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テレビ評 ドラマとリアリティ

noteを書こうとしていたら、テレ朝の深夜枠の中で、Abema TVで放映している「恋愛ドラマな恋がしたい」というプログラムの特番を流していた。https://abema.tv/video/title/90-1005

若手の役者である男女8人が恋愛ドラマを撮影しながら本当の恋をするという内容で、主役に選ばれた男女が演じる台本には毎話キスシーンが用意されるというプログラム。20・30代女性の視聴数が高いという触れ込みだったが、内容を見て何か納得してしまった。お台場局のテラスハウスやあいのりが、仕込みのタレントなのに「素人」という体で男女の恋愛観察を売り物にするある種あざとさに比べると、初めから役者を使って、ドラマとその撮影の裏側を見せているテレ朝・Abemaの企画のほうが、見ていて引き込まれるものもあるし、展開も面白く感じた。

このプログラムを見る前に、書こうとしていたのは、同じテレ朝で放映中の「やすらぎの刻 道」についてである。

https://www.tv-asahi.co.jp/yasuraginotoki/story/0020/

自分は朝のBS朝日で見ているが、前作の「やすらぎの郷」以来、石坂浩二と浅丘ルリ子の元夫婦、石坂と加賀まりこの元恋人というキャスティングもさることながら、フィクションのなかに、石原裕次郎や三島由紀夫、美空ひばりといった実在の人物の話が織り込まれて、時折リアリティが顔を出すのが、このドラマの飽きさせないところだ。そして、架空の人物についても、何かしらのモデルをイメージしながら倉本聰が書いているのでは、と想像を掻き立ててしまう。先週のやすらぎの郷の一部メンバーが、乃木坂テレビの開局記念の番組に呼ばれて、お笑いスターの態度に激怒して乱闘騒ぎに発展するシーン。木下ほうかが演じた殿と呼ばれる「豊臣家康」なるお笑いスターと軍団と呼ばれるタレントたちは、20年~30年くらい前のビートたけしとたけし軍団と、自分は想像してしまった。しかも、乱闘の借りを返そうとやすらぎの郷に殿と軍団が徒党を組んで向かうシーンは、たけしと軍団のフライデー襲撃事件を彷彿させる。なおかつ、それを阻止しようとしたのが、たけしの映画の常連、白竜扮するやくざというのも笑わせる。まあ、たけしや軍団メンバーも、やすらぎの郷の入居者に近い年齢に差し掛かりつつあるのだが。やくざが藤竜也演じる秀さんに憧れて云々というセリフも、やくざと芸能界の切っても切れない関係というリアリティを感じさせて何ともいえず、誰がモデルかと想像してしまうのだ。恋愛ドラマな恋がしたいも、やすらぎの刻もリアリティの良さが見るものを引き込む。今後がまた楽しみである。

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