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本を片手に。

読書が好きだ。小説やエッセイからいろんな味のする栄養をもらっている。
電子書籍が主流にもなってきているけれど、未だに小説やエッセイは紙で読むことを好んでいる。

ここ数年は多くの本を読むことを目標として、記録アプリにずらっと並ぶ表紙をうっとり眺めたりもしていたけれどそこに並ぶ本を紹介してほしいといわれれば言葉がすっと出てこないことがしばしばある。
これがしたかった読書なのだろうか。と思い、新しい本も読んでいくけれど手に持っている本をボロボロになるまで大切に何度も読んでみたいという欲求がでてきた。もしかしたらしてみたい本の読み方なのかもしれない。
本が好き。といってもいろんな好きがいるだろう。ここ数年のわたしはインプットしたい思いだけが強く、吸収した気になっていた。スポンジだと信じて疑わなかった自分自身はざるだったようだ。読書ではなく、文字を目で追う作業になっていた。そんなことに帰宅の電車の中で気づく。視線をおろすと記憶のあるページから数ページ進んでいる。わかっているつもりでもなぜ登場人物がそこにいるのかわかっていない。そんな状態。
これは本に対しても失礼で、よくわからない時間を過ごしている。過ごす時間すべてに意味を持とうなんて話ではないけれど、せっかく手にしている本を向き合えるのならそこは集中したいものだ。

本の中から「あ、いいな」と思う一文に出会う瞬間が好きだ。
それを書き記しているノートをぱらぱらと時間の空いたときに見返してみると新たな発見がある。過去の自分に助けてもらっているようで、なんだか恥ずかしくもある。でもそこで過去のわたしは何かを感じたんだ。残しておきたい。心に留めておきたいと。

今年もひと月が過ぎた。早いね、なんて笑いあっている間にも驚く速度で日々は過ぎる。今年はどんな言葉と出会うのだろうか。

ノートを見返すのが今から楽しみだ。

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