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【宇都宮ブリッツェン】のスポンサーになりました。~自転車ロードレースチームを応援する理由~

ルーツ・スポーツ・ジャパン代表の中島祥元(なかしまよしもと)と申します。主に自転車(サイクリング)やランニングなどの「公道スポーツ」を活用して、全国にDOスポーツの機会を創り、そして各地の地域活性化にも貢献するということを事業として展開しています。スポーツと観光を掛け合わせた「スポーツツーリズム」という領域でもあります。

さて先日、プロ自転車ロードレースチーム「宇都宮ブリッツェン」さんのオフィシャルスポンサーとしての契約を締結したことをリリースしました。今回はそれについて書いてみます。

1.宇都宮ブリッツェンとは

宇都宮ブリッツェン(うつのみやブリッツェン)は、栃木県宇都宮市を本拠地とする自転車ロードレースのプロチーム。日本のサイクルロードレースを代表する、人気実力共に国内屈指のチームです。

宇都宮市は1990年にアジア初の世界選手権自転車競技大会ロードレースが開催された街であり、そのメモリアルレースとして1992年に創設された「ジャパンカップサイクルロードレース」は、現在でも国内最高峰、アジア最高位の1DAYレースとして位置付けられる存在です(残念ながらコロナで2年連続の中止が発表されました)。

そんな「サイクルロードレースのまち」宇都宮で、同市出身の(当時)現役選手であった廣瀬佳正氏が「地元でプロチームを設立したい」という夢の実現のため、チームを立ち上げたというストーリーはサイクルロードレースファンの間では有名。それまで企業単位のいわゆる実業団チームが主流だった業界の中で、”日本初の地域密着型自転車ロードレースチーム”として、2009年に「宇都宮ブリッツェン」として始動したのでした。

先ほど述べた通り、人気実力ともに国内屈指。「実力」を示す証拠の1つとして、まもなく始まる東京オリンピックでは、日本代表2名のうちの一人としてブリッツェンのエース・増田成幸選手が走ります(もう1名は、海外のトップチームで活躍する新城幸也選手)。

また個人的にスゴいなと思うのが、宇都宮での市民への定着ぶり。

↑昨年このツイートをみてビックリしたんだけど、日本全国見渡しても、サッカーJリーグ(栃木SC)とバスケットボールBリーグ(宇都宮ブレックス)と同等の扱いで、市街地の目抜き通りにバナーが掲げられる自転車ロードレースチームは恐らく他にない。

僕はバスケも大好きなんで、ブレックスアリーナでBリーグの試合を観戦したこともあるけど、会場に置かれていた宇都宮のローカルスポーツ誌でも、JやBのクラブと同じくらいのスペースでブリッツェンの記事が大きく掲載されていました。宇都宮は、国内で数少ない「サイクルロードレースが根づいている(根づき始めている)街」といっても差し支えないんじゃないかと思います。

2.応援する理由①~活動理念への純粋なる賛同~

そんな「宇都宮ブリッツェン」さんを僕らが”スポンサー”として応援させていただく理由。まず第一には、そもそもの活動理念への純粋なる賛同です。以下、ブリッツェンさんのWEBサイトより。

ブリッツェン理念

「サイクルロードレースをプロスポーツとして認知、定着化させることを究極の目標に掲げ」、「自転車を通じたスポーツ教育や安全への啓蒙活動、地域活性化活動などを行う日本初の地域密着型プロサイクルロードレースチーム」この活動理念に心から賛同します。

3.応援する理由②~弊社の事業との親和性・連携による相乗効果の期待~

弊社は自転車やランニング等の「公道スポーツ」を活用して、日本全国に人を巡らせ、そして地域活性化に貢献することを事業として行っています。僕らがやっているのは主には市民参加型の”DOスポーツ領域”。同じく自転車というツールを使い、”観戦型”のレースでの地域振興を掲げられているブリッツェンさんとの連携で、お互いに相乗効果を獲得できればよいなと思います。

ちなみに、2018年に弊社が観光庁の支援を受けて行った「サイクリスト国勢調査2018」によると、直近1年間で「サイクルツーリズム行動(生活圏でない地域を訪れ自転車で走ること)」をしたことのある人数は、日本人の全人口のうち20.3%いました。これは15-69歳の人口に当てはめると約1,581万人。内訳を細分化して「レース層」「サイクリングイベント層」「ツーリング層」まで絞ったとしても、その3つの合計で約120万人もいます。少なくともこの120万人は「DOスポーツとして自転車に乗る人」と定義しても良いと思います。また今回のコロナ禍を受け、アウトドアスポーツ全体が追い風を受けているのは周知の通りです。

サイクリスト国勢調査

(出典:サイクリスト国勢調査2018 https://www.tour-de-nippon.jp/series/topics/3718/)

一方で「観戦型スポーツ」としてのサイクルロードレースも近年注目は高まっていて、前述の「ジャパンカップ」は3日間でのべ14万人の、埼玉県で開催されている「さいたまクリテリウム」も、2日間で10万人の観客を集めています(いずれもコロナ前の2019年実績)。

しかしながら現時点では、DOスポーツとしてのサイクリストと観戦型スポーツとしてのサイクルロードレースファンは、必ずしも一致はしていません(乗るのが好きでもレースは観ない、という人も多い)。もう少しうまく連携して、お互いにファンを増やしていける仕組みが作れないかなと思います(簡単なことではないとは思いますが)。トップカテゴリーの認知と人気が上がれば、僕らの領域、DOスポーツとしての自転車も必ず盛り上がっていくはずです。

4.応援する理由③~「スポンサー」の立場になってみて、サイクルロードレースの価値を改めて考えてみたい~

3つめの理由はこれ。結局のところ「サイクルロードレースを企業や地域が応援する価値」とは一体なんなのか。どのようにすればそれを増やしていくことが出来るのか。実際に会社のお金を使ってその立場になることで、自分自身改めて、しっかりと考えたいと思いました。

弊社は通常の事業においては、イベントやプロジェクトを主催する側でいわゆる「権利元」。これまでも大小様々な企業様に自社事業へのご協賛をいただいてきており、それに対しどのようにして価値のある効果をお返しするか、ということを考えてきました。逆に、自社が「スポンサー」としてお金を出すという立場になったことはこれまでほとんどありません。

また今年は、国内で最高峰の国際自転車ロードレースである「ツアー・オブ・ジャパン(TOJ)」の運営会社も担当させていただきました。そしてTOJにおいても、もっと多くの人に観てもらいたいし、多くの企業や団体からも応援を得られるレースになって欲しいなと思っています。

多少なりとも、会社としてプロチームを応援・協賛する立場になってみて、「サイクルロードレースを企業が応援・協賛することの意味・メリット」について改めて考えを深めていきたいと考えています。そして新たなスポンサーシップや協業先を、自転車ロードレースにもたらしていくために

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(ツアー・オブ・ジャパン2021 WEBサイトより:http://toj.co.jp/2021/

5.スポーツの事業で頑張って利益を出して、地域スポーツを応援できる、そんな会社になっていきたい

ここまで、国内屈指の自転車ロードレースチーム「宇都宮ブリッツェン」さんを、弊社ルーツ・スポーツ・ジャパンが応援させていただく理由について書いてきました。

もう一つ自分の中で大きな理由があります。それは「スポーツの事業で頑張って利益を出して地域スポーツを応援できる、そんな会社になっていきたい」ということ。

自分がスポーツの会社をやっている理由・目的は、大げさに言えば「スポーツビジネスを通して、日本人の幸せの総量を増やしたい」ということです。第一義的には、スポーツを楽しむ人にとっての「気持ちの良い瞬間を感じられる機会」を増やしたい。そしてそれをもって日本中に人を巡らせ、いわゆる「地域活性化」を実現して地域の人にも喜んでもらいたい。さらには、それを仕事にする我々、社員や仲間達も仕事に喜びを感じ、安定的な報酬も得て、「スポーツを仕事に」しながら人生を謳歌できるような環境を整えていきたい。

まだまだどれも道半ばだけど、基本的に考えていることはそういうこと。そしてその文脈の中で、スポーツの事業を通して得られた利益を多少なりとも地域スポーツの応援に回せるような、そんな会社を目指していきたいと思います。今回は「プロスポーツチーム」を通してだけど、それ以外も。その好循環をうまくドライブできれば、結果的には自社事業にとってもプラスになるし、それをまた地域や社会、そして共に働く仲間達へも還元していけるんじゃないかと考えています。


ということで、今回はプロ自転車ロードレースチーム「宇都宮ブリッツェン」さんのスポンサーになったこと。その理由や今後目指していきたいことなどについて書いてみました。最後まで読んでいただきありがとうございました。

*注記:現在日本の自転車ロードレース界は、トップカテゴリーに「JCL(ジャパンサイクルリーグ)」「JBCF(日本実業団自転車競技連盟)」の2リーグが共存している体制となっています。宇都宮ブリッツェンさんはJCL所属ですが、弊社としてはどちらかのリーグを応援する立場になく、両方共にうまくいってほしいなと考えています。

*Twitterでは「スポーツツーリズム」「スポーツ×地域活性化」分野での日々の気づきや情報、またスポーツビジネス経営者としての日常等を発信しております。

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