお年寄りまで着用しており、年齢や心の状態、行事の意味などによって黒や青が多くなったり、より鮮やかな赤になったりするという。

観光シーズンは夏の間のみであり、冬は海が凍ってしまうため船での行き来はできなくなる。現代は飛行機があるが、古くからこの閉ざされた環境で、独自の文化を形成し、守り、伝えてきたのだろう
番組の中にも、厳しい自然の中でもたくましく生き抜く姿と、人とのつながりとがあらわれていた。

キヒヌ島の女性たちは、何でもできる
男性が漁に出てほとんどいないため、子育て、家事、地域活動などなど何から何までやる。
教会にも神父さん?がいないため、自分たちで歌を歌う。

番組ではとある女性が登場。
夫の息子も漁師で、去年はクリスマスをひとりぼっちで過ごした、ツリーも飾らなかった、でも今年は家族がそろって、涙がでるほど嬉しい、という姿がうつしだされていた。
すごくあたたかな光景だった。

また、その息子さんが地元の若者のつどいに顔を出した際に、みんなでを歌っていた。
あまり覚えておらず申し訳ないが、女性たちが、自分の夫や父親が漁師であることを誇りに思い、生きて帰ってこい、島は任せてといった内容だったように思う。

夫、単身赴任、4児ほぼワンオペとキヒヌ島の女性

こんないい話の後に、自分の話をするのは気が引けるが、ひとつ気づいたことがある。

我が家は、夫が単身赴任3年目で、しかも義父母と同居(こちらは9年目)という状況。義父母であるので、外向性の低い私はそれほどたよることもなく、4人の子どもをほぼワンオペしている。夫が帰ってくるのはかなり不定期で、月に2~3回帰る時もあれば、3ヶ月帰らないこともある。

夫が単身赴任というと、周りの人から「大変やな~」「私なら無理だわ」などなど、悲劇のように同情される。
「もう慣れた」とか「自分のペースで生活できるしいい」と言っても、「それでもほんとは寂しいんとちゃうか?」などと食い下がる世話好きなのか何なのか・・という方もいらっしゃる。
そして義母も「いつまでも家族がバラバラなんて、おかしいわ、このままじゃあかん」と言ってくる。

最初は、みんなが言うとおり「そうだ、大変なんだ」と思っていた
でも次第に、「あれ?大変じゃないかも」となり・・
「大変ってゆうか、これでいい」と思うようになった。
周りの心優しい人たちとの齟齬が生まれてきて、少し戸惑う。

もちろん大変なこともあるし、義父母との同居は今でも私にとっては悲劇だ。笑

だけど、
キヒヌ島の話をきいて、周りの妄想はどうでもいい、と思った。

「単身赴任」=「漁師」でOK。
家族のために役割分担しているだけ。
(私が稼ぐより、夫が稼いだ方が効率がいいという比較優位からくる)
キヒヌ島の漁師の妻のように「無事に帰ってこい」、「家のことは任せて」でいい。そして感謝する。家にいる私よりもリスキーな環境で働いているのだから。

ただの自己正当化しただけといわれればそれまでなのだが、
もっと前向きになれそうな気がした。
世界の事を知れば、思わぬヒントがもらえるものだ。

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