原作クラッシュ

皮肉なことに構造として、
脚本家を執拗に叩き続ける人たちは
自らが批判している"原作クラッシュ"状態を自らで体現している。

原作クラッシュがおきるのは、
陳腐化されたものでないと近寄り難い、楽しめないというのが往々にして大衆というものであり、それを相手にビジネスするのがマスメディアというものだからだ。

脚本家やアレンジャーという職業自体や個人による問題ではない。

そうした自分自身も成員となっているエンタメビジネスの構造や、
リスペクト、契約履行、組織、コミュニケーションといった様々な要素が混在する出来事に対して、

"原作者vs脚本家"という狭く単純化した認識しか持てず、罵詈雑言を世にリリースする、
これもまたこの出来事(原作)を陳腐化(クラッシュ)している。

仮に、特定の誰かの性格が悪かったり、過失があったのだとしても、その一人だけの責任に帰するような単純な出来事ではない。

原作クラッシュを嘆くのであれば、
原作の素晴らしさやメディアミックス作品のどこが駄目だったかについて誠実に評しながら人と語り合ったり、
自分が質が高いと思う小さなメディアをより応援してみたり、もっと有意義なやり方があると思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?