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文章術の本を読んで、本当に文章は上達するのか?!(文章術本実践20)

チャプター20は、名文を書き写す、真似る


チャプター1

チャプター19


アメリカンコーヒーゲーム

喫茶店の入り口で僕は、バスケットボールのことを思い出していた。十代の時の部活動のことをだ。フリースローを順番に行うという練習をよくやった。一人ずつシュートをして、誰かが失敗するまで続ける。何人連続で成功するかを競うのだ。長く続けば続くほどいい。ただ、「記録を途切れさせたらどうしよう」というプレッシャーもだんだんに強くなっていくので、厄介だった。意外に僕は、そういう緊張感を、集中力に変えるコツをつかんでいて失敗が少なかった。試合には出られなかったくせに。

で、今は喫茶店のレジの前で同じような気分になっている。

十人近くの客がずいぶん前から並んでいるのだけれど、先ほどから誰も彼もが、同じ注文を繰り返しているのだ。

「お次のお客様のご注文は?」

「アメリカンコーヒー」

「お次のお客様のご注文は?」

「アメリカンコーヒー」

このやり取りがリズミカルに五人ほど続いていた。実に心地よかった。

ああ、これはあの時のフリースローと同じだな、とすぐに分かった。一人一人が失敗をせず、ルールを守り、行為を繋げていくという意味では、あのシュート練習と同じに思えた。世の中には時折、こういうゲームが予告なしに現れる。


伊坂幸太郎エッセイ集、3652より「アメリカンコーヒーゲーム」


全部書いちゃうとアレなんで、後半のオチが知りたい方は是非エッセイを手に取ってみてください。


書き写すにあたり、村上龍と伊坂幸太郎の二択だったんだけど、ただでさえ文章を書くと批判的なことを言いがちなので、せめてポップ感のある伊坂幸太郎にしよう、と。

そう思うと村上龍の影響をかなり受けてるな。


改めて書き写してみると、

ムダのなさ、

テンポの良さ、

短い文章でも読者をグッと惹きつける構成、


ベストセラー作家と比較すること自体が超絶おこがましいんだけど、素直にトップレベルの人はスゴイんだなぁー、と感心。


もっと文章を読んで、パクる!

折り返し地点での結論ですw

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