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夢の中で死にたい私

泣き叫んでいた
家のベランダから飛びおりたくて
母がそれを懸命に止めていた

まだ私の中にこんなにも突き刺すような
深い悲しみがあるのかと目覚めた時に震えた

悲しみという成分を小さな小さなカプセルに閉じ込めて、一飲みしたような鋭く濃く硬い痛み

夢の中の私は
感情が暴れ回るのをただ傍観しているだけだった
相手が不快な思いをしているのが分かっているのに、どうしようもなく溢れてくる黒い言葉や想い

それまで鳩でも飛んでいそうな青空だったのに
急に世界が灰色一色に変わってしまうような
何かたった一つの些細な出来事で私の世界は色褪せてしまう

感情がジェットコースターの毎日は常に綱渡り状態だったことを思い出した

死に向かって走るのは、全ての攻撃的な眼差しが自分というただ一点に向けられ、そこから必死で逃げるために自分の存在を消そうと試みるからだ

文字通り自分を殺したくなる

その感覚をヒリヒリと残したまま目覚めた
なんだか懐かしい感覚だった

遠い昔のことのような
すぐ近くにある未来のような

飛び出したベランダから見える空は
この世から消えたい私には美しすぎた

死にたいと泣き叫ぶ私の中で
唯一、客観的に冷めた目で
「なぜ、こんな美しい世界なのだチクショウ」と思いながら「生」に留まろうとする私がいた

多分ずっとこのチクショウという感情が私を生かしてるのだ

どうしたってシンドイ世界の中で何か美しいことがあって
チクショウチクショウといいながら
どこかで死にたい私を愛でながら今日も私は生きているんだね

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