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【掌編小説】 なつ




少しは胸が
チクリとしてくれるのかな

そして
逃した魚を
愛おしく思うのかも

だけど
決して 
追いかけてはこない

時が過ぎて
懐かしい気持ちになるまで
ただじっと
耐えるのだろう

そんな男は
ごめんだ

カッコ悪くてもいい
ちゃんと
気持ちをぶつけて
追いかけてくれる人がいい

あなたの
クールさは
魅力でもあるけれど

こういう時は
なりふり構わず
来てくれる人がいい

わたしを
思ってくれているのなら

優しさよりも
直球の本音が欲しいのに

うまくは
いかない恋を
繰り返して

傷つかない方を
無意識に
選んでいるの?

わたしだって
平気なわけじゃないけれど
ちゃんと向き合うことから
逃げたくはない

例えば
気持ちのバロメーターがあって
ここまで
到達した人達は
幸せになれる

なんて
基準があればいいのにね


好きでも
それがずっと
続く訳でもなく
ハッピーであり続けるなんて
そもそも
ありえないのだから

わかっていても

また
期待しては
傷つきながら
少しずつ
磨かれていくのか


何度でも
それを
乗り越えていけると思える人に

いつかは
巡り合えると
信じて

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