伴走DX「iTanto(アイタント)」誕生秘話
こんにちは、iTantoチームの前田有紀です。
2022年2月より現在は産休・育休を頂いておりまして、2023年春から復帰を予定しています。
今回は私の視点からiTanto(アイタント)の誕生秘話を綴っております。
いざこの”誕生秘話”を書き始めてみると、色々な素敵なお客様との思い出と、そしてここに辿り着くまでの山あり谷ありの道のりが蘇ってきました。(涙)
少し長文となっておりますが、よかったら読んでみてください。
入社当初、すぐに感じたロケットスタートホールディングスの個性
iTantoという”kintoneの伴走支援サービス”はロケットスタートホールディングス(以下、ロケスタ)で働くメンバーが共通して持つ”想い”が詰まったサービスです。
iTanto公式ページ:https://itanto.rshd.co.jp/
“お客様に対して、熱い情熱を持っていること”。
”お客様に対して、自分が一緒にどうにかしたいという想い持っていること”
これらの想いは、ロケスタの個性であり魅力だと私自身思っています。
ロケスタではキックオフという場があり、メンバーと対話をしたり発表をし合う場があります。私が入社後に初めて参加したキックオフで、メンバーたちの発する言葉にとても刺激を受けたことを覚えています。それは、共通してお客様への熱い想いに繋がったものだったからです。
「お客様に対する情熱、そして一緒にどうにかしたい、そのために考える」
前職でも直接お客様と対峙することが多かったため、私自身も「そのために考える」がいかに大切で、やりがいがあるかを知っていました。
こんな風に「考える」ことが不思議と苦なくできるメンバーたちに強く共感し、そして私にとってはITを仕事にするという新たなキャリアを築いていくことにワクワクしたことを覚えています。
入社当初から現在まで、IT事業部(現、DX事業部)の一員として働く中で、この個性となっている想いは自分も、そしてメンバーも変わっていないものだと思っています。
だからこそ、出来上がったサービスが「伴走支援サービス」というカタチであり、具体的なサービスの方向性や手法、内容についてはここからお話する課題感をどうにかしたいというところから始まっています。
お客様と対峙していく中で得た2つの気づき
【CASE1】※2017年当時kintoneのJSでの構築支援を行ったケース
お客様の声:「●●なケースもあったので、やはりその場合は●●なるようにできないんですか?」
ロケスタエンジニア:「こちらは当初確認をした上で、構築させて頂いたので、、、」
入社後に同席した、納品間近なタイミングでの商談にこんなやり取りがありました。
私にはエンジニアのバックグラウンドはなく、「開発」という言葉が当時はほど遠かったため、必死に「確認しますので、お待ちください。」を何度言ったことでしょうか。
その中で社内のエンジニアからの回答を自分なりに解釈してお客様に伝える、そしてお客様からの要望を改めて受け止めていくという作業の積み重ねを繰り返しました。
よくよくご担当者様のお話を聞いてみると、ご自身がシステム開発自体、そしてプロジェクトリーダーとしても初めて携わる方でした。よってその方にとっても「システム開発における要求や要件定義」という作業自体が初めてで、非常に労力もコストもかかるものだったのです。
また、さらに会社の場合は現状の業務の運用のシンプルな置き換えだけではなく、運用のルール追加や変更になった際にどうするかまでを考えなければなりませんでした。よって冒頭に書いた会話のようなシチュエーションが起こってしまうことになったというケースでした。
私には社内のエンジニアの話も分かりつつですが、当時はよりお客様側の気持ちに強く共感していました。
ここから私が得た1つ目の気づきは、システム開発において最重要とされる「要求定義(※1)・要件定義(※2)」は、開発をする側だけでなく、お客様のご担当者様側にとっても”難しさ”が残るものだ ということです。
※1要求定義:要件定義の前に定めるもので、システムを利用する側が行うもの。具体的にはシステムの開発に向けて現場の業務整理を行い、その上でシステム開発の目的、および何を実現したいかをまとめる工程のこと。(全てがシステム構成に落とし込まれるものではなく、要件定義に向けた土台となるもの)
※2要件定義:システム開発において、仕様を定義すること。システム開発を行う側がユーザー必要な機能や要件、および運用の検討を行い、具体的な手段や予算、スケジュール等をまとめる工程のこと。
【CASE2】※2017年 飲食店向けにリリースしていたkintoneの拡販の商談のケース
お客様の声:「とても魅力的なツールなんだけど、、、うちにはリードできる人材がいないんだよな、、、入れられたら本当に良さそうなんだけどね。。」
飲食店業の幾つかの業務フローをkintoneをプラットフォームにパッケージしたサービスをリリースしていました。ロケスタは元々は採用からスタートした会社であるため、「働く人」にフォーカスし、店舗毎や人毎に”生産性”を可視化できることが特徴でした。
導入された飲食店様たちからは、「本部指示ではない店舗同士の自発的コミュニケーションが活性化された」、「店長同士のライバル意識が出てくるようになった」、と変化や効果が生まれ、今はもう手放せなくなっているとご好評の声があります。
このような事例のお客様のようになることが理想だと願われる飲食店様は多くありましたが、実際に導入に至るための「人のリソース不足問題」と言われることが多々あったのです。
ロケスタは求人広告事業(採用)からスタートしている会社のため、kintoneのお話を飲食店業、そして小売店等の各種サービス業種のお客様と商談をすることが多くあります。
このようなサービス業種こそ、紙やExcel等での共有や管理をしている状態が多く、IT化が進みづづらいと感じていらっしゃる経営者様が多いかと思います。私はこのようなお客様たちとの商談をするたびに、何とかできないのかな。。。と本当にもどかしい気持ちになりました。
お客様の声の通り、2つ目の気づきとしてはサービス業種の経営者の方々は誰しもがIT化を進めなければいけないとご認識はされているもの。しかし、それを本腰を入れてリードする人材が配置できないと思われている。ということです。
日々、たくさんのお客様と対峙する中で上がってくる声、そして何度か同じような2つのケースに直面し、改めて2つの気づきによりやるべき課題感が浮き彫りになってきました。
ロケスタの個性を持ってやるITでは、このようなお客様にとってより身近なサービスにしたいということがiTantoの具体的な内容に繋がっていきます。
エンジニアでないキャリアの私ができること
前述の通り、私は開発を主としているエンジニアではありません。ロケスタへ入社してからkintone自体も学んでいます。そんな私がkintoneを様々な方法で情報収集しながら学び始めると、とても面白いものでした。
まずは自分が主に関わる社内業務部分で、kintoneの毎月の商品別、サービス別、顧客別での売上げを共有できるようにしたりしました。次に、管理すべきお客様マスターを作成し、商談履歴、契約状況、売上状況、などお客様の情報を一元的管理できるようにしました。
エンジニアでない私でもノーコードでロジックを考えるだけであっという間にシステムができていくことを体感しました。
少しずつこんなkintoneの知識・知見を身につけつつ、お客様とのkintoneの商談やフォローに関わっていました。お客様からは「今はこういう使い方をしていて、、もっとこうしたいんだけど」や「今後こういうことも分かりやすく管理していきたいんだけど、、、」というご相談の中では、kintoneでは「開発」を入れなくても、意外に運用やシンプルな設計でできるケースが多かったのです。
これは私が開発者前提ではない視点で見ていたからなのかもしれませんが、そうするとお客様も「そいういうやり方もあるね」と気づきを得て頂くことがありました。
私がそんな風にkintoneにおいて、スムーズにお客様の対峙ができたのは、前職11年の人材業界が実は活きていました。何千・何万という会社、業種や業務、そして人を見てきており、各事業や各業務をそれぞれ管理する上で何を把握し、可視化することが大事か、という点を知っていたことが業務をロジックに落とすという1つ大きな武器になっていました。
私だからこそ、そういう開発優位でない考えというのが、活きていくようになってきて改めて思うのは、それが実はkintoneを選ぶお客様の目線に近いのだということでした。
少しずつ信頼を得るチーム ロケスタDX と iTantoの誕生
日々お客様に対峙しているロケスタのIT(DX)チームは皆、それぞれ面白いほどにキャリアが異なっています。例えば、エンジアリングに詳しいメンバー、業務に明るいメンバー、お客様対応が好きなメンバーです。
このメンバーの動きは私のイメージでですが、サッカーの試合のフォーメーションのように近いのかもしれません。あまりサッカー詳しくないのですが、戦略や戦術によって配置や陣形が幾パターンにも多様に変わるという点でです。
私たちのキャリアの違いが、ご要望を前提にではありますが、それぞれのお客様にとって本当に何がベストなのかを皆が考え、自然と動くことができるようなっていきました。
そして、ここから1社1社お客様が増えていく中で、私たちチームが強みとしてできること、そして今お客様へ向けてやるべきことを見つけ出すことになりました。
それがiTantoで現在行っている具体的なサービス内容になっています。
●柔軟なシステムとなるべく、kintoneにおいてはプログラミングを最大限減らして、プラグインや連携サービス等の活用でのサポートに注力する方向にシフトすること
●kintoneの導入だけでなく、社内での定着や活用自体を支援していくこと
なぜなら、お客様の多くは前述のケースにもあるようなの2つ気づきを得たケースのような方々だったからです。
・システム開発において最重要とされる「要求定義・要件定義」はお客様のご担当者様側にとっても難しさが残る、敷居高く感じているケースがある
・サービス業種等でIT化を進めたいけれど、人リソースを配置することが難しい
私たちは【CASE1】のようなお客様に、最大限自走して頂けるようプラグインのご紹介や活用のご支援を行うことで開発の要件定義の時間、コストをご自身で作って頂く時間にあてて頂くこともありました。
また、基幹システムとの置き換えのため必要な開発までは行ったが、より社内でkintoneを浸透させるためにもっとkintoneを使いたいというお客様にはシンプルな使い方をフォローさせて頂いたりもしました。
また【CASE2】のようなお客様には、kintoneの基本操作説明から簡単なアプリの作成代行、そもそものインターフェイスをより馴染みやすく構築し、定例MTGで進捗を確認しながら一緒に伴走させて頂いています。
こんな風にお客様ご自身に成長して頂くことが何より柔軟なシステムが設計でき、かつ社内の定着へ繋がるということが私たちの信頼に繋がってくるようになりました。そして、私たちの個性であるお客様に対する熱い想いを込めて、iTantoの誕生と至りました。
iTanto のネーミングに込めた想い
iTanto(アイタント)には①「 iT Tanto(アイティーたんとー)=IT担当」と②「愛 ”Tanto”(イタリア語で たくさんという意。=愛がたくさん」という意味があります。
産休・育休中 外からiTantoを見守る立場に・・・
2021年、このiTantoというネーミング、具体的なサービスコンセプトもまとめていくと同時に、ありがたいことにさらに新規のお客様もロケスタと関わらせて頂けるように成長していきました。
そんな山を登り始めたところで、私は産休・育休を取得するために一時的に業務を離れることとなり、ちょうどサービスとしても成長してきたタイミングであったため、寂しさもあり、という複雑な心境でした。
今は少し離れたところから見守る立場にありますが、一緒に伴走で入らせて頂いていたお客さまのkintoneスキルがさらに進化したり、業務改善が進んでいる、という話を聞いたりすると本当にとても嬉しく感じます。
そして、何より私たちiTantoの「kintone伴走DXサービス」が必要とされていて、受け入れられているということが離れていても感じられ、早くまたお客様とお話したいという気持ちでいっぱいになります。
これからのiTantoがさらに目指すところ
ロケスタのパーパスは「働く人の未来をしあわせにする」です。
そんな働く人の未来をしあわせにする、ための気づきをiTantoは今はメインとして「kintoneユーザー向けの伴走DXサービス」としています。ゆくゆくはkintoneだけに特化せずに、デジタル化全般の伴走を軸としながら、チーム、会社というものがよりよくなる、そして新たな気づきを得るお手伝いができたらと思います。
さらに、そのチーム、会社という組織を作り上げる「人」たちがしあわせになれるような働く世界・働く環境をつくるような存在
そして、私のように全く違うキャリアからも今はDXというものに関わっている。
ただあるのは、「人や企業の役に立ちたい」という想い。
そいう想いを持ちながら、DXをやっていくことは自分のキャリア形成にもなっていると思う。
そんな想いに共感してiTantoをさらに広めていけるメンバーも増やせて行けたら嬉しい。
株式会社ロケットスタートホールディングスのITチームはkintone導入後の伴走型サービス「iTanto(アイタント)」をご提供しています。
kintone 導入後の、さらなる強化・活用についてお困りの方は、お気軽にご相談ください!