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「何をしたいかわからない病」元・罹患者が、戦コンから採用スタートアップに飛び込んで市場の課題に取り組んでいる話

こんにちは。株式会社HERPで事業開発やセールスを担当しています、河井と申します。(HERPは、採用管理ツールのHERP Hireと、タレントプールサービスのHERP Nurtureを現在提供する、採用2.0の実現を目指しているスタートアップです。)
2020年8月に入社してからかれこれ半年がたったタイミングということもあり、
前半は自分がHERPというスタートアップに入社するに至るまでの意思決定の自己開示と言語化(および入社して実際のところどうだったのか)
後半は今自分が思っている『採用市場』に対する考えを書いていこうかと思います。

HERP入社にいたるまで ー何をしたいのかわからない病の克服ー

それまでの人生
大学では学生演劇ばかりやっており、新卒ではマッキンゼーに入社しました。ペーペーのアナリストからプロジェクトチームのマネジメントまで一通り経験させていただいたのですが、扱っているイシューの大きさ・一緒に働く人の優秀さなど、これ以上なく恵まれた職場だったと今でも思います。
また途中で1年間休職、嘱託社員として総合商社の食料関係の事業部で経営企画も担当し、それまでクライアントに提案してきたような業務を実際に事業会社の中で実行する機会もいただきました。

一方で、経営コンサルタントとして企業課題解決を極めたい、であったり、PEファンドに転身して投資とバリューアップのプロになりたい、であったり、数年後には起業して社会を変えたい、といったような明確な将来像を持っている同僚が周囲にたくさんいた中で、自分にはそういった確たる目的がありませんでした。「結局自分は人生で何をしたいんだろうか、何を成し遂げたいんだろうか」という問いがもやもやと常に頭の中に渦巻き続けます。いわゆる?「何をしたいかがわからない病」といったやつですね。
新卒で経営コンサルティングファームに入ることを選択したのも、商社に1年間身をおいたのも、「多様な業界・経験を積めそうだから」「優秀な人と働けるから」「選択肢が広がりそうだから」といった理由でした。
(今思うと、この問いに常に向き合う必要がある、自分の人生は自分で切り開かないといけない、というマインドセットを強く持てたことが、ファーストキャリアでマッキンゼーに入った一番の財産だったと考えています。)

結局アクション量と思考量が足りなかった
上記のように何もアクションせず、ただ頭の中がもやもやしている状態というのは、

ただ悩んでいるだけで、まともに考えていない
生産的に考えるためにはとにもかくにも言語化とアクションが必要

ということは、新卒から散々言われていたことだったので、それを自分のキャリアについても(キャリアチェンジするかしないかにかかわらず)実践しよう、とようやく思い立つことになります。

具体的にはインプットとして、それまであまり手を出してこなかったビジネス書も読んでみたり、2ヶ月弱で3−40人くらい(はじめましての人含め)仕事外でお会いして話をしたりしました。
また、上記のインプットや当時のプロジェクトから考えたことを自分なりの洞察をテキストエディタに毎週末アウトプットしまくり、言語化を愚直に続けていきます。

インプットとして影響が大きかったものの一つに、「転職の思考法」という書籍に書いてあった「to do型人間と being型人間」の考え方があります。

・to do(コト) に重きをおく人間……何をするのか、で物事を考える。明確な夢や目標を持っている
・being(状態) に重きをおく人間……どんな人でありたいか、どんな状態でありたいかを重視する

これを見た時に、「あっ、自分は完全にbeing型の人間じゃん」とすっと腑に落ち、自分がいつどのようなときパフォーマンスが高いのかを徹底的に振り返るきっかけになり、下記を抽象的ですが結論として得ます。

強いアイデアやビジョンを持つ人と一緒にそれを実際に形にしているとき。
上記の価値を周囲に広め、喜びのフィードバックを得るとき。

コンサルタント時代も、自分のパフォーマンスが高かったプロジェクトには常に、自分が実現したい世界やアイデアを持つクライアントさんがいました。また、商社時代に自分が部下として働かせていただいた、自分が人生で最も感銘をうけたビジネスパーソンは、食料と商売に関する強烈なビジョナリーで、彼と働くこと自体がモチベーションでした。

ただ自分は、形を作ること(プロダクトやサービスを作ること)も価値を自分で広めること(マーケティングやセールス)もまだ実績を残したことがあるわけではありませんでした。
自分はコンサルティングファームでファーストキャリアを積んだわりには(?)多分に経験主義的なところがあり、結局自分が消化した経験を元にしたビジネス判断が真に価値を生み、人を本当に動かすことができる、と信じているタイプだったりします。なので、将来は組織やチームを動かすことは前提にしつつも、まずは最前線で自分自身が売上を作れるようになりたい、(平たく言えば、まずはサービスを売れる人材になりたい)と思い至りました。
(このあたりの考えは、商社の営業パーソンと1年間一緒に仕事をする中で、結局ビジネスサイドは数字という成果を作れてなんぼ、という感覚を持ったことも大きいです。)

HERPには自分も実現したいビジョン・自分が得たい機会・ともに働く仲間のすべてがあった

上記のようなモチベーションで転職活動を行っている中で、縁あってHERP(の代表の庄田)と出会い、最終的に入社することになりましたが、意思決定の理由は下記の3つでした。(逆に、この3つが自分の中でしっくり来たので、オファー後の意思決定ではそこまで悩みませんでした。)
・自分ごととして一緒に実現したいビジョンがある
・ともに目指すことができるチームがある
・自分が得たい機会がある

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(内定を受託した瞬間。庄田(奥)が今よりもだいぶシュッとしている。)

自分ごととして一緒に実現したいビジョンがある
採用というドメインが、企業にとっても個人にとっても非常に大きなインパクトを持つ領域であり、自分ごととして全力で取り組める自信があったこと
があげられます。

コンサルタントとして様々な企業を支援させていただいた中で感じたのは、「結局人材がすべて」ということです。企業がなにか新しいことを始める時、既存の事業の成長を加速させる時、苦境から立ち直る時、どんな時においても、適切かつ優秀な人材がいないと結局はうまくいきませんし、逆に人材さえいればなんとかなったりします(極論)。

また採用によって人生が大きく変わった、という個人的な体験があったことも大きいです。実を言うともともと自分は新卒で外資系とかコンサルティングとかに就職することは全く考えておらず日系の大手企業に就職する気満々だったのですが、ちょっとした興味程度で受けた前職での採用選考中に出会った社員の姿や体験で刺激を受け、気づいたら入社を決めていました。結果的にこの意志決定は大正解だった(自分の人生は自分で切り開くもの、というメンタリティを得られたなど)と今でも思っています。
思えば前職では、現場のコンサルタントがコンサルタントの採用活動の設計や全面接、フォローアップなどを行うことが当たり前で、だからこそその企業の魅力だったりリアルだったりが短い間ながらも理解できたと考えています。HERPは「スクラム採用」という現場主導の採用コンセプトを提唱していますが、候補者目線でもこのような採用活動は広まるべき、と強く感じました。

もともと採用領域に課題意識を強く持っていたわけではなくあくまでもHERPと出会ってから上記のような課題を改めて感じるようになったというのが正確なところですが、入社後すでに半年たっても文字通り毎日採用について徹底的に考えている自分を見ると、やはり当時の課題への気づき・共感は間違っていなかったのだなと今でも思います。

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ともに目指すことができるチームがある
HERPの選考プロセスではオンラインでのトライアル入社を実施したのですが、全社会議などの社内会議だけでなく、実際の顧客との打ち合わせなどにも同席しました。会社の今の業績のリアルや、プロダクトやサービスが実際にどのようなフィードバックを受けるのかを肌で感じることができ、入社を決意する上で非常に大きな体験でした。(前職でも、誰と働くかによってモチベーションが大きく変わっていたため非常に重要な論点だった)

具体的には、毎朝数字ベースで徹底的に議論し、日々のアクションを徹底的にやりきる(数字とアクションの)文化が、事業に携わりたい自分にとっては刺激的でしたし、トライアル中のコミュニケーションや課題へのフィードバックを通じ、「この人達は採用を変えることに本気なんだな」ということに確信が持てました。代表の庄田に、「これまでの環境から、採用ドメインにおける仕事に移った時に、自分が克服しないといけない壁はなんだと思うか」とするどい眼差しで問われたことは今でも強く記憶に残っています。

入社して実際どうだったかといえば、創業メンバーだけでなく文字通り全メンバーが採用というドメインに対し真剣に向き合っている、と改めて感じています。2020年末には、デジタル庁(仮称)の創設に向けた採用支援の実施をプレスリリースしましたが、当時創業4年目のスタートアップが文字通り日本社会に大きなインパクトを与えうる採用活動のサポートをする機会に恵まれたのも、社員の採用への思いがあったからこそだと思います。

自分が得たい機会がある
トライアルを踏まえ、代表の庄田からオファーをもらったわけですが、当時の自分に対する役割期待、今後の組織の方向性とそこにおける自分が果たしていく(と期待されている)役割についてアツく語られたその内容が、自身がスタートアップで得たいものと合致していたことも入社の理由になりました。(まずは最前線で自分自身が売上を作れるようになりたい、などなど)

入社してからは自分の希望もあり、HERP Hire(採用管理のSaaS)のセールスと、クライアントに対する採用業務支援を担当しましたが、前者を通じた会社の売上に直結する目標を持ちながらの市場・顧客理解と、後者を通じた実業務やイシュー理解を結果的に深めることができました。市場からのリアルで新鮮なフィードバックを素早く得られることがセールスやスタートアップの醍醐味だと思いますが、実際にやってみるとその面白さは想像を遥かに超えていました。

スタートアップの醍醐味は、一次情報とビジネス判断に個人として向き合う回数

そしていま現在は、タレントプール(HERP Nurture)の事業推進の責任者として、ビジネスサイドと開発サイド双方を横断で見ています。「アイデアを形に転換して価値を広める」という意味で非常にエキサイティング(かつチャレンジング)な機会だと日々走りながら感じています。

自分が市場をどう捉えるか、自分がユーザーさんからのFBをどう解釈するか、自分とバックグラウンドや専門性が全く異なる開発者たちとどうコミュニケーションしていくか、など自分の判断によって文字通りサービスの方向性や中身、そして事業としての収益ポテンシャルが日々変わっていきます

社会人人生の中で私がもらった言葉で印象的なものの一つに、

ビジネス判断のスピードと正確性(ビジネス判断力)は、その人が
自分でどれだけのビジネス判断をしてきたかによってでしか伸ばせない

というものがあるのですが、
毎日が環境変化の連続で判断量が必然的に多くなることはもちろん、個人として一次情報を取りまくれるプレイヤーでありながらビジネス判断の意思決定者でいることができる、というのが、スタートアップに飛び込んでみて感じる一番の醍醐味かなと思っています。


入社半年以上経ち思った採用の面白さ ー分子へのこだわりと、徹底的な言語化ー

そんなこんなで入社してあっという間に半年以上が経ってしまったわけですが、その中で僕が感じた採用領域の面白さをまとめてみようかと思います。
(個人の見解です)

企業にとって、採用は分子にこだわらないといけないドメインである
ある仕事の質を考える際に、
分子(アウトカム)/分母(投入するインプット・リソース)
を高めていくという考え方をした場合、
採用というドメインは徹底的に分子にこだわる必要があるというのが、私がHRに飛び込んで半年経ち考えていることです。
分子というのは採用人数(量)のことを指しているのではなく、採用をしたことによるアウトカムを指しています。そしてこの分子(採用のアウトカム)は、高めても高めすぎることは有りません。

採用は企業にとってすべての始まりで、結局意思決定をするのも、データや記号を意味のある情報にするのも(そしてそれらの質を左右するのも)結局は人です。そして、いい採用は次のいい採用をもたらすという複利の側面があります。(優秀な人は優秀な人を連れてくる。最高の人材と働ける事それ自体が最高の人材を引きつける。)

弊社は現状B2Bで採用関連事業展開をしている企業ですが、ユーザーの採用の分母を下げるだけのアプローチにはあまり意味がなく、分子を上げることにどこまで寄り添えるかを追求する必要があると確信しています。

今後の採用の鍵を握るのは、言語化・ドキュメンテーションである
「採用により企業をスケールする」、という考え方をしがちですが、大前提として「スケールする採用活動」を行う必要があると考えています。(トートロジーっぽい)

ここで私が「スケールする採用活動」と言っているのは、組織規模や採用規模が大きくなった時に、人材の見極めやアトラクトのクオリティが低下しないようにする、むしろ向上させていく必要がある、ということです。スケールしない採用活動によって企業規模をむやみに大きくしてしまうと、社員数は増えたが事業成長は停滞した、といったことは容易に生じうると常々感じています。

では、「スケールする採用活動」を行っていくためには何が必要になるのかー私がここで非常に重要だと考えているのが「徹底的な言語化・ドキュメンテーション」です。
自社がどのような人材を求めているのか、採用意思決定の基準は何なのか、採用市場における自社の強みは何なのか、といったことの共通認識が組織内で形成されている必要があります。そのためには、各選考や面接での意思決定の過程や根拠をしっかりと言語化し資産として残しておく、そして必要な人が参照できる状態にしておく、こういったドキュメントの積み重ねが、スケールする採用活動につながるのではないかと考えています。

例えば、一回の採用面接において「合格」と書いておくだけでは不十分で、「今回の面接ではどのような側面を重視して見たのか。」「その点に関して自分はどう評価したのか、それはなぜか」「事実として、候補者は何を言っていたのか」など、ファクトと解釈・判断の区別を意識しながら意思決定の過程を言語化していくべきだと思います。リモートワークの普及に伴い、ビジネスにおけるこういったドキュメンテーションの重要性は盛んに取り上げられるようになりましたが、採用活動も決して例外ではないと強く感じます。

HERPで今後やりたいこと:企業が自分たちの採用資産をフル活用できるサービスを作る

上述した経緯や学びも踏まえて、今後自分としては企業の真の採用力を解放できるサービスをHERPで作っていきたい、と考えています。

日本という市場を世界の中で強くしていくためには、そのエンジンとなる採用の市場の強化が不可欠だと信じています。「採用は一方通行ではなく、企業と候補者とのマッチングである」というのはおそらく古来からいわれていることですが、だからこそ市場の強化にはプレイヤーの一方だけではなく、企業・候補者双方の採用力を高めていく必要があります

インターネットサービスの進化により情報発信や共有のコストが急速に低下し続けている事実は効率的な市場の実現にとって確実に大きなプラスになっています。一方で、旧来からの情報の非対称性を前提とした業界構造や慣習により、企業に眠る採用力や採用アセットのフル活用が依然阻害されています。
(余談ですが、日本の雇用の業界や慣習の成り立ちについては、「日本社会のしくみ」という書籍により自分なりの理解が深まりました。)
例えば採用部門にとどまらない全社員(のネットワークや事業への思い)だったり、事業それ自体の発信であったり、過去に実施した採用活動の積み重ねそれ自体だったり。そういった企業の中に眠っている採用資産を解放することで、候補者側のキャリアについての情報・コミュニケーション接点も多様化していき、意思決定の判断軸が研ぎ澄まされていくのではないか、と考えていたりします。

そのためには、ともに採用2.0の実現を目指していただける仲間がもっともっと必要です。採用やHERPに少しでも興味を持っている方がいれば、ぜひ一度お話しましょう!(下記のフォームより登録いただけると嬉しいです!)


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