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書評 終わりなき日常を生きろ 宮台真司

随分、昔にしたツイートがリツイートされていて、なぜかと見たら、宮台真司先生が検索トレンドに上がっていた。どうやら処理水絡みの発言の無知ぶりが話題になったようだ。

個人的には、宮台先生は若い頃に結構好きで本も読んだし、イベントがあれば話を聞く機会もあり、実際に質問して割ときちんと答えてもらった記憶がある。この本はオウム事件の最中に緊急出版され、オウム信者や当時の若者世代の一部にあった「世界の終わり」幻想のようなものは来ないとのコンセプトに立ち、「終わりなき日常を生きる」ことを強く説きつつ、オウム事件を機に出てきた西部邁など、いわゆる古い世代の識者の言説の無意味さを強調した内容だった。それから世紀は変わり、2020年代前半に入ったが、宮台先生の近年の動向を見ると、あまりアップデートされていないのだなというのが正直なところ。フィールドワークで、女子高生の声を集めて、それなりに分析していた茶髪な宮台先生は斬新だったが、いまはただの老害の域を出なくて、残念な限り。

#書評 #宮台真司 #社会学