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組替えは災いの元

宙組公演が再開する。この期に及んで110周年記念作品に執着するのは微妙な気持ちになる。ただショーのみの割引公演はお試しサービスのようで、初めての宝塚に勧めたい。様々な心情を察すると否定派はバッサリ諦め、新規狙いに切り換えるしかないだろう。


遺族と仲良しなら、やりたい放題、言いたい放題。酷い身勝手もスルー。

一方故人が悪口を言っていた相手には否定も反論も許さず、無理難題を押し通した。モヤモヤは残る。

また合意による問題点も浮上してきた。


25歳娘役の転落死遺族と宝塚歌劇団の合意書は、公式HPに掲載されている。

そこで(5)「被災者が組替えを求めたことに対しこれを無視したこと」がパワハラとされた。

以前の「責任感ゆえに退団しなかった」という遺族のコメントと矛盾するが、それはそれとして。

故人の組替えは聞き入れずとも、トラブル相手の天彩峰里は月組に移動予定だったはずだ。


104期105期が少ない月組新人公演を危惧したとは思うが、故人の要望による移動だったので中止にも思える。月組トップ娘役にする予定でなかったなら、加害者の移動という対処はあってもパワハラとされたのだ。

当時はパワハラを全否定しながらも、加害者側を移動させるのは手厚い配慮である。組替え娘役の2番手格より、生え抜きの故人を優先していたといえる。


(次期月組トップコンビのプレお披露目演目で「だいきほ以来の歌うまコンビ想定=本来は天彩峰里」イメージがついてしまった。

払拭のためにも『ファントム』や『パリピ孔明』のような歌姫作品は避けて欲しい。)


組替えにリセット願望を託すタカラジェンヌは多いのだろう。

ただ遺族との合意書(4)「宙組幹部4名が被災者を会議室に呼び出したこと」については、(12)~(14)にある「被災者に落ち度がないにもかかわらず」という文が無い。つまり呼び出されるだけの落ち度、文春へのリークは会議室で認めていた。


週刊文春はヘアアイロン記事の直前に「真風涼帆による星風まどかへのパワハラ」を記事にした。普通に考えたら(102期の妹等家族含め)故人側のリーク、それも復讐するための餌か、被害者が疑われるかを試したことになる。

どこまで認めたかは不明だが、トップスターを売ったと思われた時点で受け入れる組は無いだろう。

オリンピック閉会式についてもリークはあったので、違約金レベルの疑惑もあるのだ。


組替え先でトラブルがあればまた文春に売ると想像される。はっきりそういえば、それも文春に売りそうだ。何も言えなくなるだろう。

しかし無視をパワハラとされた以上、どんな希望も全て聞いて対応しなければならなくなる。プロデューサーの過重労働は避けられない。

他組より10人以上少ないことを指摘されているが、宙組への移動も求めにくくなる。なかなかの枷になりそうである。


「内部で上手くやってるはず」という神話は崩れ去った。客観的に安心出来る対処が必須だが、特に無いまま新人公演も完全復活する。104期以下が各組1人2人……ゼロになる可能性は高い。

104期105期が少ない月組から、さらにきよら羽龍を出そうとしていたのだ。新人公演への配慮不足は一目瞭然である。

「次は月組新公が危ない」「宙組の二の舞になりそう」なままでは、不安が募るばかりだ。


遺族は今後の新人公演とは関わらない上、劇団としては文春にリークという特殊事例ありき。現実的な運用を考えた合意書ではない。しかし世に出した以上、一般的なパワハラ事例と同等に扱われるだろう。

それで新たな犠牲者を生んでは本末転倒過ぎる。


そもそも天彩峰里が星組生のままなら、夢白あやが宙組103期として残っていれば起こらなかった悲劇のはずだ。

安易に組替えするのではなく全員生え抜きにするつもりで、配属時にしっかり考えて欲しい。


組替えドリームの否定は急務だ。現状の綺麗事でまとめるスタンスでは、悪化しかみえない。

「組替えは辛かった」「生え抜きになりたかった」と当たり前に言えるのが健全な組織である。

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