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研究活動をステークホルダーと加速する「academist Prize」の狙い

academist Prize、第2期始動!

本日より、academist Prize 第2期がはじまります(プレスリリースはこちら)。選ばれた12名の研究者・大学院生が研究活動を継続発信し、自身の活動のサポーターを募るプロジェクト。四半期ごとに開催予定のハイブリッドイベントでは、総額100万円のアカデミスト賞に加えて、10万円の企業賞を受け取るチャンスがあります。

もともとacademist Prizeは、月額支援型クラウドファンディングの支援総額の拡大を目的にスタートしました(以前のnoteもご覧ください)。試験的にはじめた取り組みでしたが、1期生とのコミュニケーションを通じて、academist Prizeが同世代の研究者間の交流を生み出したり、企業との接点構築につながったり、メディア露出の機会を得たりなど、金銭面以外にもさまざまな形でチャレンジャーの研究活動に影響を与えていることがわかりました。これこそアカデミストのミッション「研究者がいきる、私たちがつなぐ。」を体現する仕組みだと思い、第2期の開催を決めました。

50名による一般投票審査を実施

第2期を構想するなかで、1期生の渡部さんから「月額支援型クラウドファンディング開始前から多くの方々との接点ができれば応援してもらいやすくなるはず。審査の段階からサポーターの方々に入ってもらうのはどうでしょうか。」という旨のコメントをいただきました。academist Prizeの目的は、多様なバックグラウンドを持つ人たちに研究を応援してもらうことで、そのためには研究のVisionを伝える機会を増やすことが重要です。素晴らしいアイデアでしたので、第2期では一般投票審査を導入することにしました。

一般投票審査では、academistで支援経験のあるサポーター50名(大学教授、企業研究者、エンジニア、デザイナー、経営者、新規事業担当者、医療従事者、マーケターなど)がacademist Prizeの提出物である「研究提案書」と「60秒動画」を閲覧。そして、予算10,000円(10ポイント)を自身の応援したい応募者に振り分けます。1名に10ポイントを配分することも、1ポイントを10名に配分することも可能です。最終的には応募者たちに合計500ポイントが配分され、先日Twitter Spaceで発表したように全体の順位が決まりました。投票者のモチベーションも「社会課題解決につながりそうだから」「知的好奇心をくすぐられたから」「ニッチな研究テーマだから」などさまざまで、チャレンジャーへのコメントも多数いただきました。

パイを奪い合うのではなく、パイを広げていく

当初は、ポイント数の多い上位10名をチャレンジャーとして決める予定だったのですが、今回は全員採択としました。

1つ目の理由は、上位にランクインしていない応募者に対しても数名の方々が高いポイントを配分していたためです。50名の中に高いポイントを配分する方がいるということは、研究活動を10ヶ月間発信し続けることができれば、研究を応援する人たちは増えていくはず。ニッチな研究テーマを広めることは academist 設立時からの重要な役割でもあるため、総合得点を根拠に不採択者を選ぶ理由はありませんでした。

2つ目は、academist Prizeは有限リソースの獲得競争ではないということです。賞金こそありますが、チャレンジャー全員で研究の応援団を増やしていく、つまりパイを奪い合うのではなくパイを広げていくことがプロジェクトの本質です。全員採択により2期生の結束を強めるほうが、プロジェクト全体の盛り上がりにつながると判断しました。(応募者数が増えると判断も変わるため、初期だからできることかもしれません。)

研究リソースの多様化と拡大を

academist Prizeのねらいは、研究者とサポーターだけにとどまらず、研究者と研究者、研究者と企業、研究者と省庁関係者、研究者とメディアなど、研究者が多様なステークホルダーとの接点を構築し、研究活動ひいては社会全体を豊かにするきっかけをつくることです。研究者が日ごろの研究活動を通じて専門分野の理解を深めることと同じように、academist Prizeを通じて社会全体の理解を深めることは、研究活動に意味あるフィードバックをもたらすはず。私たちの仕事は、チャレンジャーとステークホルダーのコミュニケーションを設計することですので、第2期もいろいろ仕掛けていきたいと思います。

アカデミストのミッションは、研究者たちが「いきる」ように多様なステークホルダーをつなぐことです。2期生たちがacademist Prizeでそれぞれの成功を収め、3期生たちに良い形でバトンを渡せる仕組みをつくりながら、ステークホルダーと共に研究活動を推進する方法論を探っていきます。

2期生のみなさん、10ヶ月間よろしくお願いいたします!

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