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【スポーツツーリズム事業会社とは、具体的にどんな仕事をしているのか?(ルーツ・スポーツ・ジャパン会社紹介①事業編)】

ルーツ・スポーツ・ジャパン代表の中島祥元(なかしまよしもと)と申します。主に自転車(サイクリング)やランニングなどの「公道スポーツ」を活用して、全国にDOスポーツの機会を創り、そして各地の地域活性化にも貢献するということを事業として展開しています。スポーツと観光を掛け合わせた「スポーツツーリズム」という領域です。

さて今回のnoteのタイトルは「スポーツツーリズム事業会社とは、具体的にどんな仕事をしているのか?」。最近、採用活動などもしており新しくうちの会社に興味を持ってくれる方もいるのですが、そういう方向けに「会社紹介」的な感じで書いてみます。

何本かに分けて書こうと思いますが、まずは今取り組んでいる「事業内容」について(6,000文字ほどになりました)。なお「自己紹介」は以前書いたことがあるので、もしご興味のある方はこちらもご覧下さい。

ちなみに、そもそも「スポーツツーリズム」とは、以下の図表のような整理ができます。これは10年前くらいの観光庁さんのもの。端的に分かりやすいのがこれかなと思ったので引用しました。

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この中で、僕の会社ではほぼ「するスポーツ」に関する事業をやっていて、中でも種目は8割が自転車に関すること、残りの2割はランニングとその他という感じになっています(自転車:ランの比率は当初は6:4くらいだったけど、ここ最近はどんどん自転車が増えています)。

■ 基本的な考え方・事業の「目的」

具体的な事業内容の紹介に入る前に。全ての事業に共通する基本的な考え方を、整理すると次のような感じです。

・スポーツコンテンツを通じて、日本全国に人を動かし、巡らせる
・スポーツする人(サイクリスト)に、ただカラダを動かす楽しさだけじゃなく、日本各地の「その土地ならでは」を感じる機会を提供する
・地域側には、全国や海外から多くのサイクリストが地域に訪れることで、いわゆる「経済波及効果」を生む
(つまり)
・「スポーツする人」と「地域」の両方に喜びを提供し、両者の幸せなマッチングを全国に創っていく

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「幸せなマッチング」を全国に創り続け、スポーツを通して「日本人の幸せの総量」を増やすことこそが「目的」であり、この図(↑)で言うところの「大型イベント」「アプリ開発」などは全て「手段」に過ぎません。「目的」は今後も変わりませんが、「手段」は随時アップデートしていきます。

ではここから、「手段」としての各事業の紹介を。1つづつ掘り下げると長くなるので、できるだけさらっと(それでも長くなったけど・・)。リンクをたくさん貼っておくので、興味のある方はリンク先まで読んでみて下さい。

■ 各事業内容の紹介

1.大型イベント事業

サイクリングや自転車レースなどのイベント事業。「ツール・ド・ニッポン」というシリーズ名称で全国横断的な展開をしていて、コロナ前の2019年は全国約20地域で開催しました。例えば、富士山一周120kmを走る「富士山一周サイクリング」や、あるいは石川県加賀市では「温泉ライダーin加賀温泉郷」等。

必ず“その土地ならでは”をテーマにして、サイクリング以外のそこでしかできない体験を提供するようにしています(加賀なら温泉、千葉県銚子市なら海、とか)。参加人数規模は大体500~3,000人程。2020年はコロナの影響で約8割のイベントが中止になりました。うちの会社と各地の自治体との「共催」という形で展開しています。

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2.スマホアプリ事業①:コースマップアプリ「ツール・ド」

大型イベント事業からスタートした後、2018年くらいに着手したのがこのスマホアプリ事業。イベント事業は、地域側にとってはどうしても「単日的」な誘客施策となるし、サイクリストの皆さんも「イベント以外」の遊び方を求めていた。そこでイベントが開催されていない時でも、自由に各地の魅力的なサイクリングを楽しむことができるこのアプリを開発しました。コロナ禍になってからは特に利用者も多くなり、現在登録コース数は約370、アプリのDL数は計約20,000まで増えてきました(まだ全然少ないけど・・)。

2020年に展開した全国横断企画の「サイクルボール-日本7大1周制覇の旅-」は、ありがたいことに多くの方に楽しんでいただきました(UU1万人弱)。これは日本の「7大1周」サイクリングコースを1つずつクリアするごとに1つの「サイクルボール(輪球)」がもらえ、7個全てを集めた者には「願い」が1つ叶うというギミック。今現在、シーズン2に向けてシナリオを練っているところです。

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つい最近は「音声ガイド機能」の配信をはじめるなど、随時改修・アップデートを進めています。

2.スマホアプリ事業②:位置情報アクティビティ「ライドアラウンド」

こちらは2020年に新たに開発しました(モバイルライフジャパンさんとの業務提携)。大型イベントや一つ目のアプリは、「サイクリングコース」にフィーチャーしたもの。せっかく新しい土地に来ても、決められたコースだけを走って帰るという方も多くいて、そうじゃない遊び方を提案したのがこちらです。

「ライドアラウンド」は走るコースが決まっておらず、地域内の「スポット」が無数に登録されている。スポット間を自由に走り、ポイントを獲得していくゲーム的なもの。スポットへの到着や、観光地や飲食店での行動(購買・飲食・写真撮影など)自体がポイントになります。「街がテーマパークになる位置情報アクティビティ」と名付けました。

こちらは2020年10月に開始後現在4つの地域で展開しています。今後も場所を増やしていくのと、あとこのアプリは自転車じゃなくても使えるので、ランニングやウォーキングなど近縁領域での展開も視野にいれています。

これ、サッカーとかバスケとかの地域密着型プロスポーツクラブの「ホームタウン活性化施策」としても使えるんじゃないかとか思うんですが、どこかのクラブでやりませんか?笑

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一つ目のアプリと合わせて、東京中日スポーツさんに大きく取り上げていただきました。弊社取締役のインタビュー記事「時流&脚光の新様式イベント」

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3.サイクリングガイドの養成(人材育成)

イベントやアプリ企画で人を呼び込むのもいいけど、地域側にも「専門人材」が必要だよね?というニーズに応えて、各地で人材育成事業もやらせてもらっています。具体的には、地域を案内しながらガイドできる「サイクリングガイド」の養成。

こちらも2017年くらいからはじめて、これまで全国で100名程の方に弊社の講座をうけていただいたと思います。インバウンド(外国人対応)に特化した講座や、魅力的なコースを創るための「コースクリエイター講座」など内容もアップデートしています。

4.サイクリングツアー/コース造成

で、サイクリングガイド養成とともに、当然自分たちでも「サイクリングツアー」の企画運営も行っています。例えば今度新しくはじめたのがこちら「ライドプレミア」というもの。これは「スポーツ・サイクリング初心者の方にも気軽に楽しんでいただける機会を創る」ことが目的で、カップルやご夫婦限定のツアー。色々、やっていきます。


5.キャンプ&サイクリング&アクティビティ

キャンプとサイクリングを組み合わせた事業も始めました。コロナ禍を受けた「アウトドア需要」へのチャレンジという側面もあります。茨城県かすみがうら市さんと連携して「かすみがうらライドヴィレッジ」という期間型のイベントを開催したほか、「かすみがうらアクティビティコミッション」という団体も新たに設立しました。

サイクリングに限らず、ウォータースポーツ、アウトドアレジャーなども活用して“いつ、誰ときても、遊べるアクティビティフィールド”を目指していきます。

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6.マーケティング調査/戦略策定サポート

各種マーケティング調査事業なんかもやっています。「スポーツで地域活性化」などの文脈で色々な会議に出て感じたことの1つが、「客観的なデータに基づく議論が少ないな」ということ。色々な方が色々な立場から「私見」を述べているのを見て(もちろん僕もその一人)、もう少し具体的な数字・データを元にした議論が必要で、そこから導き出した施策にチャレンジしてくほうがいいような気がして・・。

全国のサイクリストを対象にした「サイクリスト国勢調査」や、自治体対象の「サイクルツーリズム自治体調査」、それから「スポーツサイクルに乗り始めた“初心者”の方がどういう理由で途中離脱する(=やめてしまう)のか?」を明らかにした「エントリーユーザー離脱実態調査」等。ランニング領域では「新型コロナウイルス感染症禍におけるランニングイベントの動向に関する調査」も実施しました。

業界全体に役立ちそうなものは積極的に公開しているし、非公開で企業や自治体さんから依頼を受けることもあります。また調査結果を元にした「戦略策定支援」等も。こういうのは自治体でも、企業でも、施策決定の前にするのが良いと思ってます。

↓「エントリーユーザー離脱実態調査」の結果の一部。新規の獲得ももちろん大事なんだけど、「離脱を防ぐ」のもすごく大事だよね、という。

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7.受託事業(主にイベント運営)

ここまではほぼ自分たちが主体的にやっている事業で、それ以外に「受託事業」もやらせてもらっています。規模が大きめのモノを2つご紹介します。

■国内最高峰の国際自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン」
こちらは「市民参加型」イベントではなく、国内・海外のプロが走るトップカテゴリーのレースです。世界最大の自転車ローレース「ツール・ド・フランス」は皆さんご存じでしょうか?あれのいわば日本版。大阪から東京まで、全8ステージに渡って繰り広げられるロードレース。今年も5月に予定されているので、ぜひ皆さん観戦にお越しください。

僕たちが関わらせていただくからには、今後は観戦型のレースにおいても「地域活性化」に適う取り組みを提案していきたいと考えています。

■東日本大震災の復興支援イベント「ツール・ド・東北」

東日本大震災の復興支援を目的に、2013年より開催されているサイクリングイベント。Yahoo!ジャパンさんと河北新報社さんが主催。弊社では初回から大会運営を担当しています。テーマは「応援してたら、応援されてた。」

8.ランニング関連事業

長くなってきましたがもう少しいきます。ここまでは全てサイクリング関係でしたが、ランニングの事業もやってます。2案件をご紹介。

■高岡ねがいみち駅伝
僕の地元である富山県高岡市の中心市街地活性化のために、2012年から開催している公道規制型のランニングイベントです。高岡の若手経営者の皆さんらと一緒に実行委員会を組織し、開催。残念ながらコロナの影響で2020,2021と2年連続で中止の判断となりましたがまだ全然諦めていません。今色々と次の展開(2022以降)を練っているところです。生まれ育った高岡の街をスポーツで盛り上げる。

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■ホワイトリボンラン
公益財団法人ジョイセフさん主催の「ホワイトリボンラン」の運営を担当させせいただいています。3月8日の 「国際女性デー」に合わせ、途上国の妊産婦を支援するチャリティランニング大会。2021年は日本全国28カ所+onlineで約3,000人が参加されました。

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この他、年間で5件くらいのランニングイベントを主催または企画運営しています。ただ、最近は自転車関連の案件がドンドン増えて、ランニング系は比率が大分少なくなってきました。”選択と集中”をしたって部分もあるんだけど、もう少し増やしていきたいとも考えています。コロナ禍を経て「新しいカタチのランニングイベント」を立ち上げたい地域や企業などありましたら是非声をかけていただければ!笑

■ これからの展開

これからの展開を語るには、冒頭に示した「目的」に改めて戻る必要があります。僕たちの目的は「スポーツする人」と「地域」の幸せなマッチングを全国に創っていくこと。「目的」は変わらず、「手段」については、増やしたり強化していったりします。まだまだやるべき事やできることはめちゃくちゃたくさんある。

手段を増やしたり強化するというのは例えば以下のようなこと。

活動する「面」を増やす。僕らが今具体的に関係のある地域は、市町村数で言うと(過去に実績のあったところ)、せいぜい全国100市町村くらいでしょう。全国には1700の市町村があるのでまだまだ全然増やせます。エリア的にも北海道や九州はまだあまり進出できていません(九州は最近進めてますが)。

●活動している地域での取り組みを、今僕らが持っている手段で「深堀り」する。地域によっては、まだ「イベントしかやってない」ところとかもある。各地のニーズに合わせて、それぞれの地域での取り組みの深堀はまだ全然可能です。

・「手段の種類」自体を増やす。これは可能性は無限にあります。「スポーツツーリズム×地域活性化」を語るときに、今僕らが身につけている「手段」が全ての訳がない(これまでも、ニーズに合わせて新たな手段を開発してきたわけです)。これからもまだまだチャレンジできることは山ほどあるので、やっていきます。例えば今具体的に検討を進めているのが、アウトドアアクティビティに特化した施設の運営。それ以外にも。

・スポーツの種類を拡張する。今現在は意図的に「自転車」にかなりのパワーをつぎ込んで集中してるけど、それ以外のスポーツ種目へも拡張します。ただ、ぶらさないのは「道」や「街」を使うもの。ロード・スポーツ。ランニング、ウォーキング、アウトドアなどにも活動を拡げていきたいと考えています。

これらの領域は、いわゆるウィズコロナの時代においてめちゃくちゃ将来性が高い(=社会に求めらられる)分野だと常々思ってます。こういうのを書いてるだけで、僕は今、めちゃくちゃ「ワクワク」してきています。笑

■ 人材募集・協業先の募集

もうそろそろこのnoteの終わりが見えてきました。笑
最後に現在募集中の人材採用について書かせて下さい。これまで書いてきた事業を進めて行くにあたって、本当にありがたいことに今「人手が足りない」状況なのです

いくつかのポジションで募集を進めたいのですが、現状、必ず強化したいのが、各事業・案件を責任者としてコントロールする「チーフディレクター」です。ここまで紹介してきたイベントやアプリキャンペーン・各種プロジェクトをとりまとめ、リーダーとなって推進していく役。興味がある方がいたら是非下記のリンク先からご覧下さい。

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さらに「協業先」も随時募集しています!色々な方々との連携をぜひ模索していきたい!

例えばぱっと思いつくのが「全国の地方で地域活性化に取り組まれている方」、「各種事業の”運営”を手伝ってくれる方」、「僕らが持っている全国各地のネットワーク、あるいはスポーツ・サイクリング愛好家のコミュニティを活用したマーケティング活動がしたい企業さま」、「僕たちと一緒に面白い、新しい取り組みを考えてくれる企画会社さん」とか。

ここまで読んでいただき、もし我々の事業に興味を持っていただいた方がいたら、ぜひお気軽にご連絡下さい。

それでは、今日はこのへんにしておきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました!

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